東京2020オリンピック SIDE:A

劇場公開日:

解説

2021年に開催された東京2020オリンピックの公式映画として製作されたドキュメンタリー2部作の第1作。カンヌ映画祭常連で世界的にも知られる河瀬直美が総監督を務めた。1964年以来の東京での開催が決まった第32回オリンピック競技大会。しかし2020年3月、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延により、近代オリンピック史上初の延期が決まった。そして2021年7月23日、コロナ禍は未だ収束せず開催に賛否両論が叫ばれる中、1年遅れの開会式が実施され、オリンピック史上最多となる33競技339種目、17日間にわたる大会がついに幕を開ける。無観客となるなど異例づくしとなった大会と、その開催に至るまでの750日、5000時間に及ぶ膨大な記録をもとに、2部作の1作目となる「SIDE:A」では、表舞台に立つアスリートを中心としたオリンピック関係者たちにスポットを当て、彼らの秘めた思いと情熱、そして苦悩を映し出す。

2022年製作/120分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2022年6月3日

スタッフ・キャスト

総監督
メインテーマ曲
藤井風
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(C)2022-International Olympic Committee-All Rights Reserved.

映画レビュー

3.0負ける人たち側のオリンピック。

2022年6月29日
PCから投稿

毀誉褒貶の激しい東京オリンピック2020の記録映画だが、SIDE:A、SIDE:Bに共通する印象は、河瀨直美というオリンピックに過剰なロマンチシズムを感じている人が、極力イデオロギー的には無臭の体を目指したということ。それは意外に成功していて、おそらく断片的に差し込まれるさまざまなカットから、ある人は思ったよりオリンピックに批判的だと捉えるだろうし、別の人は反対派への悪に満ちていると感じることもあると思う。実際、SIDE:Aでは、同じ場面について真逆の感想を見かけることが多かった。

つまり、河瀨直美は、この映画が観る人のイデオロギーを浮かび上がらせるリトマス試験紙になることを目指したのだと思う。ある意味では韜晦の映画であり、しかし、イデオロギーを消し去ろうとしてもなお見えてくるものこそが、この映画の、そして河瀨直美という作家の本質ではないかという気がしてくる。

SIDE:Aの特徴は、決して陽が当たるわけではなかったアスリートたちにフォーカスしていることで、ひとつひとつの案件をもっと掘り下げて欲しいとは思うが、勝者の栄光の影に、圧倒的な数の敗者がいるのだと描き出した視点は、オリンピック公式映画にしてはとても新鮮で野心的で良かったと思っている。

ただ、もともとスポーツやオリンピックに興味が薄い自分には全体に冗長で退屈ではあり、また、河瀬監督と関わりの深い女子バスケだけはやたらとスポ根風に盛り上がっていたこと2違和感があり、そしてオリンピックの未来を子どもたちに託したいという過剰なセンチメンタリズムが肌に合わなかったことは付記しておきたい。

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村山章

3.0もっと観たかった

2023年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

 コロナ禍で東京オリンピック2020は、翌年に延期して無観客開催と異例のものとなる。選手や競技が主役のサイドA。
 1964年の東京オリンピックの映画は以前鑑賞。50年後に観ると、様々な景色、競技の違いが見られ感動できました。
 そして本作は、あれから2年。無観客となり、空席を目立たせないスタンド席の配色が、図らずも功を奏していました。コロナ前から取材していた海外の選手も取り上げ、深くその背景を描いている部分が多いです。とりわけ出産育児の女子選手が目立ちます。ソフトボールやスケボーの感動の名場面もありますが、出てくる競技や選手の数が物足りない。サイドBに期待、と思ったらそっちは別でした。競技や選手をもっと観たかった。

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sironabe

3.0記録映画でも、ドキュメンタリーでもなく、「作品」だったが…

2023年1月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この作品は、
好意的な批評が少ないことを中心に、
かなりマスコミで話題になっていたが、
ディスク化されたのを機に
レンタルして初鑑賞。

公式記録映画と位置付けられる作品だが、
私には、記録映画でも、
ドキュメンタリーでもなく、
良きにつけ悪しきにつけ、正に
「作品」との印象だった。

日本選手の活躍シーンとして描かれるのは、
柔道の大野選手や、女子バスケット、
そして女子ソフトボールの試合位だ。
柔道の阿部兄妹も、水泳の大橋も
全く登場しないので記録映画ではないし、
ドキュメンタリーと言うには、
テーマが絞りきれてはいなく、
徹底した客観性がある訳でも無い。
感じるのは色濃い河瀨直美監督の作家性だ。

コロナ禍の中での反対デモや
無観客の中での大会の描写だけではなく、
国際的には難民問題や国籍変更・人種問題に
翻弄される選手、
また国内では沖縄や広島・福島の問題等々、
選手を通して膨大な歪な国際世情を描く。

しかし、この東京大会の開催の意義に
ついては散々語り尽くされた後でもあるし、
一つのオリンピック大会が
全ての世界の問題を背負ったような視点での
河瀨直美監督の手法には
特段のオリジナリティも
感じることは難しかった。

また、意識的にママさん選手と共に
赤ちゃんが多く描かれた。
将来への希望を託したいとの映像だろうが、
これも、ありがちな映像手法に過ぎなく、
映画は本来、エンターテイメント性の色濃い
芸術でもあることから考えると、
河瀨監督の作家性が
裏目に出てしまった印象だった。

 1/24再鑑賞
友人との話から、己の理解が及んでいなかったと思い再鑑賞。

前回よりは、
勝ち負けだけではない競技への思いや、
アスリートとしての高見への矜持の観点での
河瀨監督の狙いへの理解が
少し進んだような気がする。

しかし、このテーマから、
限られた競技シーンの中で
柔道や女子バスケットの取り上げは
分からないことは無いが、
ソフトボールの試合を長々と描写したのは、
今後は採用されない競技だからとの
思いがあったのか分からないが、
テーマを曖昧にする一因になったような
気がする。

また、
映像作家がインタビューを多用したのは、
そもそも
映画とは映像からにじみ出てくる真理に
感動するものだと思うのですが、
それを言葉で説明されているようで
感動には結び付かなかったような気もした。

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KENZO一級建築士事務所

2.5無観客でやっちゃった

2023年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

殆どテレビを見なかったので、映画で、とまずはAから。
コロナ禍でのゴタゴタから始まり、開会式以降も無観客が続く。
主にスポーツ選手とオリンピックとの関わりについて、いろんな人たちを取り上げているが、これはこれで幸せなことかもしれない。

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いやよセブン
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