パワー・オブ・ザ・ドッグのレビュー・感想・評価
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ダブルで受賞、あるかも
パワー・オブ・ザ・ドッグ
今年のアカデミー賞で最多の11部門で
ノミネートされているという今作。
しかも、配信で見られる。というのでネトフリで視聴。
エニグマ〜では生真面目で偏屈な天才数学者を見事に演じて主演男優賞にノミネートされ、
今作では陰湿な牧場主で再度ノミネートされているベネディクト・カンバーバッチ。
陰湿な役と聞いて興味を引かれて,見始めて
途中まで正直『またこの手の映画か』と思ったけれど
主役を始め、彼からの陰湿ないじめで身も心もやつれ果てるキリステン・ダンストやその息子役の
コディ・スミットなど周りの俳優も素晴らしくて固唾を飲んで結末を見届けた。
ヒョロ長くてひ弱なピーター(コディ)は恰好のいびりの対象。
オレは『男の中の男』のような強い男しか認めない。
目から伝わる強い感情。
だがピーターが、誰も見ることの出来ない山の尾根の影を
初めてこの地に来た時から見えていたと知った時、
フィルの感情が動いた。
二人の間に風が吹き抜けて麦の穂(ススキかも)を揺らす。
もしかしたら誰にも知られてはいけない自分だけの至福の時を共有してもいい,とさえ考えたであろうフィルの眼差し。
キリステン(ローズ)が1階で弾くピアノと
フィルが2階で弾くバンジョー
大きな屋敷にメロディが鳴り響くシーンは圧巻。
ジリジリと心の奥に入り込んで来て、胃がキリキリしてくる。
ひょろ長くてひ弱なピーターは心優しき男の子
だけど綺麗な包装紙で母親の為に花を作ってあげるだけではない。
動物の解剖が好きで牛の病気にだって詳しいのだ。
母が幸せでいてくれる為にはなんだって出来るのだ。
うーん。
主演男優賞と助演男優賞をダブルで取っちゃうかもだな。
4人のそれぞれ
カリスマ的で圧力的な兄のフィルを持つ大人しそうな弟ジョージ。
未亡人ローズも息子ピーター思いの優しい母。
フィルは開拓を教わったブロンコヘリーを崇拝し、弟の妻となったローズへも、まるで仇のようなふるまい。娯楽のバンジョーでさえあんなに意地悪に弾ける。笑
母を圧力から守るため、ピーターが成長してゆくのか、元々の精神の強さなのか。
確かに馬にも乗れなかったピーターが、1人で山を昇り、炭疽菌?で死んでいる動物にも近づいて。
ウサギの解剖をしている時は、大学の夏休みだし研究だろうと思っていたけども、、、次のウサギのシーンでは、顔色ひとつ変えずに。
山々に見える影のことは、最初から気づいていたよーと、さらりと言うピーターに、うっ?と表情が変わるフィル。
葉巻を交換するシーンは、見応えありましたね。
フィルの葬儀を終えて帰ってくる2人に、ホッと微笑む優しい息子ですが、、、
アカデミー助演男優賞が楽しみな役者さんですね。
授賞式はWOWOWかぁ〜、以前のようにNHKBSでも映して欲しいわ、全く。
母ローズ役のキルスティン・ダンストン。決して美人ではないけれど(失礼〜)なんとなく寂寥感の漂う役柄に合ってましたね。「インタビュー・ウィズ・バンパイア」では大人びた子役だったのに。アントワネット役もキュートでした◎
壮大な山々の景色と美しい湖のシーン。大画面で楽しめました。犬の影もね。
そして監督の『ピアノレッスン』ももう一度、観たくなりました◎
キャストの演技と美しい景観は見事だが、、
●20世紀前半のアメリカの
美しい自然の描写は見事。
●キャストのセクシャルな描写や表情は
素晴らしい。
●一切姿を現さないが、
語り継がれるブロンコ•ヘンリーの存在
●ロープ、櫛、ウサギ、指輪など、
何かのメタファーのようなアイテムの存在。
●ストーリーは退屈で、
何か起こりそうで何も起きない。
音楽や演技で緊張感を演出するが、
またか、、というジレンマ。
二度みないと…
これは分かりづらい。一回だと何が何だか。しかもけっこう目を塞ぎたくなるシーンが出てくるし、途中で帰ろうと思いました。笑。でも意地でもアカデミー賞にノミネートされている理由を知りたくてもう一度観に行こうと思います。
ゾクリとする肌合いの心理劇
1 牧場主である兄弟と弟の妻、そしてその連れ子が絡み合い織り成す心理のあやを描いた人間ドラマ。
2 物語の前段は、冬場のモンタナでの人物紹介と状況設定に費やされる。カウボーイや使用人を抱え、牧場経営が順調な兄弟。牧場を始めたときの師匠のやり方を踏襲している兄は、動的で粗野。弟は静的で繊細。そんな二人が、支え合って生活する母子と知り合う。健気な母と中性的な子。弟は母を妻に迎え子を進学させる。兄は母子とは生理的に合わない。母子もそう。気配を感じるだけで、イライラや不安感が増していく。
3季節が夏になり、医学生となった子が牧場に遊びに来る。そこから物語は動き出す。焦点となるのは2つの関係性。一つは兄と医学生と師匠の関係。偶然にも兄は医学生に秘密を見られてしまう。また、兄は山の見え方を通して、自分と師匠と医学生に感性の同一性を感じる。兄は師匠から教えてもらったように医学生に乗馬を教える。師弟愛は同性愛に通じる。そして教育指導の過程はいわば自分好みに仕立てる調教を感じさせる。
もう一つは兄と弟の妻と医学生の関係性。
医学生を巡りどちらが排除されるのかの心理戦が起こる。そして、医学生がとった行動とその結末は・・・。
4 本作は前段での道具立てを理路整然とおこない、後段の筋立ての面白さが群を抜いている。カンピオンは、ゾクリとする肌合いの心理劇を作り上げた。重低音の弦の響き、櫛の歯を爪弾く音、カメラワークなどによる不安感の醸成の仕方や結末に至るまでの畳み掛け、そして余韻を残す終局と脚本と演出に冴えをみせた。
5 カンバーバッチは本来はインテリでありながら師匠の影に囚われ男らしさを追い求めてしまうある意味悲運な人を演じた。そして医学生役の人はミステリアスな人物像を演じ印象を残した。
誰にも感情移入ができず、疲労感だけが残る
こういう、「観るものに行間を読ませることを強要する映画」は苦手である。
主人公と、彼の弟、弟の妻、そして妻の連れ子とのギスギスとした人間関係が、緊張感をもって描かれていくが、「いったい何の話なのか」ということがなかなか見えてこない。
登場人物たちが何を考え、何を目的にして行動しているのかが良く分からないため、誰にも感情移入することができない。
そのため、人には言えない秘密を抱えて生きている主人公の孤独や苦悩が、胸に迫ることはないし、主人公が、人に対してようやく心を開いたと思った矢先に訪れる悲劇と、そのからくりに、心が動かされることもない。
「何を描きたかったのか」が分からないまま、疲労感だけが残った映画であった。
映画館で見るべき映画
風景とか、人の表情を長く見る作品は映画館で見るべきと思っている。
この作品は正にそれで、なるべく大スクリーンで集中して見たかった。
後半からラストまでは、何かがあるような映画とは思っていなかった。
この時代の差別や偏見を描く映画と思って見ていた。
なので後半からラストの展開には驚かされる。まさかのミステリー展開。
もう一度、最初からじっくり見たくなる、そんなラストでした。
当分見ないけど。
ドクターストレンジやるじゃん
MARVEL作品に食傷気味で、更にお顔が苦手なドクターストレンジ未鑑賞だったのですが、ストレンジさん、なかなかやりますな。
以前は物議を醸し出していたVODオリジナル作品。
VODのアカデミーノミネートも当たり前になった今日この頃。
アカデミー賞にノミネートされてこの映画の存在を知り、早速観ましたが、さすがのアメリカのアカデミー賞のノミネート作品は日本とは違いますね。
田舎の農場を舞台にしたパンチの聞いた作品に心をわしゃわしゃされまくりました。
大きな事件が起こるでもなく、ドンパチする訳でもなく、田舎の農場の歪みのあるファミリーの日常が、素晴らしい景色の元で美しい映像とともに淡々と変わりゆく様が丁寧に描かれています。
出来ればこういう名作は映画館でみたいのに!
と思っていたら、なんと!アカデミー賞ノミネート効果で映画館で上映されているようですね。
ドクターストレンジさんの一見嫌な奴が素晴らしいかったーー。
トビーマグワイア版のスパイダーマンでヒロインを演じていたキルスティン・ダンストが結構おばちゃんになってて驚きました。
コーデもとても良かったけど、こちらも素晴らしい
どっちにアカデミーの軍配があがるのかな~
意外とドライブマイカーが勝ったら日本の快挙ですよね。
わたし的にはドライブマイカーよりは、今作とコーダに投票したいとこです。
怖い映画
人の感情というものは愛とか憎悪とか、そう単純なものではなく、作品のなかのロープのように綯い交ぜになって交差している。
そんな部分を見事に描いている。
ピーター役のコディ・スミット=マクフィーの持つ雰囲気が支配する。アカデミー賞助演男優賞ノミネートもむべなるかな。
重いが面白く見た
事前情報を入れず鑑賞した。
終始薄暗い画面、不穏な空気、淡々と物語が進む。いつも何かが起こりそうで、起こらない。そんな感覚。
最後まで見るとホラー映画だったと気づいた。
構成としていくつかの章に分けさせる必要はあったのか?当方にはちょっと白けさせた。
鑑賞後に監督の詳細を見たが、過去に「ピアノ・レッスン」の作品を手掛けたというところで納得できた。世界観がとてもよく似ていた。
ただ、あの「ピアノ・レッスン」のような衝撃的なシーンはない。
静かに、ジ・エンドを迎える。
面白く見たがオスカー受賞はなるか。
あまりに重く、華々しい受賞作品とはまた違った趣のある作品に仕上がっていると感じた。
蓼食う虫も好き好き
見えるものが同じでも、立場や境遇によって感じ方はそれぞれ。
各物語は章立てになっていて、1つの章が終わる時にキャラクターの裏面が見えてくる。
幸せな結婚の裏側
インテリカーボーイの裏側
大富豪一家の次男の裏側
医学生の裏側
人には言えない、言いたくない側面が暴かれる瞬間に目が離せなくなる。
本作では、カンバーバッチの怪演が光る。
最初は堅物で粘質ネチネチ小姑ポジションブラコン兄かと思いきや、中盤では抑圧された自分の性や人間らしい一面も描れる。
序盤の不協和音と共に嬉々として嫁いびりをするフィルは、小姑の意地悪丸出し、嫉妬丸出しの醜いいやらしさがある。
一人秘密基地で布をすりすりする場面は神々しいくらいに美しい。きっとこっちが本体だと思ったのも束の間、禁制の園を見られて裸で爆走をするフィルのお尻にクスッと笑ってしまう。
そして、後半になるにつれて恐ろしかったフィルに愛着が湧いている。
皮をなめしてロープを編むが、たとえ皮が余っても、原住民には死んでも皮を渡したくないという差別意識が見える。そのへんがリアリティがあって良かった。
精神攻撃を受けて、追い詰められていくローズ。
生活は旦那の財産に依存
精神面はお酒に依存
母性は息子に依存している。
そしてどれも満たされていない。
うまく立ち回れていない、ギクシャクした居心地の悪い椅子に座っているような気持ち悪さがある。
息子のピーター役のコディ・スミットも物言わぬ狂気が漂っていて存在感がある。
受け入れられたと思うか
懐に入り込んで喉を掻き切ってやると思うか
同じ場所で同じ時間を共有していても、感じ方は違う。
人は自分の想像力の外側のことには意外と鈍感で、他人の気持ちなんて分かりっこない。
分かり合えたと思ったら要求が増えたり、傲慢さが出てきたりと厄介な代物が人間の感性というものなのだろう。
フィルがやピーターが見たという吠える犬がどうしても見つけられなかった。
犬が吠えるには二つの意味があるらしい
威嚇と要求だ
おそらく、フィルの見た「吠える犬」は要求だ
自分の抑圧されて生きている状況に対して吠えている。
自分ではどうしようもないセクシャリティの壁に向かって吠えている。
そして、ピーターの「吠える犬」は威嚇だ
余所者に向かって吠える犬とはフィルのことで、自分や母親は邪魔者扱いされていることが分かる。
相手が同じように物事を解釈している
と思い込んではいけない。
他者への期待を抱かずして、何が救いとなり得るのか?
スルメ映画なので、Netflixなど配信で堪能ください
ストレンジではないカンパーバッチ
登場人物が少ないので、人間関係はすぐ理解できる。
しかし、自分の考えていたストーリーとは全く違う展開(良い意味で)に非常に関心した。
カンパーバッチはこういう役も出来るんだ(最初、マシューマコノヒーかと思った)。
ちなみに自分も医学部時に骨のスケッチがあったが、今は骨を家に持って帰ってはいけない。
北海道では劇場公開は無かったはず。劇場で観たかった映画。
あれ?ん?
Netflixで見ました。見た感想はよくわからないけど何かすごい!でした。
静かにずっと不気味で1時間くらいまで何だろなあと思いながら見ていて、後半15分くらいであれれれー!?となり解説見まくりです!
みなさんのコメントやネタバレサイトで理解してまた見たくなりました。
何かわからないと言いつつ、カンバーバッチとコディスミットや他のキャストもよかったです。
カンバーバッチの名演
予告編観て、どんな恐ろしいミステリーかと思い覚悟して見るも、、男臭い哀しいお話だった。。女性監督の手腕か、はたまたカンバーバッチとマクフィーの美しさのなせる技かな。男のドロドロが、雄大な牧場の風景に馴染む。。
ストーリーは少々解りづらく、撮影裏話のクリップとか色んな方の書いてる考察とか読んでフムフム。こういう謎解きもまた映画観る醍醐味かも。
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