メインストリーム

劇場公開日:

メインストリーム

解説

フランシス・フォード・コッポラの孫ジア・コッポラ監督が「パロアルト・ストーリー」に続いて撮りあげた長編第2作。「ハクソー・リッジ」「アメイジング・スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが主演を務め、人気YouTuberへと駆け上がろうとする若者たちの野心と狂気を描く。ロサンゼルスで暮らす20代の女性フランキーは、映像作品をYouTubeで公開しながら、寂れたコメディバーで生計を立てていた。そんなある日、天才的な話術を持つ男性リンクと出会った彼女は、リンクのカリスマ性に魅了され、作家志望の友人ジェイクを巻き込んで、本格的に動画制作を始める。破天荒でシニカルなリンクの言動を追った動画は注目を集め、リンクは瞬く間に人気YouTuberに。しかし「いいね!」の媚薬は、いつしかリンクの人格をむしばんでいた。やがて世界中のネットユーザーから強烈な批判を浴びると、リンクの野心は狂気となって暴走していく。フランキー役にNetflixドラマ「ストレンジャー・シングス」のマヤ・ホーク。

2021年製作/94分/G/アメリカ
原題:Mainstream
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2021年10月8日

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映画レビュー

3.5“確たる自分がない女性像”は、著名人一家に生まれた監督の投影か

2021年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

ジア・コッポラ監督の長編第2作。前作「パロアルト・ストーリー」でエマ・ロバーツが演じた女子高生エイプリルと、本作のYouTuberになりたい主人公フランキー(マヤ・ホーク)は、確たる自分がないという点で似ている。ジアの祖父はフランシス・フォード・コッポラ、叔母にソフィア・コッポラ、親戚にはニコラス・ケイジやジェイソン・シュワルツマンがいる。著名な映画人の家系に生まれたことで、スター、才人、奇人変人に囲まれて育ち、彼らと比べて「自分には何があるのだろう?」という自問を抱えて大人になったであろうことは想像にかたくない。そんなジアの思いが、長編2作のヒロインに投影されているようだ。

デビュー作はオーソドックスな演出の青春群像ドラマだったが、今作ではYouTubeやSNSが全盛の現代を反映し、ネット動画で多用されるアイコンや絵文字を貼りつけたエフェクト、早送り再生、人工的なカラーリングによる強調などを駆使した。新しい映像表現に挑戦した点は評価できるが、スタイルを確立するまでには至らず、いまだ模索中という印象だ。

アクセス数、再生回数、いいねの数を稼ぐためにコンテンツが過激化したり、ネットの炎上やバッシングが個人を精神的に追い詰めたりといった話は、もちろん日本の観客にとっても他人事ではない。本作の鑑賞が啓発や戒めにつながればと願う。

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高森 郁哉

3.5ロマンスを動力に

2023年12月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

動画をアップする人は、ただお金を稼ぎたいだけの人は別にして、自分のクリエイティブさを発揮したいものだ。
クリエイティブさの先に、それを認められたいと思う欲求がある。
認められるためには他人が必要だ。自分ではない認めてくれる人が。
肥大していく承認欲求は、動画を観る側の問題へと波及する。

クリエイティブさと承認欲求のバランスは、登場するメインキャラクターの3人は物語の始まりから変化しない。
狂って落ちていくように見えるアンドリュー・ガーフィールド演じるリンクは最初からクリエイティブさを発揮しようとは思っていないのだから。

物語に変化をあたえるのは、3人の認識の齟齬だ。それぞれがそれぞれの考えに賛同できないという状態。それを担うのは恋愛感情である。
つまり、この作品はスリラーかサスペンスのような狂気の皮をかぶったロマンス作品だったようにも思う。

尺が短いので、盛られた内容を昇華しきれていない印象がある。
問題提起型の作品の動力をロマンスで、というものだが、動力が弱い。問題提起がしきれていない。もちろん答えもない。
全体的には悪い部分ばかり目に付くが、それなりに面白かったんじゃないか。

映画は一人では作れない。お金を稼ぐことが第一目標のプロデューサーの意向には逆らえないものだ。尺が短くなれば利益率が上がる。一日に上映出来る回数が増えるから。
クリエイティブさと承認欲求のバランスの物語で、一番最初に書いた「お金を稼ぎたいだけの人」の横槍が入って尺が短くなったように見える本作は、それだけでなんだかちょっと面白いようにも思う。

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つとみ

1.5短いのが救い。

2023年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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Yohi

4.0実際のところ、よくわからないのが、アメリカ人の《承認欲求》です

2022年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ジャンルはSNS(動画配信)ものですが、ラブストーリーなとこもあります。

主人公フランキー(女性)ですが
偶然見つけた破天荒で得体の知れない男(リンク)にどんどん惹かれていきます
警官や警備員に取り押さえられるアナーキーな行動をしながらも
不思議な優しさと普通じゃないけど妙に説得力ある発言のリンクを好きになっていきます
物語前半は、フランキー視点でその過程がていねいに心情描写されていくので
たぶん女流監督だなと思ったら、なんとあのコッポラさんの孫娘でした

冒頭部で、「まだ小さな女の子で、《承認》と《愛》が必要なのか?」
「成長するために一歩踏み出す必要があるのか?」と、自らに問うフランキーですが
手品などを披露するさえないバー勤務という変化の乏しい日常生活を過ごしています
(そこの同僚が、彼女を静かに見守る恋人未満の男ジェイクで、つまり三角関係です)

リンクの才能を見抜いたフランキーは、ジェイクも含めた三人組で
成功と自己実現を目指し、YouTubeの世界に飛び込んでいくのですが、、、
瞬殺で人々の注目を集めていくリンクは、SNSの世界でスマホを否定する自己矛盾な男です
でも頭の回転は速く、シニカルな切り返しもうまいですし、おふざけディベートの達人です

しかし、その彼が成功とともに、キャラが変わっていきます
自らを偽る行為やSNSの偽善的なところや赤の他人からの承認を極端に嫌っていた男が
いつの間にか手段を選ばずSNS上のインフルエンサーを演じ切っています
実際は、物語はフランキー視点で続いているので、フランキーがそう思っただけで
リンク自体は、そもそもそういった性格で、何も変わってはいないのだという気もしました

本国の映画評では、「SNS批判に鋭く食い込んではいない」ですが
得体の知れない男を好きになる少女の心を持つ女性の恋愛過程のほうが
気にはなりましたし、そっちのほうが面白かったです
で、おじいちゃんのコッポラさんには、赤の他人からの承認欲求はあったのでしょうか
単純に、撮りたいものを異常とも言える執念で撮っていたような気もします

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sarugaku
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