わたしは最悪。のレビュー・感想・評価
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「あなたは最高」と言ってくれる人と出逢い
人生の決断に対して、“果たしてあの決断は正解だったのか?”“あの時〇〇していたら”というタラレバが脳裏をよぎる時がある。
ユリアとアクセルの2人を見て、自分自身の体験が蘇った。
映画やドラマのように人生がスムーズに進む人ってどのくらいいるんだろう。
とりわけ人間関係や恋愛は本作のようにタイミングが合わなかったり、人生のステージや求めるものが違うとあっという間に終止符が打たれる。
多くの人が今いる場所に不満や疑問を抱きながらも行動せずに、惰性で生きている。
だからこそ迷い、つまづきながらも、オスロの街で果敢に生き抜く逞しいユリアに対して、羨望や共感が大きかった(もちろん老婆心もあるが…)。
(以下、ネタバレ)
10章から物語が大きく動き出す。ベッドの上でアクセルがヘッドホンをつけて踊る姿になぜか涙が止まらなかった。アクセルがユリアに「君は最高だよ」と話すシーンがある。自信のなかったユリアが最も求めていた言葉じゃないだろうか。
こうして自分を認めてくれる人がそばにいてくれるだけで希望が持てる。だけど、大事な人、大切なことって失ってから気づくんだよね…。嗚呼、人生。
期待をもたせない“人生讃歌”に好感が持てる。
傑作です。
万人に薦めずらい描写もありますが、傑作だと思います。湿度、気温までも伝わりそうな実在感のあるカットに感動しました。シーンに描かれていない時間すらも伝わる細やかな情景には誰もが没入出来ると思います。目線、表情の説得力も最高です。ストーリーに関しては、恋愛や価値観、選択の話なので各々の経験値や考え方で評価は分かれるものだと思います。それでも劇中の彼らの実在感が素晴らしいので、そういった余白を生み出せる作品は傑作と言うべきなのだと思います。日常における輝かしい瞬間、自分を見つめ直す瞬間の切り取り方が尋常じゃないです。
意外に含蓄のある内容でした・・・・1秒先の彼女のパクり?シーンあり
わたしは最悪っていうほどではありませんよ。医学部に入り辞めて、臨床心理士、それも辞めて、写真専門学校と適性を求めてさ迷う美人さん。臨床心理の先生と付き合って、その後は15歳年上の風刺漫画家とお付き合い。なかなかのリア充ではありませんか。
見終わって、気がついたんだけど、ダコタ・ジョンソン系の健康美人が好きみたい。
なかなか、唸らされるセリフが多くて、チクチクと刺される感じがした。年とってる方が奥歯に凍みるような内容。もう一回、チクチクされに行こうか思案ちう。
ただ、去年観た台湾のチェン・ユーシュン監督の映画、「1秒先の彼女」の一番印象的ないいシーンをパクっていたのはいただけないけど、旨い❗
鑑賞動機:ポスターと邦題のギャップ3割、トリアーだと?3割、脚本賞候補4割。
ポスターのシーンがどういう状況下かわかって驚く。最近観たアレと同じように撮ったのだろうか。あと煙を使ったあれはCGとか使ってるのだろうか。映像はその二つが目を引いた。
最初ナレーションはお母さんですよね。でもそうじゃないところもある。ユリヤが書いたエッセイ/小説という設定?
何が正解か答えがないのが人生なのだろう。結婚や子供みたいな大きな出来事だけじゃなくて、日々の自分の選択の積み重ねにより形作られていくものだと思うけど。死ぬ時にいい人生だったと思えればいいよね。
人生における大きな選択は先が見えず、不安になるという点で主人公に共...
人生における大きな選択は先が見えず、不安になるという点で主人公に共感出来たが、人生のターニングポイントで逃げ続けてしまう主人公には共感できなかった。
彼女に起こる出来事が自業自得だと思ってしまう時点で本作を楽しめていないと感じた。
人の心は気まぐれで難しいと思ってしまった。
男子ってそう思ってんだ〜
わたし30代半ばの女ですが、共感できなかったな。
男が理想とする女ってことなのか…?
男目線で「最悪」を描くとこうなるのか…?
終始、男子ってそう思ってんだ〜って一歩引いて観てた。
わたしは最悪。タイトルは好き過ぎる。
期待値は勝手に上げないのが吉
その名の通り、最悪な映画だった。
と言うのも、本作について知っていた事といえば
デンマーク出身の監督の、アカデミーノミネート作品
という事くらい。
それで、題名『わたしは最悪。』と来た。
しかも、評判は高い。
ほうほう、きっとタイトル通り
「わたしは最悪(な状況に意図せず置かれてしまったけれど、それでも何とか生きていく)」
的な話かなーと勝手に想像して盛り上がってたんですよ。
なんとなく「フランシス・ハ」的なね。
その次にポスターを見て、それもよかった。
さらに、期待値は上がったものの少し気がかりなのが
主人公の女性が、飛び切り愛嬌のある笑顔で
走っていたポスターだった事である。
はて、彼女の話か。彼女が最悪な目に遭っているのが
想像つかない。
そして、鑑賞。
これ、「わたしは最悪。」ではなく
「わたしが最悪。」だった。
主人公がクズすぎて最悪の人物だったのだ。
(これは明らかに言い過ぎてるが、こんな掌返し感があった。勝手に想像膨らませたわたしが悪いが。)
始まり方は何となく好きでしたよ。
章立ててはじまっていく感じ。
(ただ、12章って多過ぎるよね…。)
しかし、内容はどうよ。
全体を通して言うと、
まず、映画への愛は感じるが余りにも詰め込みすぎて、
お腹いっぱいなのに、口に詰め込まれてる感が凄い。
(アニメーションは良かったけれども、
町中の時間が止まるシーンとかくど過ぎる。
お前らの為に世界は存在するんか。
「1秒先の彼女」の止まり方のがまだ良かったわ)
それと、SDGs全部やるんじゃないかってくらいの
広範囲の問題提起。
女性軽視や、環境問題、暴力描写、表現の自由。
画としても示すくせに、そのオチはぜんぶ
過激派ぽい人(フェミとかヨガとか)が出てきて終了。
それに対して主人公たちは、
やれやれ、、的な空気感。
なんじゃそりゃ!!!
それが現実社会の反応かもしれんけども!
そのレベルなら取り上げなくて良くない!?
主人公は男性との議論中も噛み付くように言い返すが、
それが何になる訳でもない。
なんだ?監督の言いたいこと言ってるだけ??
それって映画じゃないよ!
さらに、物語は後半につれ、その名の通り最悪に。
なんと、主人公の元彼が病気で死ぬと言う。
……まあ、ここまではいいよ。
で、そのあと主人公とダラダラと過ごして話して…。
こんなシーン要る!?
彼が死にゆくとき、何を想うかなんて
正直、知らないよ!
てか、あなたの事をそんなに知らないよ!
もう彼女には次の問題が訪れてるのに
今それに構ってる暇はないよ、、。
どれだけ絆があったか知らんけどさ…。
でも浮気で別れてるんやで…。
過去が未来がとか、これもどうせ監督の主観を
喋らせてるだけじゃん…とか思ってしまいました。
それでもって彼氏との妊娠の問題は
余りにも短くあっさりとしたシーンで終了。
え??
そして終章で、彼氏はまた別の人と…。
まあそれが人生なのかもしれないけど、
そのまま映画にしても、それは日記だよ。
(何年かぶりにイライラし過ぎて劇場を出たくなる現象に襲われた)
最後に、主人公の人間性について。
彼女は、本能に従うタイプで新しい物に目移りしがち。
ここまでは何も言う事ないのだが、
観客が、絶対するなよ、って事を平気でする。
それが愛すべきキャラではなく、
憎むべきキャラに出来上がってしまっているのだ。
ここに関して理由は分からないのだが、
おそらくは彼女すら彼女の選択に納得していないからだと思う。彼女も迷いつつ、しかし本能には従う形で行動している。そしてそれの仕打ちを被るのはいつも、彼女以外の誰かだ。
「わたしの最悪な行動により、周囲の人が不幸になる」
映画なのだ。
思えば、初めからそうだった。
彼氏の母親?は、彼女に勧められてダンスを始め、
そして怪我をした。
彼女の行動は、常に誰かを傷つける可能性を孕む。
それは、彼女自身も。(最後には流産してしまった)
しかしこれって社会の中で生きる人、
全員に言えることでは?
と書いていて、答えにぶち当たった感があるが、
それでもこの描き方は気に食わない。
もう少し、彼女の葛藤が見えれば…。
思い返してみると、彼女は友達がいない。
彼氏や家族と過ごす以外で、親しい友達がいない。
彼女は、そういう人なのかも。
周囲を傷つけるのを恐れているが、
本能には逆らえない。
と、まとまらなくなったが、
答えが出ても本作は好みでない。
でもこれは監督との相性とか
その辺の問題な気がします…。
それか私の心が狭い。
または、彼女の傷に気が付けなかった。
ただ、中盤で彼女が書いた記事、
「わたしは硬いのを"創る"のが好き」
って表現は、なるほどなーと。
今まで持っていた感覚を上手く言語化した感覚で、
物凄く腑に落ちたというか、ああそういう事か!
となりました。
主演の彼女は、体当たりな演技で良かった。
どこにいても絵になる。
そしてなんと言っても可愛らしい笑顔である。。
衣装も好みだったのだよな〜…。
確かに「最悪」かもしれない…。
この映画は“共感”ではなく、“共感できない”を求めているということになるだろう。
自由はいいと思うが、かなりまわりを振り回して生きていると言える。
先日公開された「パリ23区」を思い出したが、この手の映画は表面的ものを描くしか方法がないので、最後は結論なく、なんとなく終わるしかないだろう。
合作の中にフランスが入っているので、フランス映画の匂いも漂う。
北欧の〇〇など、日本ではいい意味で使われている場合もあるが、映画を見る限り、価値観は混沌としている。
映画とは“共感”や“感動”を得るものだと思っていたが、もうすでに、そういうものではなくなっているらしい。
暗い映画館の中で、傍観者になるのは、寂しいことだと思う。
それは誰の身にも往々にして起こり有り得ること
成績優秀だから医学部を目指すとは
日本でも良く聞くハナシ。
そこには「医は仁術」との視点は欠けている様にも思われるが
本作の主人公『ユリヤ(レナーテ・レインスヴェ)』も
それを地で行くような進路選択。
程なく、適性について疑問を抱き、次は心理学、
更には写真と次々と目標が変わって行く。
その過程で、付き合う男性もとっかえひっかえとなるのだが、
はてこれは、一種の自分探しの挫折の繰り返しと捉えれば良いのか。
ストリー上は三人目の相手となるのか、
一回り以上年上のコミック作家『アクセル』との日々は
最初は穏やかなものだった。
しかし自身の家族との相克、彼の家族との葛藤、更には
子を産み母となる可能性が見えてくると
彼女はまた、同じことを繰り返す。
忍び込んだパーティの会場で会った『アイヴィン』は
カフェの店員だが若く、魅力に溢れている。
共にパートナーのある身。
浮気未満の一夜限りの関係のつもりでいたのに、
惹かれ合う二人は、ひょんなことから再会し
焼け木杭には火が付ついてしまう。
しかし、彼とも、何かコトが起これば、
立ち向かうよりも回避を選ぶのでは、と
鑑賞者の側が感じ始めた矢先、
突然の知らせが舞い込む。
そうした『ユリヤ』の生き方は、傍から見ていると
釈然としないものに思えてしまう。
とは言え、難題に対して
常に正面から立ち向かうことを選択する人間は
世の中にどれほど居るのだろうか。
それは男性でも女性でも同様で、
ここではややカリカチュアライズされてはいるものの、
万人に共通の弱さと捉える。
それらを全て吞み込んで、
「自分はこれで良いのだ」と自己肯定できることが
窮屈に生きないための一つの方便にも思える。
勿論、自身を甘やかし過ぎれば、
違う意味で駄目人間になってしまうだろうが。
人夫々に幸せのカタチがあり、他人にはとやかく言う権利は無いものの、
事有る毎に一方的に突然の別れを告げられる方は
堪ったものではないけれど。
Waters of March
悩み迷い、いろんな選択をし、フワフワ浮いたり、ぶつかったり、流されたりしながらここにたどり着いた
やっと地に足がついた感じがした
良い未来を感じさせる終わり方がとても良かった
現代映画の最前線なのかもしれない
たぶんタイトルはちょっとニュアンスが違うのでは、と思う。悪いことがあって舌打ちするようなのでなくて、たぶん自虐的にいう私は最悪の女、なんですね。違うか。
予告編みてイメージしてたのとは違いはしたけど、とにかく繊細でリアルでファンタジックで、女性監督のオリジナルシナリオなのかと思うのと男性なのですね。たまげた。日本の男性監督にはこれは撮れまい。というほどに細やかな瞬間を狙った映画で何が近いかというと「リコリスピザ」とか「カモンカモン」かもしれない。ひと昔前の映画が描き出してない映画としてのドラマ。映画でないと描けない時間のドラマ。
12章に分かれて…と説明が入るとおり、モノローグと私小説的要素のエッセンスで主人公の「今」までが描かれ、人間関係における「今」がはじまって別の人が現れて「今」が更新されてゆく。男にも女にも等しく「過去」が出来て「今」が更新され、去ってゆく人の今と遭遇する。やはり最後はじわっとくる。「横道世之介」が好きなのはこういうことなのかもしれない、と思ったりした。
ひとつ、こんな同時代的に「1秒先の彼女」と同じようなファンタスティックなシーンに出くわすというのは、これも時代なのか。雰囲気はまったく違うけど。そして、あちらの台湾の街角とこちらのオスローもとても魅力的だった。
そもそも「時間」をテーマにした映画で時間を止める、というのを具体的にやるっていうのも手が混んでますな。
普通だけど特別な物語
特筆すべき何がある訳では無い
普通の主人公ユリヤにいつしか夢中。
感情の微妙なニュアンスのやり取りが
従来のドラマにはない共感を届けてくれます。
ユリヤが彼氏と別れたい理由も
別れ話の中でみせる気遣いも
共感と納得がありスッと飲み込めました。
そんな幾つもの共感がちりばめられた
普通だけど特別な物語。
追伸:
会ったその日におならで爆笑し合える相手には
やはり特別な感情抱いてしまいます。
主演の女優さんが、私の好みのタイプだったので観てみた。
簡単にこの映画の内容をいうと、自分探しをしている若い女性の話である。あと2週間もすれば、私は67歳になる。孫も3人いる。もう、とうに自分探し(正確には諦めた)は終わっているが、迷うことは今でもある。
60歳で鬱病を発病し、再発と寛解を繰り返している。最近の診断では気分循環障害(軽い躁うつ病)と言われた。だから、人生を迷っている主人公に共感できる。
映画の作り方が、私の好みではなかった。故に作品に集中できなかった。中盤辺りから、映画らしい幻想(イリュージョン)が入って集中できた。私の好きな作曲家モーリス・ラベルの「ラ・メール・ロア」が流れて嬉しくなった。映画の中で使われたのを始めて聴いた。
人生に迷っている若い人に勧めたい映画である。聞き慣れない言語で話している。ノルウェー語だった。
女性の吐いたタバコの煙を男性が吸い込む場面があります。そのエロいこと。これだけで官能を刺激させ、現実の性行為よりもエロティックです。
谷崎潤一郎や川端康成或いは三島由紀夫が喜ぶ姿が目に浮かびます。
私の人生なのに傍観者で、脇役しか演じられない。
すいません、自分には合わない映画でした。
結局、現状に満足できず、まだ今以上の自分の居場所がどこかにあるのではないか?と自分探しをし続ける嫌な女じゃないか。自分には価値がない、と控えめな人ならまだしも、ユリヤはなまじ頭がよく(医学部合格)、才能もあり(カメラを職業にできる)、容姿もいい。だからより高みを目指すのだろう。だけど、どうしても共感ができないのは、その時々の相手を慮る気持ちが欠落していることだ。人との出会いも自分の運命だと思えば、あんな態度はしないものだ。
それにしても、アクセルいい奴すぎる。君みたいないい奴がいるから、ユリヤみたいな女が勘違いするのだ、とちょっと小言を言いたくなる。
共感はできないが彼女なりに成長しているのだろう
学業成績抜群なのだが違う道に進むほど可能性の幅を狭めているように思えてならない。
それは父親の言い訳癖によるものか母親の何でも容認する姿勢によるものなのか読み取れなかったけれど、とにかく残念だ。
恋愛も残念だが、別れを告げられた男性からすればポカ~ンとなるだろうな、なのにあいしてしまっている男どもが可哀想すぎた。
作品を通じて学んだことは、切羽詰まったって直ぐに逃げを打たず一旦頑張ってみよう、かな。
ノルウェーの美しい街並みは印象に残りました。
【”聡明だが、移り気で我が道が見つからず、自分の人生の在り方を求めて2人の男の間を行き来する若き女性の心の成長と自立していく様を描いた作品。共感し難い生き方だが、冴えた演出は見応えある作品である。】
ー 原題が凄い。「THE WORST PERSON IN THE WORLD」である。どんな極悪な女性が描かれるのかと思いながら、劇場へ。
確かに、間違ってはいないけれど、自分の進むべきが見つからず煩悶する、可なり性に奔放で、パワー溢れ、根本はしっかりとした自我を持つ、女性ユリアの成長物語であった。
それにしても、ユリアに惹かれ関係性を持つ、40代の漫画家アクセルと若いアイヴィン。君らも大変だったな。あ、でも君らも愉しんでいたから良いか・・、などと思ってしまった作品である。-
◆感想
・冒頭からユリアの次々に興味を持った事に冷め、移り気していく姿が、その後の展開を予想させる。
・そして、出会ったアクセルとの年の差ありき恋。同居する事になった、アクセルは子を望むも、ユリアはその気になれない。でも、”する事”はする。
ー コラコラ。ついでにユリアが根本はしっかりとした自我を持つ、女性である事も分かる。ー
・そんなユリアの前に現れたアイヴィン君。パーティで意気投合しちゃって、”固くなる前が好き。だって固くするのは、私でしょう?”なんてユリアはアイヴィン君に言っているし・・。
果ては、お互いに小用を足す姿を見せ合ったりする。
ー コラコラコラコラ。お父さんは、そんな事は、赦しませんよ!-
・ユリアは、アクセルと、アイヴィン君に心惹かれ・・。
ー アクセルがユリアのために珈琲を入れている背中を見ながら、ユリアは部屋の電気を消す。その瞬間、街中の車、自転車、バイク、人々の総ての動きは止まり、ユリアのみがアイヴィン君の元へ、一心不乱に走るシーン。
見事な演出である。-
・ユリアはアクセルに別れを告げ、かといって恋人のいるアイヴィン君の元に行くわけでもなく、部屋を出る。
ー アクセルが、凄く可哀想に見えてしまったシーン。
健気なアクセルの憔悴しきった顔。
矢張り、ユリアは”THE WORST PERSON IN THE WORLD”かと一瞬思ったが、彼女は自分が決めた選択肢に従っただけなのだ、と思い直す。-
<アクセルは病に倒れ、ユリアは望まない妊娠をする。だが、子は流れアイヴィン君は恋人との間に子供を設け、幸せそうである。
そして、ユリアは写真家への道を歩んでいく。
ユリアの生き方は、ハッキリ言って我儘であるし、周囲を傷付けたりするし(可哀想なアクセル。女性蔑視の漫画を描いていた報いか?)、余り共感は出来ない。
だが、私は、今作は、一人の女性が自分の意思を貫き、少しづつ心が成長し、自立していく様を描いた作品ではないかと思ったのである。>
気が付いたら彼女の幸せを願っていました
男性諸氏‼️
たまには頭をフル回転して、女性がキャリアを積むことや身体的生理的な違いやそのことからくる不安などを自分のこととして想像してみよう❗️
何を偉そうに!
そんなこと、これまでだって考えてきたさ、という方ももう一度ゼロベースから想像力を働かせてみてください。なんだか今までは、理解したつもりになっていた、或いは、理解した振りをしていただけだっだかも⁈
なにせ、ユリヤの語りかける力が凄い。
言葉だけでなく、視線、息遣いなどすべての表情が男性側がいい加減にやり過ごすことを許してくれません。理屈抜きで迫ってきます。圧倒されます。
劇中、自然体で話せる、という会話がありましたが、この映画は見るこちらもいつの間にか映画の世界に巻き込まれています。
〝テーマ〟として捉えるのではなく、劇中の登場人物のひとりとして向き合わされます。
正解のない答えを一緒に考えさせられます。
最後まで正解らしきものなんて出せやしないけれど、彼女が幸せになることを心から願っているうちにエンドロールも終わる。
そんなちょっと不思議な映画。
全148件中、121~140件目を表示