川っぺりムコリッタのレビュー・感想・評価
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なぜ高評価…刺さらなかった
うーん😔まったく刺さらない。
満島さんが、旦那の骨を食べて、股下に入れるシーンは猟奇的で、個人的に良かったが、それ以外は…なんだかな。
孤独死は核家族化になり今後はますますグローズアップされると思う。
隣人に風呂を貸してはいけない。
不思議でどこか懐かしい川っぺりの人間模様。狭いコミュニティの中で起こる日々の出来事。ひっそり静かに暮らしたい訳あり男、山田。しかし引っ越し先のご近所さんがやたら図々しくズカズカと日常に入り込んで来る。やがてどこか憎めないその隣人達にも深い苦悩があることを知り自分自身の人生に向き合うことになる。
食卓に並ぶホクホクの白米と手作りのお漬物。お味噌汁に塩辛。こんなんお腹鳴るわ。美味しそう過ぎた。犬の墓石に200万円。宇宙との交信。旦那の骨。元気な死人。川っぺりは賑やかです。
マツケン演じる山田が主役のようで実は島田のエピソードが強い。なによりムロツヨシが強い。誰もが霞んでしまうほどに。
スローライフムービーかと思いきや、、!
ムロさんを推してる先輩と一緒に観に行ってきた。公開して1週間くらいのレイトショーで見てきたけど、10人ちょっとくらいはお客さん入ってて、思ってたより集客できてそうな気配がした。けどそうじゃなかったのかな、1ヶ月待たずに近くの映画館で上映終了してて、ちょっと寂しかった。
予告とかチラシの前情報を軽くしか入れてなかったから、てっきりお金に困った主人公がハイツムコリッタに転がり込んでスローライフを送る中で生きがいを見つけていく、みたいなストーリーを勝手に予想してしまっていた。だから、前科者であることとかお父さんのお骨のこととか、想像以上に深いテーマが盛り込まれていて、ちょっと驚いたし、またいろいろ考えさせられた。
主要キャストは実力派揃いでさすがすぎた。最近大好きな満島ひかりさん、よかったなぁ〜器の大きい大家さん役。素敵だった。あとこの映画のすごいところは、こんなキャストがこんなちょい役で起用されてる!っていう豪華キャストの贅沢使いがたびたび見られるところ。それだけでもほんとに見応えあった。
みんな言う、この映画見たら炊きたての白ご飯食べたくなった、は共感でしかなかった笑。特にすき焼きのシーンが好きだったな、あんな優しくて温かい世界線探しに行きたすぎる‼︎ってなった。鑑賞後感とても良かった。
あと、観に行ってからしばらくはあのエンディングの音楽が頭の中で永遠ループしてたな。なんか聴いたらしばらく頭から離れなくて中毒性あるし、なんか聴くだけであのムコリッタの世界思い出してにやけてしまうのは私だけかな。
食べるとは生きること
日本映画って印象的な食事のシーンが少ない気がする。観終わった後にあれ食べたくなるなってなるやつが。そんな中、本作の食事シーンはいい。炊きあがったばかりの白いご飯をしゃもじでかき混ぜるシーンから魅力的。
豪勢なおかずがあるわけではない。でも、とても美味しそうだったし、力強さを感じた。動物や魚介類、植物にしてもそう、人は生きているものを食す。そうだよな、食べるって生きることなんだよなと改めて実感する。
一方、死んでしまった者たちのエピソードも散りばめられる。島田の子ども、大家の南の夫、そして山田の父親。ついでに言えば同じアパートのおばあちゃんも。亡くなった者たちとの向き合い方も生きるってことにつながるってことだ。
時間の進み方がやたらとゆったりと感じるのもこの映画の魅力。説教臭いところが全然ないのになぜか力をもらえる、そんな不思議な魅力がつまった映画だった。もちろん、塩辛とご飯が食べたくなる!
ムコの鎖骨でナニシテハッタ?
友人の告別式に出た日に何か一日の終わりに心が暖かくなる邦画を求めて見た一本。
まさかでした。
せっかくきれいに残っていたお骨を骨壷に順に入れたのに、入りきらないとふんだヤキ場の職員さんが大きなカラダで上から全体重をかけてボキボキにして詰め込み、そのあと灰を刷毛で必要以上にバカ丁寧に集めては入れるのを見ている間、なんとも空しい気持ちになりました。
そしたら、この内容。
ムコリッタが仏教用語だとも知らず、ムロツヨシと黒田大輔の出演を確認しただけで選んでしまいました。
でも、故人はこの映画を見て、オレを今日の最後まで偲んでくれよと導いてくれたんだなと思いました。
友人は58歳で逝きました。KISSのファンクラブに長年入っていたロックバカでした。もちろん、ジーン・シモンズの斧ベースを筆頭に5本のベースを所有しておりました。
喪主の15年下の彼の嫁さんは式場のBGMでロックンロール・オールナイト、ラヴィン・ユー・ベイビー、ハード・ラック・ウーマン、ブラック・ダイヤモンド、ラブ・ガンをエンドレスで流しました。
それから、遺骨関連の邦画を3連チャン。
そのうち、川っぺリとアイ・アムまきもとに満島ひかりが。
一合だきの小さい炊飯器も共通。
赤い金魚も両方に出てきた。薬師丸ひろ子の命の電話の相談員の話。魂の金魚。
偶然にしては・・・・きっと何かの縁でつながっているのかも。
開放的な長屋暮らしはまるでシェアハウス。
店子のすき焼きに生卵持参で駆けつける大家さん。きついな~
大家さんが旦那の遺骨を少しカリカリしたあと、なんかしてはった。あれは鎖骨。ちょうどいい形とサイズだなぁと思いました。たぶん、荻上直子監督の本には書けない映画だけのサービス場面だったと思う。
帰りにイカの塩辛を買って帰り、何杯も献杯してしまいました。
これは、令和版 「どですかでん」 である。
ゆったりとして不思議な時間の流れがこの作品の魅力だ。
主人公・山田の過去(前科)を含めて、 常識の埒外にあるような登場人物たちの生活すべてが、良い意味で“どうでもいいわ〜”と思えてしまう。
野菜を作りながら図々しく風呂や食事を要求する隣人。
黒いスーツ姿と無感情な笑顔で墓石を売り歩く親子。
死んだ夫の遺骨を齧りながら自慰をしてしまう大家。
死んでいるのに花に水をあげてまだ“そこにいる”女性。
ひたすらイカの塩辛を作る事に疑問を持たない工場長。
みんな愛おしく感じてしまった。
荻上直子監督(&脚本)が、黒澤明の「どですかでん」を意識しているのは間違いないだろうなぁ。
余談だが、この映画の前に「アイアムまきもと」を見たので、やはり「お見送り係」は必要だなぁと思ってしまった(^_^;)
婿養子の話だとおもた。
萩上さんの作品なんで、淡々と、ゆるっと、幸せなやつかな、、、と思って後回しにしてたが見て良かった。
思っていた以上に重く、しかし追い詰めず、いつものつまらないユーモアもあり、、なかなか見終わった後の充実感が良かった。端役にこのレベルの役者を集める事が出来るのが凄いし、皆んな余計な事しない所が凄い。
たぶん今までやってないカメラの動き、主にハンディがエモさの原因じゃないかと思う。
自分もよくやるけど炊飯器の蓋を開けた時の立ち上がる米の香りが好きだ。鈴木清順の昔の映画を思い出しながらいつもやってしまう。
ささやかなシアワセによる新しい繋がり
「かもめ食堂」の荻上直子監督の最新作は、美味しそうな食事と「ささやかなシアワセ」で満たされている。
だからといってノー天気な映画ではなく、「 光あれば影あり」と言われるように、モチーフとなっている「遺骨」が象徴する「死」が、作品に影を投げ掛けている。
北陸の小さな町に訳あって引っ越してきた山田は、職を得たイカの塩辛工場の社長から紹介された川沿いに建つアパート「ハイツムコリッタ」で暮らし始める。
出来るだけ人と関わらずに生きていこうとしている山田だが、隣の部屋に住む島田が毎日のようにやって来て、静かな日々は一転してしまう。
そんな時、子供の頃に自分を捨てた父親の孤独死の知らせが入り、遺骨を引き取ることになる。
このアパートの住人は皆、社会からは少しはみ出した訳あり人たちばかりで、そして貧乏だ。
未亡人の大家の南さんは何かを抱えているようだし、墓石売りの溝口さんは息子を連れて訪問販売しているし、静かにと暮らしたいと思っていた山田だったが、何故か住人たちと関わりを持つようになっている。
友達でも家族でもない関係だが、山田は孤独ではなくなり、新しい「繋がり」を築いていく。
コロナ禍で益々格差が生まれて分断され、無縁社会が広がっていく中、この作品は、そういう風潮に静かに抗うように新しい「繋がり」を我々に提示しているような気がする。
共感するところも多いのだけど
富山ロケだし達者な役者が揃っているので映画館で鑑賞。
大方のロケ地が分かるので、なんで最寄り駅をそこにした?なんてツッコミを入れながら観るのも楽しい(^-^*)
話の方は過去に大きな傷を持った人たちが寄り添いあって生きていく様子を丁寧に描いている。
共感するところも多いのだけど、島田や溝口の過去など明かされないことも多く、想像で補え、と来る。
その割に山田の心情など、セリフでガッツリ説明されてしまう部分もあったりして、そのあたりは若干ちぐはぐな印象は受けてしまう。それをセリフでそこまで言っちゃったら野暮でしょ、って(^-^*)
とはいうものの、見慣れた風景の中を「ほんとにこんな人たちがここで暮らしているのかな」と思ってしまうような丁寧な描写で見せてくれる良い映画だった。
とりあえず。
満島ひかりが大家さんなら俺も入居したいわ(笑)
寂しさと優しさと時の流れ
何年もそこで暮らしている人達の中に、余所の街から訳アリの青年がやって来て、他と関わりたくないと思っているのに、隣人がズカズカと踏み込んでくる。
青年は戸惑うが、実は誰もがみな何かを抱えて生きていることを知り、心を開いていく。
誰もが邪心なしに近づいてくれるならそんな暮らしもいいが、現実は優しくなんかないだろうと内心反発しつつ、川っぺりのシーンで流れる音楽は優しくて心地よく、ちょっとホッコリする映画だった。
非現実的な世界でささやかな幸福を謳った
前作の「彼らが本気で編むときは、」を観ていないので、2012年の「レンタネコ」以来10年ぶりの荻上直子監督作。
これはかなり好きだった。
人から金を騙し取り服役した主人公。刑期を終えた彼を迎えたのは富山の塩辛工場、そして古い安アパートのハイツムコリッタ。
これは荻上監督が創出した理想のコミューン?
リアリズムを排した非現実的な世界だった。
人とふれ合うささやかな幸せを謳った。
幸福論があった。
温かい空気にふれ幸せな気分に浸った。
そう、非現実的な空間で真実を語るのが荻上スタイル。
2007年のマイベストテン第2位とした「めがね」以来15年ぶりのテン入りもあると思う。
「無縁社会」への処方箋
NHKのドキュメンタリーで、官報に載っている「行旅死亡人」を追跡し、遺骨の引き取り手のない人たちの生前を取材した特集番組「無縁社会」がかつてあった 「無縁社会」はNHKが作った言葉ではあるが、家族がいても自分から関係を閉ざして亡くなっていく人がたくさんいて、市役所の福祉事務所には引き取り手のない遺骨が管理されていることも番組で伝えられていた
山田さんは受け取りを拒否することもできたであろうに、役所からの連絡に応じて遺骨を引き取る
出所後誰とも関係を拒絶して生きていくはずだったのに、ムロさん演じる島田さんのしつこい「押し」によって、他人を受け入れる素地が作られていったのかもしれない
「個人の生活」を大事にしたいと多くの人が思っている反面、ああいった人間関係に憧れを感じることもある 子どもやまわりに迷惑をかけたくない、と思いつつも(「PLAN75」の考え方だろうか)「無縁社会」の中で生きていかなくてはならなかったり、山田を刺そうとした蚊がたたき殺されるように「突然の死」を迎えるかもしれない、という恐怖
煩わしい関係を受け入れたくもなる、という思いは年齢のせいかもしれない
(10月2日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)
演出戦略
それぞれに傷付いた登場人物たちが、それぞれの傷を抱えながらひと夏を過ごし、やっと一歩を進めるお話。
正直、寓話的な部分と驚くほどリアルな部分のバランスがこちらの想定と違っていたりしてギョッとするところもあるが、それも含めて人間って…と愛おしくなる。
マツケンの慟哭、ムロツヨシのごめんなさい、満島ひかりの骨噛みエロス…
役者の個性と演技力を活かしながら独自の世界を築く、荻上直子監督のしたたかな演出戦略の勝利だと思う。
食べることは生きること、そして幸せを感じること
ふんわり、ほっこりの荻上直子監督作品と思って観ましたが、本作はいささか雰囲気が違います
主要キャラクターが皆、人の死と向き合って生きていて、作品全体通して"死"というキーフレーズがまとわりついています
そして、その対局にある"生"の象徴として描かれるのが「食べる」こと
死にまとわりつかれた人々が生きるために食べる
松山ケンイチさんとムロツヨシさんが白飯をうまそうにかっ食らい、皆で楽しそうにすき焼きを食べ、満島ひかりさんは○○まで・・・
人はいろいろ苦しいことを背負って生きてるけど、"おいしいもの"を食べた時の様にささやかな幸せを感じる瞬間が一番「生きている」と実感できるし、心が満たされる
そして誰もがそんな幸せを感じる権利を持っている、例えどんな人生を送ってきたとしても、失った幸せを取り戻し、やり直す権利を持っている。。。
とても重厚で見応えがある良作です
そして、豪華キャストをチョイ役で贅沢に使っているのも印象的、全員わかるかな?
私は一人だけわからずエンドクレジットで名前を見て後で調べて納得しました
生と死の間
予告編だけで前知識全くなしで鑑賞したらまさかの仏教用語だった
松山ケンイチ演じる山田は生きる意味が見出せず最低限の活力しかない
ムロツヨシ演じる島田はそんな山田に図々しく生きる生き方、生きる力を教えてくれる
その中でも荻上監督作品と言えば飯島奈美さんの食事シーン
生きる事は食べる事といわんばかりに物語が進むにつれ食卓に色が添えられていく
また死者に対しての関わり方も人それぞれ、葬儀についても人それぞれ
残された人がその後を生きるために死者を弔うんだ
豪華キャストによるほっこりコメディ 宣伝でそんな印象を持ったが、そ...
豪華キャストによるほっこりコメディ
宣伝でそんな印象を持ったが、そんな単純な映画ではなかった。
川っペリは二重のメタファーで、一つは社会のどん詰まりの場所、もう一つはあの世とこの世の境界を指している。登場人物はみな亡くした誰かにとらわれていたり、死に関わる生業を持っていたりする。ムコリタ・・・仏教で昼夜を30分割した時間(すこしの間)そんな名前のアパートは名前は可愛くても腰を落ち着ける場所ではなかろう。そんな川っペリのムコリッタに流れ着いたように住む人々の滋味深いお話。
見終わったあと、メシが食いたくなること間違いなし!
めぞん三分の二刻
好き。安定感抜群の面々が風変わりでどこか哀しげなキャラクター達を生き生きと演じている。中でも満島ひかりさんの途中での出来事にはドギマギした。コミュニティを得意としない人間たちが作り出す最小限のコミュニティの何とも柔らかく微笑ましい感じはいつまででも観ていられたし観ていたかった。
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