いとみち

劇場公開日:

いとみち

解説

青森県・津軽を舞台に、メイドカフェで働く人見知りな津軽弁少女の奮闘と成長を描いた青春ドラマ。「ウルトラミラクルラブストーリー」の横浜聡子監督が越谷オサムの同名小説を実写映画化し、「名前」の駒井蓮が主演を務めた。弘前市の高校に通う16歳の相馬いと。三味線を弾く時に爪にできる溝「糸道(いとみち)」を名前の由来に持つ彼女は、祖母と亡き母から引き継いだ津軽三味線が特技だが、強い津軽弁と人見知りのせいで本当の自分を誰にも見せられずにいた。そんなある日、思い切って津軽メイド珈琲店でアルバイトを始めたことで、彼女の日常は大きく変わり始める。いとを心配しながらも見守る父を豊川悦司、津軽メイド珈琲店の怪しげなオーナーをお笑いタレントの古坂大魔王、シングルマザーの先輩メイドを「二十六夜待ち」の黒川芽以がそれぞれ演じる。

2021年製作/116分/G/日本
配給:アークエンタテインメント
劇場公開日:2021年6月25日

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映画レビュー

4.0日本の青春の映画のクラシックになりそうな逸品。

2021年7月27日
PCから投稿

何者でもない女子高校生の青春を描いた素晴らしい映画。横浜聡子監督というと、もうどんな頭の構造をしているのかと驚くようなぶっ飛んだ表現が強烈だったが、この作品ではそういう側面を前に押し出したりはせず、ひと夏の小さな心の揺れを、丁寧に、丹念に映し出していく。

ポスターを見る限り、ずいぶんとはしゃいだノリの映画だと思われそうだが、いい意味で地味で抑制されていて、正直、ポスターの印象とは全然違う。むしろ文芸作のようなイメージで打ち出した方がよかったと思うのに、映画を観てしまうと、このポスターもまたアリなのではという気がしてくるから困る。

いずれにせよ、一級の青春映画として、後々まで語り継がれるクラシックになるのではないか。いい映画は大概そうだが、出てくる役者が片っ端からみんないい。

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村山章

4.0ヒロインの健気な成長を捉える”まなざし”が素晴らしい

2021年6月30日
PCから投稿

三味線を抱えた女子高生がメイドカフェでバイトする。それはそれで惹きのあるビジュアルであるものの、本作はそれにも増して、内面へ注がれた魅了的なまなざしを持つ。冒頭の教室での一場面から、ユーモアをにじませた温かなタッチが観客を引き寄せ、自分の思いを言葉にすることが苦手なヒロインが学校から自宅へ移動を続ける、たったそれだけの動線の中にも、瑞々しい感性が星屑のごとく散りばめられている。「自分には何も取り柄がない」とはこの年頃なら誰もが持つ悩みだが、そういった思いに固執せず、環境に刺激を受けてヴィヴィッドに変わっていけるのも思春期ならでは。昨日の自分にさよならと手を振るみたいに、日々、一歩一歩、前に進んでいく成長ぶりがなんとも胸を打つ。決して技巧に走らずナチュラルに紡いでいく演出ぶり、さすがにうまい。あと、主人公の純朴な魅力もさることながら、豊川悦司の飄々とした父親っぷりも実に見応えたっぷりである。

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牛津厚信

5.0瑞々しい駒井蓮

2024年1月2日
Androidアプリから投稿

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太陽傅

4.5休眠打破!! 三味線の音色が人生の糸を紡ぎ出す作品

2023年7月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

青森、津軽を舞台にした故郷を愛する気持ちの伝わるストーリーでした。
女子高校生の相馬いとが、メイド喫茶でバイト、働くことをキッカケにして、
今までとは違う自分自身の一面を知ることが出来たと思いました。
祖母、亡くなった母から引き継いだ三味線の
音色は伝統と新しさが溢れていました。
豊川悦司さん演じるお父さんと、行き違う
感情がありながら娘のいとを気にかける絆がありました。女子高生のいとが働くメイド喫茶にお客さんとして訪れたお父さんに
出されたアップル・パイは、甘いほのかな香りに味わい深い思いがありました。
父親と娘が一緒に山を登ったあとに
見えた風景は、澄み渡る空と緑に自然の力を
感じたシーンでした。
2021年、12月ごろ観賞。

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美紅
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