劇場公開日 2020年7月24日

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アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価

全179件中、81~100件目を表示

4.5みんなみんな、青春だ。

2020年8月22日
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鑑賞方法:映画館

正直なことを言うと、DVD出てから見ようと思ってました。
でも。皆様のレビューの高さが後押しになり、映画館で見ようと決めました。

私は、高校時代、野球弱小校でしたが、1年次、2年次と野球応援で楽器を吹いていました。
3年次は楽器を置いて、アルプススタンドで声を出していました。

だから、今回の映画は、より近くに、より生々しく、感じました。
もちろん、普通の方でも楽しめるのでは?と思います。

野球のシーンは1秒もありません。
ずっとアルプススタンドのシーンのみです。
アルプススタンドでの学生たちと熱血先生のやりとりのみでした。

普通の映画にない目線だったから、より楽しめたと思います。

さて、内容ですが。

登場人物の学生は、それぞれに葛藤を抱えていました。
頑張ったのに敵わなかった、
頑張ったのにそれを体現できなかった、
頑張ったのに仲間の足を引っ張ってしまった、
頑張りたいけどどこか自分に負い目を感じている、
苦労してるのに周りから苦労してるように見てもらえない

どれもつらいことだったと思いました。

でも、野球の応援を通して、自分の葛藤を乗り越えていく。
とても素晴らしい映画でした。

33歳が映画館で泣いてました。

ノーマークだったのに、観た後に達成感。
こんな映画にまた出逢いたいものです。

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ぐではる

4.0頑張るとしょうがないの折り合い

2020年8月21日
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鑑賞方法:映画館
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やきすこぶ

3.5桐島で描かれなかった吹部ダークサイド

2020年8月20日
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Peinyo

4.0撮影許可してほしかったなぁ甲子園球場さん!

2020年8月20日
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まず台詞が生きているのは、高校演劇部顧問の先生の戯曲が原作だからだろうなぁ。生徒とまっすぐ向き合ってきた先生だからこそのリアルな高校生の言葉や思考にニンマリ。それは大人から(上から)みた高校生の姿では全くなかった。
そして部員4人の演劇部のために書かれた戯曲らしくアルプススタンドの4人の会話劇でテンポ良く進んでいくのが舞台演出をも想像できてその戯曲のアイデアに脱帽。

舞台の映画化だからと言って急に演出が派手になることもなくグランドが一切映らないのも有名俳優を使っていないのもこの作品にはかえって良かったと思う。変にキラキラさせなかったことによって等身大の高校生が、私が、確実にあそこ(アルプススタンド)にいた!

「しようがない」って言葉で自分を納得させようとしても結局は納得などできない。だったら不器用でもいい、人に笑われてもいい、自分が納得できるまでやってみようよ、と背中を押してもらった気がした。歳とともに分厚くなっていた心の錆が最後には大量の涙となって流されていった。なんとも清々しい映画だ。

ただ、甲子園球場での撮影が許可されなかったのがとても残念。それも含めてドラマになってるけどね。

帰宅部には帰宅部なりの挫折があった元高校生より。

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ごーるどとまと

4.0久々の小野莉奈

2020年8月17日
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萌える

久々に小野莉奈が出演してる作品を観れた。
彼女の演技はナチュラルで引き込まれる魅力がある。
最初は「しょうがない」を連発していたが、だんだんと、「今出来ることを精一杯やっていこう」という感じに変わっていく。
一緒に応援してる友達3人も同様に応援しながら成長しているように感じた。
また、高校野球の試合をしているのに全くグラウンドが写らず応援席だけで作品が作られてるのに驚いた。
高校3年の夏から5年くらい経って、当時下手だけど人一倍練習と努力してた控え選手がプロ野球(だったと思う)選手になってるなど、夢が有って良い。この作品好きです。

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りあの

3.0しょうがない人生はひとつもない

2020年8月17日
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鑑賞方法:映画館

スクールカースト云々というよりは「諦めるな、声を出して行け」というストレートな青春映画でした。キッズリターンを愛する僕なんかからしたら、あまりにも眩しかったです。

「桐島、部活やめるってよ」と比較されてますけど、桐島〜のスクールカーストが暗喩する、人を抑圧する嘘っぱちのシステムがぼろぼろ壊れていくカタルシスと、アルプス〜の「しょうがないなんて人生はひとつもない」ことを積み上げていく、アルプス〜のカタルシスは別物ですよね。

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ピンボール

4.0野球の応援を通して描かれる、高校生たちの人間ドラマです。共感の度合いが徐々に増していくのが分かりました。

2020年8月16日
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もりのいぶき

4.0「しょうがない」をブッ飛ばせ!

2020年8月16日
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泣ける

楽しい

題名通り、物語はアルプススタンド(甲子園ロケ不可につき、本物のアルプスではないが…)の端の方での、4名での会話劇がほとんどです。動きがほぼありません(笑)。
それもそのハズ、部員4名のみの演劇部の為に、顧問が書いた戯曲が原作との事。
その事を頭に入れて見に行くと、チープな作風も(偽物アルプス含めw)むしろ愛おしく、思い入れタップリに映画を堪能できると思います。

誰かを本気で応援できる時って、自分の事にも本気になれたりしません?
強豪校相手の甲子園1回戦。「どうせ負けるわ~」から「かっ飛ばせー!」に至るまでの4名の心象風景の中には、自分の置かれた「しょうがない」状況を「ブッ飛ばす!」までの変化があります。
そう考えると、冒頭~中盤にかけてのユルい流れは、当初のユルい気分を表す為の必然性だったのですね。75分しか尺がナイのに、こんなにユルくて大丈夫?話がちゃんとまとまる?って心配しておりました(汗)。しかし最後はきっちりオチがあり、涙とともに爽やかな気分で映画を見終える事ができます。

きっと、かの「カメ止め」をはるかに下回る(であろう)低予算の本作。感動との費用対効果では、間違いなく世界トップレベルの映画です。

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ポンチョ

4.0やっぱ端っこが落ち着くわ~

2020年8月16日
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に激しく同意。 誰の心にも誰の胸にも引っ掛かる物語。

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更科

4.5「しょうがない」の先にある青春

2020年8月16日
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今年ほど「しょうがない」と言って涙を飲んだ人々が数多くいた夏はないと思う。
兵庫県立東播磨高校演劇部の名作戯曲を映画化した本作は、夏の甲子園の1回戦に出場している母校を応援しているアルプススタンドを舞台に、様々な「しょうがない」を抱えた若者達の群像劇を繰り広げていく。
普通、高校野球を題材にした作品だとプレイする選手達を中心に描いていくが、本作は選手はおろか試合が展開されているフィールドを全く映さず、あくまでアルプススタンドで応援している“部外者達”が中心になっている。
この“部外者達”は様々な「しょうがない」事情で、諦念を抱えてアルプススタンドに仕方なくいる。
映画は登場人物一人一人の「しょうがない」事情を、ストーリーの展開と共に徐々に紐解いていく。
人間どんなに汗水垂らして努力しても、その努力が必ずしも報われるとは限らない。
ましてや今年のような異常事態下にあっては、「どうしようもない」としか言い様がないと思う。
それでも本作は、「どうしようもない」「しょうがない」の先にある“何か”を希望と共に見出だそうとしている。
初めは白けて観戦していた登場人物達が、終盤の或る切っ掛けから変わっていく様は、何度観ても胸が熱くなる。
“後日談”のようなラストの展開にある優しさや温もりが何時までも心に残ります。

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玉川上水の亀

3.0映像的には地方球場一塁側スタンドの端の方

2020年8月16日
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萌える

夏の甲子園1回戦に出場している母校の応援に来た生徒達のお話。

球場フィールド内を映さず、主に一塁側アルプススタンド側のみの限定的な映像設定であるにも関わらず、非常に工夫されたシチュエーション映画であった。

スクリーンからは日差しの強い夏を感じ、周りの草木が揺れ、虫の声が聞こえてくる。
この製作会社作品の割には映像も音響も良く、コロナ禍による今夏の甲子園中止がなければもっと面白く感じただろうなとも思ったし、これが夏以外の季節で且つ映画館以外で鑑賞ならば面白味は半減してたであろう。

この映画の主要メンバーはたった数人ながら、自分達の置かれている状況を踏まえてスクリーン内には出てこない野球部選手を絡めて話が進んでいく様は正に「応援スタンドの端」話であり、野球のルール分からずとも知り合いや恋する選手の為に徐々に応援していく様は胸熱である。

しかし、映像からして甲子園のスタンドには見えず。(アルプススタンドの呼称は甲子園のみ)
また野球に詳しい人ならば「(元野球部の)藤野のフィールド説明が一塁側アルプススタンド側目線では無い様な説明じゃね?」や「代打まで出ない矢野なんてベンチで座っているのだから前半アルプススタンド側から矢野が見える訳が無い。」などツッコミ所が多々。

甲子園と言う舞台設定であるならば本当にお金を掛けてアルプススタンドを使わせて貰う(せめてラストシーンだけでも。)とか、使用許可が降りなければタイトルの事を割り切りし地方大会一回戦として設定を替えるとか、フィールド内選手を映し出さなくても仮でもフィールド選手を使い、映し出す応援団のフィールド目線(追いかけ目線は私的評価75点なので)をより上手くするなど、表現方法にやれるなりの工夫がもっとあれば個人的に評価は高くなっていたかも知れません。

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巫女雷男

4.5「夢の舞台」に隠れる裏とすみっコの物語

2020年8月15日
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自分は普段予告やあらすじは一応チェックして観るか判断するですが、今回は珍しく予告もあらすじも一切チェックしない状態で鑑賞しました。

今年の邦画は自分にとって当たりが少ないのですが、高校野球は大好きなので期待値半々の状態で観たのですが、想像以上に面白かったです!

主な主要人物は4人で、野球に全く興味ない演劇部の女子二人、元野球部の男子、そして成績優秀で人見知りな女の子の4人ですが、もう全員がいとおしいです。
面白いのが、野球の応援側の視点である上に主要人物の4人中3人が野球に全然詳しくない人物ということです。
これによって、普段野球を観てない子達がどういう風に高校野球を見てるのかが描かれるので、こうした視点も凄く良い!

また、唯一の野球経験者の男子も野球部を辞めているので野球の応援にはそんなに積極的ではありません。
だからこそ、アルプススタンドという夢の応援席では端っこの方の存在だから、このタイトルなんだとすぐに解りました。
ラストの台詞や4人の存在は、去年話題になったアニメ映画「すみっコぐらし」を彷彿とさせます。

あと厚木先生という鬱陶しいまでに暑苦しい先生のキャラもメチャクチャ面白いです(笑)
リアルな松岡修造を思わせるような劇中の台詞や応援してる様が本当に面白おかしく、かなり好きな人物でした。

ただ、個人的に吹奏楽部員のキャラクター達の描写が少し微妙に感じました。
調べたところ、この子達は元々演劇に無かったオリジナルキャラらしいのですが、入れるならもう少し細かく描写してほしかったです。
そこがこの映画における数少ない「惜しい」と感じる点でした。

しかし、甲子園に出ている「輝いて見える人達」ではなく「見えない人々」に視点を向ける所が何よりも素晴らしいポイントでした。

なお、この映画は高校野球を題材にした内容でありながら試合の情景は一切登場せず、登場人物達の会話や歓声のみで進んでいきます。
こういった構成は、やはり原作における舞台演劇ならではの手法でとても面白いです。
普段の映画でメインとなる場面をあえて映さず、殆ど会話劇で進行していく映画構成は、タランティーノの「レザボア・ドッグス」を彷彿とさせました。

映画自体も、高校野球のようにどんどん熱くなる展開になっていくのですが、会話劇から出てくるテーマも見事でした。

「努力をする事」と「諦める事」がどちらが大事なのか、というのもなかなか考えさせられる難しいテーマですね。

この話で、ある出来事を思い出しました。
先日プロ野球のロッテ対日本ハムの試合を観ていまして(自分ロッテファンです)、その日は6-8でロッテが勝ったのですが、その試合がなかなかドラマチックでして!
まず、5回表(日ハムが表)時にロッテが1-5で負けてて「今日は負けたな」と諦めてました。しかし、その裏にロッテが3人もホームランを打ち、次で何と追い付いて7回に5-8まで開いたんです!
そのあとに、日ハムは最終回で1点返すのですが、弟が母に「何で3点差なのに諦めないの?」と聞いたら「負けても1点多く取った方が次頑張ろうと思うんだって」と返ってきました。
なるほどなぁと思いました。

映画終盤での出来事がまさしくそれを物語ってるのかなと思います。
最終回の物語で、登場人物の誰もが後々の人生に影響を与えてると思うんです。

野球って本当に何が起こるか解らないですよね。
思うのが、諦めずに努力をすれば勝っても負けても後悔はあまり残らないと思うんです。

そういった事を考えさせてくれる内容であり、野球と映画における会話劇が好きな自分としては大満足な映画でした!

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さうすぽー。

2.0アルプスの少女(たち)

2020年8月15日
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2017年の全国大会で優勝した東播磨高校の舞台は当時TVで見てとても感心した覚えがあり、映画化と知って見てみることに(出演者は知らない人ばかりなので、てっきり高校演劇部だった連中がそのまま出ているのかと思ったら、そうではなかった)。
もともとの演劇は舞台という制約を逆手にとって、アルプススタンドのみを客席側からの視点で見せながら、グラウンドの試合も想像させる点が秀逸なアイデアだったわけだが…。
①舞台だとずっとロングショットなのが、登場人物のクローズアップが入って表情の機微がわかるようになった点は良かった。
②アルプススタンド以外の球場の通路などのシーンも加わったので、コンセプトの視点があいまいになった。
③狂言回しの英語教師はただただうっとうしかった。
④ラストの後日談も蛇足。
⑤安田あすは役の人は上手だと思った。
演劇を映画にする場合、何を足すか、あるいは足さないかの選択が肝になる。この作品に関しては改めて演劇という枠組で構想されたものとして再認識した。世間に広く知らしめたという功績はもちろんあるが。

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梨剥く侍

4.0今この時期だからこそ胸に響く

2020年8月15日
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ブラスバンドや全校応援のない甲子園が開かれている今、体育会系だけでなく演劇をはじめとした文化系の大会も中止されているこの時期に、この映画が公開され、観られたことは奇跡的とも言える。
「しょうがない」と自分で納得しようとしても、納得しきれない屈託や無念さが胸に響く。登場人物それぞれが抱えていた想いが、次第に(画面に一切現れない)野球部員への応援を通じて解放されていく様が清々しい。
ただ、せっかく映画化したのに、どう見ても甲子園には見えないロケーションは、苦しい。地方予選の決勝大会とかに設定を変えても、十分成立したのではないか。
役者陣は全く知らないメンバーばかりだが、先生役も含め、いい味を出していた。エピローグの後日談も、出来すぎ感はあるが、とても良かった。

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山の手ロック

4.5青春の思い出か、ちくしょう、思わず涙ぐむ。

2020年8月15日
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ヒノタマ

2.5何故だか、のれない

2020年8月14日
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絶賛のコメントが多いようですが、この波に乗れません。

「しょうがない」人たちが頑張るようになるのはよいのですが、あの流れでも頑張る気になれない人も多いはず。そんな人に青春はつまらないのでしょうか?結局全員が一生懸命応援するのは、私にはキミが悪いです。

「桐島」の場合は、別に頑張ってるだけじゃ無いし、人に影響された訳じゃなく、自分のペースを守ってるだけです。

映画としては、物語の展開も、映像も、音も、キャストも、甲子園も、ウザ教師も、満足できました。頑張ることに価値を見出せる人には高評価であるのは当然です。

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Lhowon

3.5「しょうがない」って無意識にたくさん言ってたかも。 めんどくさい事...

2020年8月14日
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「しょうがない」って無意識にたくさん言ってたかも。
めんどくさい事になるのが嫌だから自分の中に気持ちを閉じ込めた時とか、弱音を吐くのが恥ずかしかった時とか。

汚くて熱苦しくても一生懸命な人はとってもかっこいい

最初から最後まではしの方だけど、なぜか勇気をもらえたし、エンドロールの曲が本編と同じくらい良かった。

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19さいのちかち

3.0共感度100

2020年8月13日
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私の大好きな劇団ゴジゲンの1人・奥村徹也が脚本を書いた高校生の、新しいタイプの青春映画。去年舞台で上演された作品の映画化。
母校の甲子園一回戦に応援で来た、演劇部員や元野球部、帰宅部など数人の学生がたまたま応援スタンドの端っこに一緒に座り、互いの思いや心境を徐々に吐露しながら野球部の応援もしがら進んでいく会話劇。
私には共感しかなかった。青春といえばスポーツが上位に確実に入る世の中だけど、応援席の更に端にいる生徒にスポットライトがあたり、試合を見つつ自分達の悩みや心のモヤをぽつりぽつりと話してく姿が、共感度100だし、この場面だって、この瞬間だって青春の1コマというか青春そのものなんだよなと。とはいえ野球部の試合を観て色々心動かされたり心境の変化が徐々に現れてく登場人物達の様子もとても◎。
夏や初夏に合う映画でした。

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まつこ

3.5アルプススタンド全体の空気。”映画のはし”にも魅力がある。

2020年8月13日
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一度もマウンドを見せることなく、高校野球の1試合を描くのがスゴい!
スタンド席しか映らないのに物語が成り立つなんて……演劇って面白いなー。

映画的な演出としても、席の位置だったり日の照り方だったり……環境がさりげなく変わっていくなど巧い撮り方がいくつか。ちゃんと映画としての魅力が加わってました。
自然とクライマックスへと向かっていく。自分の気持ちも高校生たちと一緒に盛り上がってる心のザワザワ!

はしに座っている4人が主要キャラではあるのだけれど、のめり込んでる終盤では一切セリフのない高校生たち全員と一緒に盛り上がってる感覚がありました。アルプススタンドの空気が素晴らしい。
4人だけが変わるんじゃなくグループ全体が変わる一体感。
みんなでウワー!って一喜一憂するゾーン。
なんだこのエモさは!

藤野が良い演技と空気。まったく嫌味がない存在感。顔立ちも絶妙だなー。
あすはの雰囲気も素敵。超絶美人ってわけではないけど親しみやすくて魅力的。あー、こういう女子いたなーとか。
この二人のみになるシーンとかすごく好き。

逆にひかるの演技がどうしても好きになれず。セリフが”セリフ”になってて台本あるなぁって感じてしまいました。
明るい子なのに○○でちょっと変になってるって状態だと思うのだけど、ずっと喋り方が違和感あってもともと変な子に見えてしまった。
静かな少女・宮下もキャラ色が強すぎて……うーん。
あすはと藤野の自然なトークが見事だからこそ、この2人に違和感を強く感じてしまった。

物語は”アルプススタンドだけでどうやって展開していくの?”って面白さがある。
それぞれの関係性や状態を丁寧に解きほぐしていく。

そして様々な伏線を終盤に回収していく。
その回収具合に無駄がなさすぎて”え、それまで触れるの?”とトゥーマッチに感じてしまった部分も。そこまで全部をケアしなくても……と。

料理で例えるなら、海老一匹をまるごと無駄なく頭も調理して出されたみたいな。その頭は口に刺さって痛いんですけどー、みたいな。

と気になる部分もいくつかあったんだけど、最後はアルプススタンド全体の空気に胸が高まりまくった!
焦点をあてて描かれた部分だけじゃない。”映画のはし”にも魅力がある。

音楽に鼓舞される気持ちよさ!
エンドクレジットで流れるthe peggiesはクリーンヒット!このバンドにこんなにも青さを感じるとはー。見事なタイミングに見事な選曲が炸裂してました

帰り道、いままでハマりきれてなかった”いい子になったWANIMA”をWALKMANで聴きながら純粋に高まってる自分がいました。良さを感じることができた。そんな映画でした。

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kizkiz

2.0ザ・高校演劇って感じが…

2020年8月12日
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前半は良かった。具体的には、主役4人が心に抱えるもやもやとした気持ちが明らかになり、それが彼ら彼女らの行動に影響を与えるまでは。野球応援に来てはいるが、心そこにあらず思い思いを少しずつ打ち明けるさまはまさに青春といってもいいだろう。
しかし後半はあまり…正直、「あ、こういうシーン、高校演劇で何度も見たな」と思ってしまった。具体的には、面倒な先生の評価を覆すところ、己の心情や試合状況をすべて言葉で説明するところ、思いの高ぶりが叫びとなって発露するところ、斜に構えた子が感極まって泣いてしまうところ…。それ以外にも、演劇に限らないよくある展開の目白押しだった。

高校演劇から引っ張ってきた脚本とはいえ、もっと映画ならではの演出を詰め込むことができたのではないか。特に、わざわざ画面から外した試合の描写をすべて口頭で説明してしまうのはいかがなものか…。
また、登場人物のキャラはベタなものが多く、さらに各々が抱える悩みやその解決法もベタ。よく言えば王道ではあるのだが、ほとんど「アルプススタンドのはし」のみで進めるという映画では挑戦的な試みをしておいて、話の筋やキャラ造形がベタというのは、ちぐはぐな印象を受けた。
たとえば、「告白」や「何者」のような、むしろ演劇を思わせるような濃い口の演出があったら逆に好きになれたと思う。

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サブレ