アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価
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はしっこでも青春真っ只中
高校生時代が懐かしくなるとても良い映画です。
胸にズシーンと来ました。
クラスの端っこで、ガリ勉していた自分がいます。
みんなが憧れた野球部のエースもいます。
エースの陰で野球を諦めた部員もいます。
なりたい者になれない、みんながいます。
本当に等身大の青春が映画でした。
アルプススタンンドで、応援している4人の男女高校生。
演劇部員の安田(小野莉奈)と田宮(西本まりん)、元野球部の藤野(平井亜門)
そして成績優秀で孤独な宮下(中村守里)
(野球オンチの安田と田宮の会話が笑える。)
(球、今落としたよね!えーっ、なんでアウトなの?とか・・・)
「しょうがないよ」が口癖の安田。
実は演劇部の全国大会出場を、主演女優のインフルエンザで、
棒に振ったのだ!!
それ以来「しょうがない」が安田の口癖になっている。
この映画に白球を追うユニフォームの野球部員どころか、グラウンドはまったく映りません。
これだけでも異色な映画です。
でも吹奏楽部員の演奏が山本リンダの「狙い撃ち」なんかを派手に演奏して盛り上がるし、
カーンと白球がバットに当たり、スタンドは歓声に包まれる。
そして終盤。万年補欠の矢野が、遂に打席に立った。
送りバンドのサインだ。
そつなく二塁に進めて、その後犠牲フライで三塁走者が還り待望の一点をもぎ取る。
このあたりから試合は白熱する。
トンチンカンな野球観戦をしてる安田と田宮は、犠牲フライのルールも知らない。
しかし次第に、雰囲気に呑まれて、クールな宮下さんまで大声で応援するのだ。
野球部のスター園田君。
エースで4番の彼も、万年補欠の矢野君も、画面に映る事はない。
(それでも園田も矢野もこの映画に、ちゃあんと存在している)
そして実は、宮下さんが園田に憧れてるのが、分かるのだ。
しかし園田は吹奏楽部の部長・久住さんと交際しているらしい。
ショックを受けて体調を崩す宮下さん。
(ドラマだ!青春だ!)
たった75分間の映画。
4人の会話が殆どです。
試合の結果がどうなったかは、どうかご覧ください。
ラストに、5〜6年後のアルプススタンドで再会する4人の姿があります。
(4人が会う理由も秘密!どうぞご自分で・・・)
逆転ホームランを撃つ青春もアリだし、逆転ホームランを見て、
感動して勇気を貰う人生だってアリです。
しょうがない・・なんて諦めないで!!
頑張れば必ず結果が付いてくる・・・人生の送りバンドが未来につながる!
(全国高校演劇大会で最優秀賞に輝いた戯曲の映画化作品です)
こんな作風があるのかと感心
タイトル絶妙。
高校野球がテーマになると、野球する側や応援する側が中心となるものがほとんどで当たり前。
なぜかこれは、そのどちらでもない人たち、ここでは同校の女子生徒3人とたまたま居合わせたクラブを辞めた男子生徒が応援席の片隅でひたすら話す映画。
しかしこれがおもしろい。
高校野球の地方予選。
なのに終始グランドで野球をしているシーンは一切ない。
ひたすらスタンドしか映らない。
彼らの言葉、表情、リアクションが野球の状況を描写する。
そのキャスト
ぽぽ無名、代表作の出演経験もない、あってもどこの誰役が分かるような役者は一人もいない。
彼らにとっても試される作風だろう。
けれど、これが全てにおいてファインプレーだ。
野球知らない女子高生。
知らない人たちの会話ってこうだろう。
いかにもの熱血先生。
ウザすぎる。嫌悪感がしっかり伝わり、ある意味名演。
会話の全てがアオハルだ。
高校生とは悩んでなんぼ。
悩め悩め!
でも、高校野球野球というものが彼らの悩みを吹き飛ばし、気がつけば一体感を持ってグランドに叫んでいる。
これぞ高校野球の魅力。
そして社会人になったこの四人。
あの頃悩んだのなんだったのかと思うくらい大人の階段を登り始めた姿でジ・エンド。
スタンドの端にいる私の話
完全に私も最初の「しょうがない」側の人間だったので、その冷めた気持ちわかるわかる〜と共感してたのにだんだんみんなが巻き込んで巻き込まれて熱くなっていくから勝手に置いてかれた気持ちになって悲しかったけど、みんなの熱量でいつのまにか私も映画の中に入って「がんばれ!」派の人間になれていた。
すごく気持ちの良い映画。私好きでした。
あすは推し
あすはがかわいいかもってずーっと思いながら高校時代を見てたけど、社会人の姿になって確信しました。タイプです。目線が軽ーく挙動不審な感じで演技力すごいなって思いました。
あとー
特別じゃない人たちの青春みたいに言われがちな本作ですが、真の凡人の当方としては、この4人も充分特別です。
若者特有の白け(ふり含)の展開ドラマ
うまく回収できてて、よかった。
でも誰のせいでもないけど
甲子園でないところでの撮影がこの作品を
ちゃちいものにしている
本当に甲子園で撮影できてたら
もっともっと
音や空間の広さが入ってきて
大きいのものとちっぽけなものの対比が効いたはず
設定を
県大会にして作ったほうがよかったと思いました
しょうがない
高校最後の夏休み。野球応援に駆り出された4人の生徒達。それぞれにわだかまりを抱えた彼らの思いがアルプススタンドのはしの方でじわじわと溢れ出す。
頑張っても報われない。
“しょうがない”では片付けられない色んな気持ち。
悔しい、、、納得できない、、、なんで、、、どうして、、、
どこにもぶつけられない彼らのやるせない思いと野球の熱戦が重なり合う。
“何やってんだ!頑張れ!” グラウンドで闘う園田や矢野に、そして自分自身に活を入れ、突きつけられた現実を受け止め、強くなろうとする彼らが眩しかったです。
世の中“しょうがない”って自分に言い聞かせなければならない事がたくさんありますが、それでも前を向こうとする彼らの叫びには思わず手に力が入り胸が熱くなりました。
厳しい現実を受け止め、やるせない思いを昇華させる彼らを見ていると清々しく元気になれるし、誰に何と言われようと夢を追い続ける矢野の活躍には胸が高鳴りました。
正直遠すぎて自校のベンチなんて見えないけどね
本当の甲子園アルプススタンドならね…。最初地方予選の話かと思ったがロケ地をケチっただけか。というか高校演劇が原作らしいのであえての割り切り「そこ本題じゃないし!」ということなのでしょうね(まあでもあの大甲子園のスタンドで母校の応援したらなかなか冷やかではいられないと思うけど……水島新司先生に合掌)。それはともかく、軽妙なセリフのやり取り、最初はただ白けてた応援が自分の内に秘めた苦しさや情熱とリンクしてエネルギーとなり、最後は一体となって爆発という流れ。そして無接点だった彼らに長く続く友情が。なんだうざかった茶道部の先生正しかったじゃん。いやー青春だ。ぜひライブ演劇で見たいと思った。
「しょうがない」人生の不条理をどう受け入れるか
高校生が人生でさまざまな不条理に遭遇した時、どう対峙するのか。
過去の失敗がトラウマになり、何事にも「しょうがない」と受け入れる、あすは。
過去の「罪」と決別し、損得勘定ではなく、今ここに「意味」を見出そうとする、ひかる。
そしてひかるの思いに突き動かせられていく、あすは、宮下や藤野たち。
心理的安全性としての「しょうがない」の気持ちは時には必要。
ただいつも「しょうがない」で思考停止になることなく、負けてもいいから大声を出して行動することも大事。
人生悪いことばかりじゃない。
夢中になれるっていいな
ほんと、お金なんかかけなくたって素晴らしい作品って出来るんだなって思った。
アルプススタンドのはしの方で話をする高校生たちが、会話だけで各々心情を
描き出すだけでなく、そこに居ない人の思いまででが伝わってくる作品だった。
こういう映画を見ると、人は感情や共感に揺さぶられるのだとつくづく感じる。
派手な映像や過激なシーンをいくら加えたところで人の心はうこかないのだ。
物語の根本ここにあると思った。何億円も使って大作を作る監督は一度この映画を
見て人がどんな物語に心を動かされるのか見るべきだと思う。
正解なんてないのだ。夢中になれるものがあればそれが青春なのだ。
もっとできるやろ
題材、着想が素晴らしいと感じた。が、いまいち入れない。
全体的に演技が演技でしかない。
これなら甲子園球場を借りて作ってもいいやろ。
なんか本筋を補強するためのワキが邪魔に感じた。
これ、小劇場で見たらしっくりくる題材なのかも知れない。
青春の過ごし方
脚本がとにかくいい。
それを映像に落とし込んで、鑑賞の機会を増やしてくれた監督に感謝したい。
まだ何者でもなく、何者にでもなれて、無遠慮に無作為にただただ前だけを向いていた季節。ぶち当たっては跳ね返され、転がりながら叫びながら、どれ程の傷を負ってようが走ってる内に治っていくような。そんな季節のあれやこれやが目一杯詰まってた。
同世代で観ると、毛恥ずかしさも抱くのだろうが、この年になると、その時抱いていた苦悩を掬い上げてもらえたような気にもなる。
トップランナーの目線ではなくて、傍観者の目線。
おそらくならば、大多数の人間が共有する視点でドラマは紡がれる。
脱落したわけじゃない。
負けたわけじゃない。
でも、自分はソコに立ててない。
そんな矛盾を解消する呪文ショウガナイジヤャナイ。
実際、この呪文を自発的に発っした覚えがない。
当時は、クソッタレチクショウガーって呪文を唱えてたように思う。その呪文の代わりに大人から教えてもらった呪文がショウガナイジャナイだったように思う。
勝者でも敗者でもなく、ただただ挑戦者だった季節が眩しくて仕方がない。
その当時、抱いていた葛藤が宝物のように思えてくる。
最後の演出も俺は好き。
追い上げはするものの試合には負ける。
勝者にも敗者にも次の試練は待ってはいるのだけれど、負けた事が結果ではないと思えた。
区切り、だ。
その季節、その時間の区切りがついた。
クソッタレな呪文を莫大に吐き出して、立ち上がるHPを稼げばいい。そして走り出せ。
出来る事って、実はそれしかない。
ラストの打球。
それがファールでもホームランでも、その一打はヤノが出した中間報告なのだろう。
安い言葉だとは思うけど「皆、頑張れ!」そんな言葉でこのレビューを締めたいと思う。
報われる(こともある)
元の演劇は見たことないけど、脚本がすごく優秀だと思う。
映画用にどのくらい改変されてるのか気になった。
不完全燃焼というか、それぞれの鬱屈を抱えた4人の高校生。
説明しにくいんだけど、おっさんである僕にもなんだか共感できる感覚があって
特に「青春ってこんなもんなの?」みたいなセリフにどきっとしたり。
終わり方に賛否両論あるのは理解できるし、
いわゆる多数派に寄っていくことが正義だとは全く思わない。
だけど秀逸なのは終わり方で、あそこで呼ばれる”矢野”っていう破壊力。
いきなり涙腺を直撃されて、レビューを書いてる今もうっすら涙ぐんでしまうほど。
自分の”好き”にまっすぐ、しっかり貫いていけば報われる(こともある)っていうね。
もとは高校生がこれを演じてたっていう事実にも胸アツだし
映画作品として残してくれたことに感謝したい名作。
息子が高校生くらいになったら激推ししたいと思います。
若い頃に見るべき映画か
高校時代や20代の頃に見たらきっと感じる物は違うかったかもしれないがリタイヤー後に見たらからなのか、役者の演技が今ひとつ伝わってこなかった。高校生らしさはあるものの、会話の間とかテンポが共感できず。それぞれの悩みが応援と共に解決していくような展開はすごく良かったが劇で見るともっと良いのかもしれない。関西弁ならさらに良かったかもしれないと思ってしまう。個人的に良かったのはエピローグの場面かな。それはそうと東播高校の皆さんはこの映画を見たのかなあ?
いけー、やの~‼️
最後は一体になって、全力応援。
青春だ。
野球のシーンが1秒たりとも無くても、思わず一緒に応援してる。
歳を重ねるごとに、
傷つきたくないから、しょうがないって初めから諦めちゃってるなって、
いけないなって思わされた。
なんでこんなに感動するんだ
甲子園に出場した野球部の応援に、強制的にやってきた高校生たち。
野球のルールを知らない子、野球部を辞めた子など、出てくる高校生が皆んな生き生きしている。
カメラはスタンドだけで、グラウンドが映ることはないのだが、試合の進行とともにエキサイトしてくるのは不思議。
とても楽しめる映画だ。
置き忘れてきた青春の「何か」
還暦間近の私に、冴えなかった高校生生活があり、燃え上がらなかった青春時代があったという記憶の扉を開かせてくれました。
語れるような「何か」はなかったけれど、それでもいいよ!と45年前の自分に語ってくれているようでした。届きました。
今、冴えないな~と思っている高校生にも届くことを祈っています。
全179件中、21~40件目を表示