罪の声のレビュー・感想・評価
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正義のための犯罪の浅はかさ
「正義のための犯罪」、「誰も傷つかない犯罪」。しばしばドラマや映画で肯定的に扱われるモチーフである。
しかし、嬉々としてその犯罪の素晴らしさを説く犯人の、いかに浅はかなことか。愚かなことか。視野の足りないことか。考えの足りないことか。
それらの犯罪の愚かさをテーマとした『ファーゴ』やら『復讐者に憐れみを』やら『古畑任三郎の江口洋介回』やら、その系譜の中でも特にシリアスな映画である。
実際、元のグリコ森永事件でも、焼身自殺が出ている。
学生運動を嬉々と美談として語る世代に怒りと見下しを隠さない信念ある映画である(『相棒』とは大違い(笑))
面白かったです!
源さんファンなので、レンタルで見ました。
3人の子供がある事件に巻き込まれ、その後それぞれに悲惨な人生を辿った、という物語です。
とても説得力があり、面白く見れました。
が、犯行の実行犯だった、学生運動に関わった二人の動機の説得力が弱く、それまでの物語がよかった分ちょっと残念でした。
学生運動〜世の中への復讐〜犯罪 という流れを背負う人はもっとサイコだと思います。
ちょっとまともすぎるような。
それ以外はとてもよかったので、少し残念でした。
純粋なサスペンス、ミステリーとしては普通
グリコ森永事件を詳しくは知らない世代です。まさに作中で、平成に生まれて事件を忘れ去ろうとしている人々と同じ。
そういった観点で観ると、この作品は社会派として非常に重要な意味を持つのかもしれない。
ただ、我々の世代(と語ってしまうと怒られるかもしれないが)にとっては、どうしても過去の事件。純粋なストーリーを評価してしまう。
その点では、特別優れているところはないと感じてしまった。事件をよく知ってからまた観てもよいかと思う。
悲哀
コチラはね… 凄かったですよ。
見応え十分。
テーマも興味深いし、役者は実力者揃いだし、
2時間半近い作品だけど、食い入る様に観てしまいました。
罪を犯す者の身勝手さ
それに翻弄される近親者たちの悲哀
それらを調べて記事にすることに確たる意義を見出せない記者の苦悩
それぞれがとてもリアルで…
機会があったら観てください。オススメです。
72点
主演・助演共にわかりやすい役柄じゃないからこそ難しい役だったと思う。
2020年の話題作の中でも良い作品の上位にくるがあともう一歩二歩足りなかった印象。
でも充分な名作。w杯で例えたらベスト8くらい(?)
職人のしごと
圧倒的に面白い。ふだんわたしは天才や鬼才などと称されている日本映画・監督をけなしてばっかりだが、祈りの幕が下りる時や本作のような職人の映画を見ると、溜飲がさがる。つくづく日本映画に天才・鬼才は要らない。どこがなぜ面白いかというより映画づくりを知り・解っていて、かつご自身の映画づくりにたいして職人的忠勤よりほかの自負心がない人たちが、賞と賞賛を狙わずに映画をつくっている。アーティストよりも前に技術者=職業監督として映画をつくっている。
ぐいぐい展開する、スコセッシのような余裕の演出力と、めまぐるしく時代と場所を跨ぐ、心地よいスピード感。撮影がきれいで、場面転換の都度、空から全景・絶景がぐわーっとパンする。予算も潤沢で、グリコ森永事件を完全に置き換えた、気の遠くなるような、小道具とエピソードの数々。新旧の俳優たちの競演。フレッシュな躍動と、ノスタルジーを同時に提供する、舌を巻くほど豊かでサスペンスフルな映画だった。
宇野祥平が良かった。ギロッとするときの小栗旬もいい。星野源は悪くないけれど、プロパーで固めてもいい──ような気はした。
役者が泣くシーンばかりが印象に残る
グリコ森永事件をモチーフに、犯人側の人間模様を掘り下げて物語を編み出した原作はたいへん面白いし、立派な仕事をしたと思う。
ただ、映画にするなら、もうちょっとポジティブな要素で見せ場を盛り上げる工夫が欲しかった、
結局のところ、不幸を背負わされた人が、過去を振り返って家族を想ってむせび泣くシーンを映画の見せ場にしてしまっている。そこじゃないでしょう。
リアルタイムであった事が今…。
子どもにも「なんちゅう犯人だ!」と言わしめたグリコ森永事件。
毒物混入を見分ける為に、お菓子に個包装がされたのを思い出す。昔は箱でそのまま売っていて、包装なんかはされて無かったが、事件辺りから一気に変わったように思う。けど最近は表面上箱で中に別途の包装されてるから、どう進化したのか?よく分からない(笑)
毒入り食べたらしぬでとか独特の表現で、あの時代を象徴するような事件だった。
この作品はあの事件に発想を得て、想像で進めてるけど、身代金も取ることが出来なかったこの犯人たちが金融で利ざやを稼ごうとしてたと言う設定はそこそこ納得できる。
そして階級闘争…分からなくもない。
曽根母の警察への怨み、消えるはずもない。
他人への迷惑…そんなん気にするなら、あんな事はしない。
国外逃亡した達雄には腹立たしい。
企業を脅迫し巻き添えを産み出し、結局はカネが目的になってしまった。
ラストの尻すぼみ感は残念。
原作よりも明快
原作よりもわかりやすいストーリーで、片時も目が離せない展開に仕上がっていた。
映画の尺に抑えるとパーフェクトな映画であったと思う。
個人的には社会部の鳥居さんと阿久津さんのやりとりが原作では深く描かれているので、それをもう少しフューチャーしてもらいたかった。
野木マジックの素晴らしい人間ドラマ
ようやく観ることができました。原作のエッセンスを損ねることなく、見事に映画ならではの魅力あふれる作品に昇華されていました。何よりも、個々の人物の葛藤や苦悩が深く描かれ、素晴らしい人間ドラマになっています。モチーフは暗めの作品であるはずなのに、見終わった後には、なぜかじんわりと心の中に温かみがわき起こってきます。野木亜紀子さんの脚本がなせるマジックでしょうか。感服です。
明るい話ではないが面白い
主人公2人の各々の推理が最後合わさり、点と点が結ばれる、そういうストーリー展開。
こういうの好きです。
題材もミステリーものとしては映画作品の中であまりなかったテーマなので少し新鮮味もあり、店舗も良く、面白い作品でした。
惹き込まれた
実際にあった未解決事件というだけで興味を惹かれる。それに巻き込まれていった子供たちの悲惨な人生。心がえぐられた。しかし犯人が過激派の人というのがちょっとがっかり感はあったかな。原作ものだから仕方ないが。役者の鬼気迫る演技は良かったです。小栗旬、これでアカデミー賞最優秀とれるかと思ったのですが‥
とにかく身を乗り出して真剣に魅入ってました。
当時、子供ながら、、
覚えてる事件です。
あまりにも話が良く出来ていて
事件が本当にそうだったのか調べてしまいました。
それくらいリアルに感じたから
凄く良く出来てる映画だと思います。
でもこの映画を観たことで
実際の事件もこんな感じだったんだろうな
と思う自分がいて、
でも、いやいや未解決なんだなって
納得したらダメって思う、、所に
うーん、何かジレンマを感じて、
ちょっと点が低くなりました。
エンタメだからだけど
不幸な人生を歩んだ総一郎や、当時の学生運動の掘り下げ方がなんだか浅い感じがして内容が薄っぺらく感じてしまいました。第二次世界大戦後の世界的な情勢、社会的背景などなど、社会運動に関わる人には多くの葛藤があったはず。エンタメだから仕方ないかな?
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