劇場公開日 2021年2月26日

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「誰も不幸にならない映画は後味が良い。」あのこは貴族 にゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5誰も不幸にならない映画は後味が良い。

2021年3月25日
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予告編を初めて見たときに、とても映像の雰囲気が良くて惹かれた記憶があり評判も上々だったので鑑賞。

やはり映像は良かったし、一人ひとりの登場人物が実在するかのようなリアリティ、というか、わざとらしさが全く無いなという映画だった。

あまり良くない邦画を見ると、演者の演技が暑苦しかったり、演技が良くても音楽が大袈裟だったりと何かと映画を構成するあらゆる要素が上手く噛み合った作品ってなかなか出会えないのだけど、これは何もかも上手い具合に噛み合っているなという印象を受けた。

東京に憧れて背伸びして生きる話はよくあるけど、こういう一人ひとりが自分の生きる場所で懸命に希望を見出だしながら生きている様子は案外珍しいかもしれない。でも、そこがかえって現実味があった。

お嬢様の華子ちゃんと富山の田舎出身の美紀ちゃんがどうやって噛み合うのか、鑑賞前は疑問だったけど終盤の二人でベランダで会話するシーンでとても府に落ちた。

一生田舎で暮らす人も都会の裕福な暮らしをしている人も本質的なものは同じに近いのかな。

にゃん