劇場公開日 2019年11月8日

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「子を思う母、路頭に迷う子供、母子の絆の意味。」ひとよ クララさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0子を思う母、路頭に迷う子供、母子の絆の意味。

2019年12月4日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

タクシー会社を営む稲村家の母こはるが、夫を殺害するシーンから始まる。
最愛の3人の子どもたちの幸せのため、酒癖が悪い家庭内暴力夫から守るための犯行だった。
これで、やっと暴力から解放され自由に暮らせる!幸せになれる!、、、はずもなく、突然の殺人事件でしかも母が容疑者、父が被害者。運命を大きく狂わされた次男・雄二、長男・大樹、長女・園子。残された3人の兄妹は、事件のあったあの晩から、心に抱えた傷を隠しながら人生を歩んでいた。そして15年後、母こはるは、出所して3人の子供たちと再会する。めでたしめでたし、とはいかない。
誹謗中傷、嫌がらせ、残された子供が背負うにはあまりに重い。SNSの拡散もあったかも(それをやっちゃうと2時間では収まらないからそこは無かった)。
母こはる役の田中裕子は、見事に子供思いの肝っ玉ど根性母ちゃんを演じていた。そして、次男雄二役の佐藤健も実力派俳優と言う名が板についたいえる迫力の演技。
幸せそうに見える家族でも、一夜にして、ガラガラと音をたてて崩壊していく絆。
幸せそうに見える家族にも、いろいろな事情がある、それがいつ爆発してもおかしくない。他人事ではない!と感じたのは私だけだろうか?今一度、家族とは?と考えさせられる作品。

クララ