劇場公開日 2019年11月1日

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「今回のノエ作品は踊る!踊る!中毒性の高い悪夢へようこそ。」CLIMAX クライマックス ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今回のノエ作品は踊る!踊る!中毒性の高い悪夢へようこそ。

2019年10月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

鬼才ギャスパー・ノエの映画ほど他人の「面白い」があてにならないものはない。ある者は感動して涙を流し、またある者は嫌悪のあまり嘔吐感すらあらわにする。その千差万別の反応こそノエ作品の醍醐味。もしくは私たちは彼の映画を通じて自分自身を見つめているのかも。

そんな彼の新作は今回もぶっ飛んでいた。冒頭から挑発的で、実験的で、ニヤニヤが止まらなくなる。だがそこを抜けると、雪に閉ざされたホールで夜な夜なダンス・パーティーが始まり、集いし若者たちが超長回しでとにかく素晴らしい身のこなしで延々と舞う。この時点でテンションはMAXなのだが、そこから事態はツイストし、狂喜乱舞し、地獄のような悪夢へ。ワン・アイディアを瞬発的に発展させたような作りでありながら、過去のノエ作品のタブーが散りばめられた集大成のようにも思える。強烈なのに何度も観たくなる、中毒性の高い一作かと。ただしR18+。くれぐれも油断は禁物だ。

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牛津厚信