劇場公開日 2019年10月25日

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「出発地点」夏の夜空と秋の夕日と冬の朝と春の風 Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5出発地点

2019年10月28日
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泣ける

幸せ

萌える

春夏秋冬を題材にした4作のオムニバス。というか、短編4作品。
みりん漬けらしきものが夏と冬に登場したけど、特に4作に共通した話題や繫がりはなく、春以外、特に秋と冬は季節が異なっても関係ない様な…。

ナツヨゾラ
幼馴染みの中学生男女の恋愛話で傍からみるともどかしさを感じる関係が、男の子の引っ越しが決まり変化する話。
恋愛だけの映画はあまりみないけど、初々しさと余計なことをゴチャゴチャ突っ込む余地のないショートストーリーならではの単純明快さが良かった。☆2.5

時々もみじ色
高校卒業を控えた素質のあるアマチュアボクサーと、彼の卒業を機に大学でコーチを務めることになったジムのトレーナーが、一緒に大学でオリンピックを目指そうと推薦入学を考える話。
2年前まで暴れん坊だった主人公とトレーナーが知り合った頃の因縁と将来への展望の物語で、大人と子供、師匠と弟子のプライドと信頼関係が熱かった。☆3.0

冬のふわふわ
東京で革細工の工房を営み始めたものの思ったようにいかず悩む女性が、父親の三回忌に実家を訪れ、叔父や母親と過ごして自分を見つめ直す話。
主人公が物心つく前に父親も革細工の仕事をしていたというところや、母親や叔父とのやり取りから自分に足りないモノに気付かされる成長物語で、家族の優しさが温かかった。☆3.5

桜咲く頃に君と
自宅での緩和ケアを始めた嫁との残り少ない時間を共に過ごす為に休職することにした小学校の先生と生徒達の話。
担任の突然の告知と、それに対する生徒達の対応が温かくて優しくて純粋で、行方不明の件も良いけれど、その前でもう目頭が熱くなったし、締め方も良かった。☆4.0

中学生、高校生、20代、30代とそれぞれの世代にあったエピソードをみせていて、登場人物もそういう対象の1人を除き良い人ばかり。
ショートだから回りくどい展開ではない分先が読めてしまうところはあるけれど、余計なものがないし、各話きっちり結んでくれているし、ストレートに伝わって来てとても面白かった。

Bacchus