劇場公開日 2019年9月13日

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「pillowsに出会ったのは必然だと言ったでしょ?私にとってそれはあなたでした。」王様になれ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5pillowsに出会ったのは必然だと言ったでしょ?私にとってそれはあなたでした。

2019年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画を観るのにお目当てがあるとすれば、この映画を観る動機はpillowsではなく岡山天音だった。
pillows30周年記念と謳ったこの映画は、初めは、岡山演じる祐介のヘタレっぷりが前面に出過ぎで、対称にバンド活動を続けてきたpillowsの面々を成功者のようにもてはやす展開。だから、ああ、これはある種のPVかと眺めていた。だけど、徐々に山中さわおのメッセージがいくつも響いてきた。
29歳のゆかりが言う。「私が生まれたときからやってんだよ。どれだけ乗り越えて来たんだろうね」と。はっとした。続けてこれたのにはそれだけの支持者がいるのだ。成功者として澄ましているように見えるが、その地位を(つまり王様ってポジションを)勝ち取るためにどれだけの努力をしてきたんだろうと。するとゆかりの言葉が、今度は祐介へのエールに聞こえてきた。まだ始まったばかりじゃないかと。ふたりは、そうやってお互いを励まし、刺激し合い、高め合う存在となっていたのだな。

画面の切り方もすごくセンスを感じる。初監督だとか。大将役のキャラからしても案外でしゃばりなのかもしれないけど、その分、作品に対する愛も感じる。だから、岡山天音も山中さわおも後東ようこも岡田義徳も、みな生き生きとしてる。
pillowsの写真を任されたときの会場シーン。駆け抜けている瞬間に突然、ゾーンに入った感覚の時間。ゾクリときた。
最後の二人のシーン。その場の意味するもの、それまでの時間、二人の心の距離。ボロっときた。

栗太郎