劇場公開日 2019年3月1日

「対象を深く知ることで世界が広がる」グリーンブック 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0対象を深く知ることで世界が広がる

2024年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

腕っぷしが強く快活な性格だが無学な白人のトニーと、教養があり名の知れたピアニストだが黒人差別に悩むシャーリー。トニーはシャーリーから文章力や黒人差別の現状を、シャーリーはトニーから差別へ立ち向かう気概や、縁の無かったアメリカの大衆文化を学ぶ。対照的な2人が、交流を深めることで互いの良い部分を学び合い、世界を広げていくのが面白い映画。何事にもチャレンジしていくことが、人を成長させるのだと思える映画。

2人が黒人しかいないジャズレストランに行くシーンがある。ここでシャーリーは、今までに見せたことの無いような楽しそうな表情でピアノを披露する。トニー含めた観客は拍手喝采する。白人のトニー、上流階級にいるシャーリー、そして一般大衆の黒人達とが、人種や階層の垣根を超えて一体となった瞬間であり、観ていて心が温まる。

人や物事に対する偏見は自分もたくさんあるが、多くの場合表面的にしか対象を見ていないから生じる。対象と深く付き合おうとしなければ、本当のことは何も分からない。そういったことを考えさせられる素晴らしい映画だった。

根岸 圭一
Sakiさんのコメント
2024年5月1日

根岸さんこんにちは!
共感いただきありがとうございます!
相手と深く向き合おうとする姿勢がとても大事ですね。
対照的だからこそお互い学べるところが沢山あるのですね。
素晴らしい映画です^_^

Saki
琥珀糖さんのコメント
2024年3月13日

共感ありがとうございます。

差別は自分の中にもやはりあります。
でもおっしゃるように深く知り合って、
身内のような気持ちになれれば仲良くなれますよね。

琥珀糖