劇場公開日 2019年8月30日

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「昔々の1969年8月9日(金曜日)」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0昔々の1969年8月9日(金曜日)

2023年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

シエロ・ドライブ1050番地で痛ましい事件が起こった。
タランティーノとリックとクリフ。
3人のタフガイがシャロン・テートを悲劇のヒロインから、
元気でイケイケの女の子に蘇らせた。
(墓から引き摺り出した)
そんなファンタジー映画。

1969年のアメリカのハリウッドの事なんか
私にはこれっぽっちも分からない。
ハリウッドを彩った様々なお店のネオンサイン。
そんなものだって何も知らない。
でも盛りを過ぎた俳優のリック(レオナルド・ディカプリオ)と
彼の忠実なスタントマンのクリフ(ブラッド・ピット)は
確かに息をして酒を飲んでハリウッドの1969年に生きていた。
そして素敵なお姫さまシャロン・テートを墓から引きずり出して、
その愛らしい。生き生きした姿を私たちに見せてくれた。
彼女はこんなに可愛かったんだよ!!
血塗れの歴史は塗り替えられた。
ヒッピーの2人はクリフが頭が潰れるほど壁に叩きつけた。
もう1人のヒッピーはリックが火炎放射器で真っ黒焦げにしてやった。

50年代60年代に流行っていたテレビドラマは、
「ローハイド」
「拳銃無宿」
「弁護士ペリーメイスン」
「ガンスモーク」
「刑事コロンボ」辺りらしい。
「ローハイド」と「刑事コロンボ」は放送がありましたね。
1960~1970年の映画ランキングをみるとリックの出ていた西部劇。
やはり隆盛なんですね
「アラモ」
「荒野の七人」
「駅馬車」
「シャイアン」
「続・荒野の七人」
抜粋すると結構有って西部劇に人気があったのが分かります。
因みにロマン・ポランスキー監督の「ローズマリーの赤ちゃん」は
1968年公開のヒット作。
この映画の主人公のリック・ダルトンは1950年代に
活躍したテレビスターで、
1969年の2月現在、やや落ち目の悪役で酒浸りで
鬱々とした日々を送っている。
彼がクリフと観る自分のテレビ出演ドラマ。小さな画面のテレビ。
そしてリックが出演する架空の西部劇映画。
「対決ライナー牧場」などの、
そのハリウッドスタジオのセットも凝りに凝っていて素晴らしい。
休憩でリックが言葉を交わす8歳のパーフェクト・プロ女優のトレディに
慰められて涙する小心者のリック。
その後「賞金稼ぎの掟」の大事なシーンを無事に務め上げる。
その凝った映像にもタランティーノ監督の西部劇への愛を感じます。

そしてリックに雇われているスタントマンのクリフ。
運転手からテレビアンテナの修理。
荷物持ちに留守番と何でもこなす付き人兼大事な友人。
リックの精神安定には欠かせない。
2人の主従関係を超えた友情も見どころ。
「シャロン・テート殺害事件」
ヒッピーの悪魔教の教祖チャールズ・マンソン・ファミリーが
引き起こした悲しい事件。
このクエンティン・タランティーノの映画
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」では、
シャロン・テート事件が実際には、こんな結末だったら良かったのに!!
そういうタランティーノ監督の優しさの現れだとしたら、
どうだろう。
シャロン・テートは襲われずに隣のリック・ダルトンと彼の友人で
スタントマンのクリフ・ブース。
この2人のタフマンがヒッピーを完璧に撃破していたら?

昔々、ハリウッドにはロマン・ポランスキーの若妻で
夢のように美しいシャロン・テートが、
いつまでも幸せに暮らしていましたとさ。

琥珀糖
Qooさんのコメント
2024年1月15日

琥珀糖さん こんばんは*⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝*
アメリへのコメントありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
20年も前とは思えないほど綺麗でステキな映画でしたよね。何度でも観たいです(⸝⸝⸝´ꇴ`⸝⸝⸝)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドはレオ様とブラピが共演というだけでもかなりスペシャル感がありました。シャロン・テート事件を初めて知りましたが、その事件がこんな結末だったら!に大いに共感します!

Qoo
Haihaiさんのコメント
2023年10月9日

いつもながらの素晴らしいレビューです。

Haihai
トラ吉さんのコメント
2023年10月2日

確かに!
これはタランティーノのファンタジーですね!!
めっちゃ共感した。

トラ吉