劇場公開日 2019年4月12日

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ビューティフル・ボーイのレビュー・感想・評価

全69件中、1~20件目を表示

4.0作品を彩るあらゆる要素が、光り輝くエモーションを紡ぎ出していく

2019年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

ドラッグ依存に陥った息子を救おうと全力を尽くす親。その立ち位置そのものには目新しさを感じないし、そこから発展する余地があるのか疑問符さえ浮かぶ。だがこの映画はタイトル通りの透明感と飛翔感によって限界の壁を軽やかに突破していくのだ。

現実の一点を見つめるのみならず、そこに過去の記憶を散りばめたり、時系列を少しずらすことでストーリーに緩急をつける。そして柔らかな肌触りを大切にしながら、暗闇の中の輝きを際立たせる。かくも希望や光を失わずに前に進むことこそ、親子の歩むべき道なのだとということを痛いほど突きつけられる。

カレル&シャラメの演技もさることながら、彼らを包み込む風、木々、光、水、音楽、詩といったものこそ、空気感を成す欠かせない要素だ。その中央にeverythingという言葉があり、すべてを受け入れる愛がある。こんな絶妙なニュアンスを表現し得たベルギー生まれの監督にも賞賛を送りたい。

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牛津厚信

4.0親子の“分かり合えなさ”の普遍性

2019年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

薬物依存の問題を真正面から描く、なかなかにヘビーな映画ではある。依存症に苦しんだ若者の手記と、その父親の手記、それぞれの視点を原作から引き継ぎ1本の脚本にに紡ぎ合わせたのも新味と言えるだろう。だがいかんせん、何らかの依存症に深くはまった人かその身内でもない限り、この話をストレートに自らへ引き寄せて共感することは難しい。でも視点を変えて、親の心子知らずと言うように、家族の相互理解の困難さを扱う作品と考えてはどうだろう。こんなに苦しいのに親に分かってもらえない、愛する家族を助けたいのに思いが通じない…そんな普遍的な体験を象徴する話ととらえるなら、共感できるかも。

もともと気が滅入る筋に、不穏なBGMが流れてさらに心が重くなるが、タイトルになったジョン・レノンの「ビューティフル・ボーイ」が対照的に優しく美しい。だがジョンも家ではDV親父だったという逸話を知ると、この曲も一層複雑に響いてくる。

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高森 郁哉

3.5人は個々の空間で生きる孤独な生き物

2019年4月17日
PCから投稿

悲しい

怖い

なぜ、人は覚醒剤にはまるのか?当事者でない限り、否、当事者すら意識していないちょっとした気の緩み、好奇心、自分への甘さから、代償が大きすぎる依存へと堕ちていくプロセスを、ティモシー・シャラメがその筋肉のない、細い身体で演じている。彼の薄い胸と、小さなウエストが主人公の心理と健康状態を如実に表現していて、とても痛々しい。我々の生活の中でも、すぐそこまで迫っている覚醒剤中毒の恐怖が、若手随一の人気俳優の肉体を介して伝わって来る、これは必見の作品だと思う。そして、最愛の息子が別人に変貌していくのを、ただ見守るしかない親の視点で眺めると、何と人は個々の空間で生きる孤独な生き物であるかという厳しい現実が、胸に突き刺さる。名曲の"ビューティフル・ボーイ"がここまで皮肉めいて聞こえるなんて、思ってもみなかった。

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清藤秀人

3.0薬物依存症のリアルが描かれている

2023年10月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

ティモシー見たさに軽い気持ちで観初めてしまったが、テーマは薬物依存症の息子とその家族(主に父との関係)の葛藤の物語。思ったより重かった。
継母が泣きながらニックを車で追いかけるシーンから最後までは涙無くしては見られなかった。
最初はどうしてもデイビット役のスティーブ・カレルが「The Office」のマイケル役のイメージが強すぎて、シリアスな役所に違和感を感じてしまったのだけど、観ているうちにそんな違和感も無くなった。こう言う役もこなすんだね。
一つ引っかかるのが、どうして薬物に手を出してしまったのかと言う動機の部分があまり描かれていなくて、そこが気になってしょうがなかった。あんないい家族に囲まれて育ったはずなのに、何がニックを薬物依存にまで追いやってしまったのか、そこの描写をもっと入れて欲しかったなぁ。

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Ran

3.5思ったよりも断然重い

2023年8月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

家族愛により愛息が薬物中毒をスッキリ克服できた話、というだけでは全然済まされなかった。家族愛っていいよね、と簡単にハッピーエンドでは終わらせてもらえない展開。これが薬物依存症の現実なのだろうか。
とはいえ、本来終始暗い映像の連続になりがちなところを、常にきれいな景色が中和してくれて、最後まで前向きに鑑賞できた。特に窓から見える景色は、日常ながらも強い息吹を感じる。
ラスト父息子が寄り添いながら薄暗い病院の廊下から光差す庭に踏み出すシーンは、彼らの未来が希望の光に包まれたようで、観ていて希望的観測ありきだが結構救われた。

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いけい

3.0薬物の闇

2023年6月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

難しい

自分がその親ならという気分で見てましたが、あそこまでの対応は自分の子とはいえできる自信はないです。
50代以下の死亡要因の一位が、過剰摂取とはしりませんでした。
それほど、薬物の闇は深いと改めて思いました。
薬物には近寄らないと決心させられた作品です。

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たけお

4.0息子を見てるようで胸が痛んだ

2023年2月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい問題だ。父親は虐待でもネグレクトでも、逆に過保護でもない。こういう映画や小説に触れる度、親はどうしたらいいんだろうと悩む。この父親の問題は病気を治療するための最前の方法を探すことに執念を燃やしていて、病気になった原因に目を向けていないことだ。自分に何らかの原因があることをまず認め、だからと言って過去は変えられないけど、一緒に悩んでいくことが必要なのだと思う。それができたとしても治癒への道のりの険しさはそれほど変わらないかもしれないが、息子は少しは救われるのではないだろうか。

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Sheeta

3.0親の育て方がダメ

2022年4月3日
スマートフォンから投稿

悲しい

厳格な親、子供を管理しようとする親、“良い子”でいることを強いる親…
こんなんじゃ子供がダメになるのは当たり前。
いつもニックが謝ってばかりで、親が一度も謝らない。
親が育て方を謝れば少しは子供の固まった心も溶けていくのに。
そして、子供がどんな悪いことをしても、助けを求めてきたら助けてあげなくては。
家が子供の安全基地にならなくては。
施設に頼ってばかりで、親が変わろうとしない。
子育ての反面教師として観ました。

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CM

4.0良かったね。

2021年11月14日
iPhoneアプリから投稿

父親の愛情がひしひしと伝わってくる、ティモシーも見事な演技。

サントラとリンクし、調和は見事。

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ken

3.0ヤク中のクソ息子と翻弄される家族の物語

2021年10月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

結局、クスリに手を出してはいけないという事!
エンドのコメントで「この病は…」と出てだけど…これを普通に『病』分類するのは違和感がありました。

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tuna

3.0ドラッグ地獄

2021年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ドラッグにはまった息子を救おうと、家族は必至に手を差し伸べるが・・・。
ドラッグ中毒者の絶望的な話だが、主演がティモシー・シャラメで見せる。
麻薬中毒やアルコール中毒は心の病なので、医師が必要になるが、本人に治ろうとする意志がないと難しい。

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いやよセブン

4.0父親の葛藤

2020年4月16日
iPhoneアプリから投稿

原作は2冊の本からなって、1つが父親からの目線、もう1つは息子からの目線で書かれてるという。

この映画は息子からの目線があんまり描かれていなく、ドラッグから抜け出せない苦悩が伝わってこなかった。

一方、父親が息子をどうしても救いたいという気持ちはすごく伝わってきた。息子も辞めたいと思ってる、反省している、なんとしてでも助けたい。でも結局は父親がどんなに頑張っても本人の問題になってくる。

頭に残ったのは、「あなたには救えない」と妻に言われた時の反応。これはドラッグ関連だけでなくても、どんなに他人を救いたいって思ったとしても、最終的には本人の問題になる。しかも自分の人生がめちゃくちゃに壊れそうなほど他人を救い出そうとしても意味がない。

もう少し息子側からの目線が欲しかったけれど、スティーブ カレルの演技が素晴らしかった。

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Alexa

3.0ずっと抜け出せない

2020年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

なかなか出口の見えない状況でもがく親子の話。

リアルがどうなのかはわからないけど、出口のわからない中で
どうするのが正解なのかわからない中でもがく姿が心苦しくもある。
あまりハッピーな終わり方とはいえないかもしれないけど、
これがリアルなんだろうなとは思う。

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nana

3.0ドラッグ

2020年4月4日
スマートフォンから投稿

悲しい

ドラッグは満たせれない日常から簡単ににげだすことができる薬である。
なぜ?ドラッグに手をだすのか?
愛情ある両親に育てられたなら手をださないような気がします。
主人公は両親の離婚の時に寂しさと失望と向き合うのがつらくて
ドラッグに逃げたのか?
父親の愛情がストレートだが彼には重荷だったのかもしれない。
薬物中毒者の再生に力をもっと!と考えさせられる映画です。
主演俳優がイケメン過ぎですね(笑)

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チワワ

3.0Everything

2020年3月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

日本とは環境の違うアメリカは、薬物依存に対して寛容だなと、改めて思った。

ごく普通の優等生でも 薬物に依存してしまい、自分では止められなくなるということが改めて知らされたと思う。
それは脳の異常が原因なので、本人の止めたいという意思とは別に、脳が渇望することで突き動かされてしまう。
本当に恐ろしいと思う。
ただ、作品的には ただ起きたことを観させられているだけで、それ程感動とか…涙とか…そういうのは全くない。
敢えてドラマティックに描かなかったのかも知れませんが。

恐らく彼(ニック)は、今はもう薬物には手を出していないと思われるけれど、何気ないことでまたあの頃の記憶が蘇るという可能性と戦わなければならない。勿論家族も。

今、ニックは脚本家として頑張っているようですが、そのドラマ「13の理由」で物議を醸したシーンの是非を巡り、自身の経験を踏まえてシーンのカットは望まなかった様ですが…。
(個人的に 最終シーズンが気になるので、一刻も早く観たいですね(笑)!)

日本は薬物に対して異様な程叩きまくる習性があるけど、そろそろその考え方も改める時が来てるのではないかなと思う。
捕まえて刑罰だけを与えるのではなく、更生するためのプログラムなどを構築していかなくてはいけないのではないかな。
薬物中毒者を閉鎖病棟に隔離して高濃度の精神安定剤を投与したところで、裁判に耐え得るだけの状態を保つだけで根本の解決にはなりませんよ。

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m@yu-chan

3.0観た

2020年3月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

重い。救いもない。
米国では50歳以下の死亡理由の1位は、薬物過剰摂取だとのこと。日本では若い世代で自殺が1位にと聞く。
つまり、自殺してしまう代わりに薬物に走るのが米国ということだろうか。どちらも辛い話だ。

観たが、絶望と恐怖を感じる為にわざわざ来たみたいだ。

若い頃にこれを観たら、薬物に走らなくなるかな。

辛かった。

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CB

4.0どんなにバカ息子でも

2020年1月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

幼く、何事も守ってあげなけゃいけなく、この上なく美しくかわいかった我が子。
どんなにバカ息子でも、見放したくても、その頃に貰ったかけがえのない日々が、彼をその頃に戻してくれる。
親とはそういうものだろう。

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上みちる

4.0こんな映画が観たかった

2019年12月27日
iPhoneアプリから投稿

映像がストーリーを物語っている。
そんな風に感じた。

役者の演技力に頼り切らない、
セリフに頼らない、
それぞれのシーンの、本当の空気を撮った映画。

家族と相容れなくなるあの瞬間の空気、
木々のざわめく音、木漏れ日、
夜の暗くなった部屋。

人間が感じる空気を映像化し、
観る者に、ストーリーを感じとらせる。

演技とは、誇張することで分かりやすくなり
伝わりやすくなると思っていたが、
この映画は、
しゃべりすぎない、展開が激しすぎない。
あまりに自然に、人間の光と闇を描ききっている。

テーマの重さが少し精神的に思いが、
何度も観て、この映画の魅力を分析したい。

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あい

3.5ドラッグの恐怖

2019年12月24日
iPhoneアプリから投稿

ビューティフルボーイはティモシーシャラメ君の事で、主人公ニックはただの親不孝者です。親からすれば、離婚はしたけれども、十分な愛情も教育も生活環境も与えたのに、何でこうなってしまうの?と本当に辛そうで、全く救いようが無く、気の毒でなりませんでした。ニックさんの手掛けた、13の理由やTheKillingは面白いドラマだったので、才能はある方なんですよね。

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サラ

4.0向き合うことの大切さと難しさ

2019年11月27日
iPhoneアプリから投稿

薬物依存の息子をもつ父親と、その家族の物語。

依存とは自分の中の穴を埋めるための作業なのかなと思った。ただその穴を埋めるために別の穴を開け続けなければいけない。そのループが依存症。

そんな息子と向き合い続ける父親の強さと優しさが胸を打った。
息子の気持ちを分かろうとしたのか、自分もドラッグに手を出すシーンが印象的だった。

"救えない"と言ったときの父親はどんな心境だったのだろう。思わず自然と涙が出た。
向き合い続けてきた彼だから、それこそ世界にある言葉では言い尽くせない程の感情だっただろう。

綺麗なモノだけを見たい、触れたい、そんなことは誰もが思う。
でも現実はそんなに綺麗なモノだけで溢れてはいない。
ただ現実の中にも時々素晴らしく綺麗なモノがある。
そんなことを感じた。

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たかし