劇場公開日 2019年4月12日

  • 予告編を見る

「作品を彩るあらゆる要素が、光り輝くエモーションを紡ぎ出していく」ビューティフル・ボーイ ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0作品を彩るあらゆる要素が、光り輝くエモーションを紡ぎ出していく

2019年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

ドラッグ依存に陥った息子を救おうと全力を尽くす親。その立ち位置そのものには目新しさを感じないし、そこから発展する余地があるのか疑問符さえ浮かぶ。だがこの映画はタイトル通りの透明感と飛翔感によって限界の壁を軽やかに突破していくのだ。

現実の一点を見つめるのみならず、そこに過去の記憶を散りばめたり、時系列を少しずらすことでストーリーに緩急をつける。そして柔らかな肌触りを大切にしながら、暗闇の中の輝きを際立たせる。かくも希望や光を失わずに前に進むことこそ、親子の歩むべき道なのだとということを痛いほど突きつけられる。

カレル&シャラメの演技もさることながら、彼らを包み込む風、木々、光、水、音楽、詩といったものこそ、空気感を成す欠かせない要素だ。その中央にeverythingという言葉があり、すべてを受け入れる愛がある。こんな絶妙なニュアンスを表現し得たベルギー生まれの監督にも賞賛を送りたい。

コメントする
牛津厚信