「伝統的な王道ホラー」ヘレディタリー 継承 @Fxxk4everさんの映画レビュー(感想・評価)
伝統的な王道ホラー
子供は男女1人ずつ、主人公はミニチュア製作で生計を立てていて、夫は普通に働いていて、それなりに大きな家に住んでいる。ある日、祖母が謎の儀式にハマっていたことを聞かされる。
そこからストーリーが始まっていくが、一言で表すなら、
祖母の友人が遠くから呪う恐怖。
娘のチャーリーに継承されてしまった魔王の力を、身体が丈夫な息子ピーターに移し替えようと、祖母の友人とその宗教団体が呪うホラー。
低予算、恐怖を安売りしない、恐怖を盛り上げる音楽は要所だけ、ストーリー重視、俳優の演技力がさらに怖さを演出する。
・積み重ねられる些細な不快
・儀式
・超常現象
・残虐シーン
・人が死ぬ
これら王道的な要素もきちんと盛り込まれている。
この監督の特徴は、最初と最後。ほとんどの作品で、最初と最後にトリックを仕込んでいる。
今作では。
①最初のミニチュアに答えが詰まっている
主人公の仕事、ミニチュア作り。
あのミニチュアの、木の上のロッジはいつから様相が変わっていたのか。もしかしてトラウマシーンをミニチュア再現していたのか。すると、あのミニチュアは何をあらわしているのか?その家を外から制御していることを意味している?
②最後は長男だけが生き残り、魔王ペイモンになったからハッピーエンド
結局魔王になったのかすらアヤシイ。長男は、置かれた状況が怖すぎて、魔王になったフリをしているのかも。
クライマックスで、家に潜んでいる宗教団体の裸の人たちが現れて頭を垂れる。「あなたは魔王になったのよ」と良いことのように、祖母の友人に言われる。祖母が女王で息子が魔王。他の人から見たらハッピーエンド展開。ハッピーエンドな音楽が流れる。
それでも確かに、ローズマリーの赤ちゃん、ポルターガイスト、オーメン、エクソシスト、、、往年のホラー映画を継承している。