万引き家族のレビュー・感想・評価
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実際の情景描写は…。
みなさんがご意見されていますように、中々理解に及ばないギャップと言えるものがありました。日本の社会的における層を区分けすることが自分もよくわからないのですが、僕自身もっと低層なので、リリーさんが取り調べ後にフツーにそこそこの家に住んでいる設定を受けて、「どうしたらそこに住めるの?」的な疑問が生じました。共同生活を楽しんでいる血が繋がっていない家族じみた構成は自分もちょっぴり経験がありますが、かなり気を使うのでめっちゃしんどかった。他人同士で住む違和感や押し付け感を超えて家族みたいな助け合いが生じてくるきっかけをほんの少しでも見せて(魅せて)欲しかったなぁー。役者さんのそれぞれは、本当にそこいらに居そうな感じで、お名前を知っていても役者さんのイメージが先行せずに入り込めました。樹木希林さんは凄い。本当にそんなお婆ちゃん居ますから。笑
芸術性なカットとか、それ以上は観客本人で考えろーーーとかの表現方法はある意味凄いんでしょうけど、どんな世代が見ても共感やじんわりくるジブリ的とは言いませんが、わかりやすさがもう少しあってこそお客さんや映画館に足を運んで観てくれる人に伝わりやすいのかなぁーなんて思います。
是枝さんのような映画監督がいてよかった
見る人によって見る観点と深度が大きく変わる映画だと思いました。5歳の子どもと10歳前後の子どもでは、親に対する愛着や視点は大きく違っていて、それがラストに浮き彫りにされていたような気がします。「僕を置いて逃げようとしたの?」「…そうだったな」や、「これからはおじさんと呼んでくれ」「…そうする」といった会話や表情がとても切なかったです。そういう風に生きていくしかできない人や、社会的に上手に生きているように見える人でも何かを省いて平静を保っている人もきっと少なくないのかなと思いました。翔太と治のバスのシーンが忘れられません。翔太はこれからどう治と関わっていくのかな。
安藤サクラ名演
貧困層の生活が現実感を持って映像化されている(狭く乱雑で不潔な部屋で暮らし、カップラーメンを食べる)最初は社会の底辺の生活の苦しい、怠惰で万引きを平気で子どもにさせる、クズだけれども愛情はある一家と思っていたけど、だんだん互いの関係の不自然さがわかってくる。ミスリードが上手い。お婆さんが亡くなるあたりから夫婦の暗い過去が表に出て来る。安藤サクラの演技がリアルで素晴らしい。登場人物が全て幸福ではない。しかし救いがないわけではない。ハッピーエンドではないけれどバッドエンドでもない。
【感想の意見交換させて下さい】
CMでおもしろそうだなと思い、見てみました。
見終わったあとの感想は、あまり伝わるものがなかったな、伝えたいことを自分がキャッチできなかったな、というのが正直な感想でした。要はおもしろくなかった。
ですが、たまにある見終わったあとのどこかもどかしさを感じれる映画だと思いました。そう感じたのは自分だけではないのではないかと思い、レビューを見させてもらってました。
個人的に見て印象に残ったorあまり良くない印象だったをここに綴らせてください。
・シーンのブツ切りが多い
→ストーリーが一回一回途切れるように感じ、あまり物語の時間が流れているようには感じなかった。
・台本、セリフは要所の言葉しか書かれていない、あとはほぼ流れで演技してるのかなと感じました。良くいうと、すごく自然でありのままに感じた。悪くいうと、余計なもの(間延びなど)を感じた部分があった。
・カメラのレンズのぼかし
前半から撤退して、ぼかしを使って観客の視線を特定しようとしていたように感じます。それだからなのか少し窮屈に感じました。ただ全体を見せる場面も数カ所あったので、もしかするとそれを活かすための布石?なのかも。
ここからは逆にレビューを見てわかりました。
さいごのほうのシーンで「祥太」が口パクでなんて言っていたのか。そのシーンの彼のせめぎ合いはすごく印象に残っています。
そのシーンが良かっただけに逆に最後なぜ、りんちゃんのカットで終わらせたのかがすごく興味あります。どなたかこうなのではないか?とご意見下されば幸いです。
あの子で終わらせたということが、監督の一番伝えたかったことなのだと思うのですが、、
良かったです
りんちゃんの表情が次第に明るくなっていくのに、思わず顔が緩み、パチンコ玉を隣から盗んで使う樹木希林さんの笑顔にも思わずクスッとなり、とにかく役者さんたちの演技が自然で素晴らしかったです。
ストーリーの方は、何が善で何が悪とか、そういう明確な決めつけはないんだと。
擬似家族だから家族の絆がより深いとかいうわけでもなく(そもそもこんな疑似家族はさすがに滅多にいないわけで)、最後祥太くんを置いて逃げようとしたのもこの家族だし、このフィクションの家庭をワザと壊して、自分の真っ当な未来に向かって歩き出したのも祥太くんな訳で。
それぞれがエゴや寂しさ、同情心、依存心という泥臭い人間性を抱えている。そしてそれって本当の家族だって同じじゃない?ってことを監督は言いたかったのかなって思いました。
なんでもかんでも一義的に物事は解釈できない。色んなところで可も不可もありながら、バランスとってるのが人間だし、ロクでもなさの中におかしみや人間らしい優しさが垣間見えて、最後にリリーフランキーさんが走ってバスを追いかけるところは、やっぱり泣けました。
※追加です。もう一回くらい観ないと細かなところはわからないですが、この話のターニングポイントは、祥太が自分たちのやってることに嫌気がさしたところ、こんな生活は普通じゃないと思い始めたところですよね。一方で、リリーフランキーさんが演じる治は、捕まったときに「俺には万引きしか教えられなかった」と言っていたように、なんの取り柄も稼ぐ手段も持たないまま歳をとり、日雇いの仕事も続かない一般的にいうダメな人であり、でも実際にそういう人は五万とこの国にもいるわけで。
そういう人が、偽りであったとしてもやっと築いた居場所を、祥太は壊して1人未来に向かって歩き出したんだなと、私は受け止めました。
底辺でしか生きられない優しくて不器用な人々、持たざる人への監督の眼差しを感じる一方で、最後にりんちゃんが外廊下から外の世界を見る目には絶望を感じました。祥太が保護され学校にも行かれるようになった一方で、親元に戻されたりんちゃんには、辛い現実の世界が今後も続いていくわけです。
物語はハッピーエンドで終わるわけではなく、無力で運命に抵抗できない、りんちゃんのような存在が実際にいるわけです。
暗く重い現実から私たちは目を背けることはできない、そう突きつけられてるような気が、私はしました。
松岡茉優可愛かった
2018年映画観賞
80本目‼︎
安藤さくらは
スゴイ‼︎
樹木希林も
やっぱスゴイ‼︎
全体的には微妙
番宣からの予想ほどの
感動や泣き所が無く残念でした。
柄本明の
「妹にはやらせるなよ」って
お菓子を2本渡すシーンは
印象に残りました。
後半にかけて
ふわっとしてて
ラストがアレなら
バスで
しょうたが
お父さんって言う所で
終わっても良かったかも
さみしさ
人と人は血が繋がってない方が、自分で選んだほうが絆が深いって言葉が出てきた。
家族でなければ何で繋がってるのか。
普通はお金。
でもあの家族にはお金は無かった。
じゃあ何。
たぶんみんな寂しくて、だから一緒にいたのかな。
慰謝料もらってるおばあちゃんも、日雇いのお父さんも、クリーニング店で働いてるお母さんも、きっと一人でいた方が良い暮らしができたはず。
でもそうしなかったのは、きっと誰かと一緒にいたかったからなんだ。
おばあちゃんのこと、死体遺棄じゃなくて自分は拾ったんだって。
もっと前に誰かが捨てたって。
魔法がとけたようにみんながバラバラになったとき、それぞれの場所に戻ったのだけど、すごくすごく寂しかった。
あの家族みんながまた一緒にいられる誰かに出会ってほしい。
考えさせられる…
権威ある賞を獲る映画ってこうなんだろうなぁ…
が率直な印象。
エンタメとしてはダメじゃ無いけど…ってとこですかね。。
間違いなく面白いんだけど、考えさせられる面白さって言うんですかね〜。
印象に残るのは『子供産んだら誰でも母親になんの』『産まないとなれませんからね、産めないあなたはなれませんけど』のやり取り。警察官が取り調べでサラッと心を抉る感じがなんとも…。
ショウタが『妹にはさせんなよ』を聞いてからの葛藤も。
前には『関わらせる事で居やすくなるだろ』って言ってたのに…みたいな?
樹木希林おばあちゃんは、ホントにお金だけが目的だったの?使わずに残してたところから、やっぱり愛情的なモノが有ったの?とか。恐らく、長女が樹木希林の処に居ることを見て見ぬ振りしてると思われる(失踪届けも出してないみたいしね)本当の家族との対比とか。
まぁ、結果面白かった。是非見てほしい。
パルムドールを受賞したことはもちろん、 事前にたくさんのレビューと...
パルムドールを受賞したことはもちろん、
事前にたくさんのレビューと情報を知ってから観ました。
あまり映画を見ないお母さんを連れて地元の映画館で鑑賞。
上映直前でトイレに行きたくなってしまったが、結果として最後までスクリーンに釘付けになり、トイレは2時間我慢した(本当に漏らすかと思った)
安藤サクラさんの取り調べのシーン、夏冬それぞれの温度が伝わって来るような音と色、余韻の残るストーリーとセリフ(声に出ないものも含め)。
どれも心にずしっと響くような丁寧な作品だったと思う。
カンヌ映画祭が好きそうな作品だと思った。
人間臭くて、愛おしい人物たち。社会問題を細部まで映し出して問い質しながらも、アート作品としての完成度も高い。
観てよかった!また観たい!
『家族』を考える
そもそもパルムドール受賞作と聞いただけで個人的には興味がなくなるのだが、受賞前に興味を持ったので観賞することに。
貧困、児童虐待、年金不正受給といった社会問題がベースにあるが、そこまで暗いトーンで描かれているわけではない。貧しくても犯罪犯してても楽しそう。
徐々に明らかになる家族の関係性に驚いていくのは好きな流れだった。血がつながってることが家族の条件ってわけじゃないという強い主張を感じる。後半、取り調べで婦警から投げつけられる言葉に涙するシーンで、信代に感情移入。子どもを産んだからって親になる訳じゃない、産んでいなくても親になれる!と彼女を応援していた。
心は動かされたんだけど、ラストには不満。彼らの再編成を匂わす等、もう少しはっきりした最後を求めてしまう。これだからパルムドール受賞作ってやつは!
鑑賞後、語りたくなる映画
細部まで目の行き届いたすばらしい映画です。まずこの家族の住む家の佇まいが秀逸。ものすごくごちゃごちゃしてて、カレーとか、オシッコとか、体臭とか、なんかいろんな匂いが漂ってきそうな、汚い家です。人と人との距離も異様に近くて、プライバシーのかけらもないんだけど、段々とその家が安らぎの場に見えて来るのがいいですね。
役者もみなすばらしい!リリーフランキーの情けないヌードも、安藤サクラのだらしないヌードも、とても良い感じですが、中でも子役の二人がとてもいい顔をしています。将来に幸あれと祈りたいと思います。
二つだけ惜しいと思います。一つはタイトル。万引き家族って、あまりにも明け透けで余韻がなく、これから語り継がれる映画名としてはさびしいです。もう一つは、女の子の最後。あまりに救いがない。凄惨な事件を知っている我々としては、なぜ警察は、あの子を家に帰したんだ!と思います。男の子には将来への希望が見えたのにね。私は映画には、なんらかの救いがほしいので、ラストは残念でした。
『家族』とは?を突き詰めた映画
『家族』とは何かを改めて考えさせてくれる映画でした。
物語の途中まで描かれるのは、何とも家族らしい家族。貧しいけれど、家の中は笑いが耐えず、互いに支え合い暮らしているある種理想の家族です。
でもこの家族はどこか歪なところがあり、その違和感は物語が進むに連れ会話や行動の節々から感じていく事となります。そして家族の一員が欠けた事がきっかけで絆が綻び、結末は何とも胸が締め付けられる様でした。
私はこの映画を見て、『家族』とは『構成各員の欠けた部分を補い合える存在の集合』なのだと感じました。治は息子が欲しかったし、祥太は親父が欲しかった。ゆりは愛を欲していたし、信代は愛を与える存在が欲しかった。そしてそれぞれが生活する上でのお金が欲しかったし、それぞれが生活の為のお金を集めた。血の繋がりも法の下の繋がりもない、それでもお互いがお互いを補い合える『家族』がそこには描かれていました。
そんな家族を『万引き』して得るという手段こそ間違っていましたし、血でも法でも家族たり得ない家族ですが、そこに描かれていたのは紛れもない『家族』の姿でした。
人同士のコミュニケーションが疎となっている現代社会において、改めて家族はどうあるべきものか理解させてくれた非常に素晴らしい映画だったと思います。
突き刺さりました
自分にとって、本当に突き刺さるような映画だった。
人生半分生きてきても、母親との関係にいまだにしこりを抱えているせいか、「家族って、母親って一体?」と、古傷をえぐられるような思いで観ていた。
誘拐の取り調べで池脇千鶴演じる刑事に羨ましかったんでしょう?と、上から目線で言葉をかけられ、泣く安藤。
母だからといって、無条件に子供を愛するわけではない。
彼女自身もりんと同じように虐待された傷を持っている。血のつながった母親だから「母親」であるわけではない。
彼女のあの涙に私も泣いた。
実はほぼ全員他人、血がつながっていない「家族」。こ汚い家で、万引きが前提の生活をおくる疑似父と疑似母は、子供二人が最も必要としていた、安心できる居場所を与え、慈しんだ。
海のシーンは本物の家族以上に家族だったと思う。
あのときの樹木希林の幸せそうで、穏やかな表情といったら。幸福の絶頂。だからこそ、観ていて不安を感じた。そして案じたとおりに、ピークから一気に崩れ始める・・・。
色々感じることが多く、観終わって4時間くらい経つのに、まだうまく言葉がまとまらない。
とにかく素晴らしい出演者と印象的なカメラワーク。セリフに出ない背景も、映像ですとんと伝わり、最後までひたすら没入した。映画館で観て良かったと心から思う。
答えは無い
全員がほぼ他人である大人達と「拾った」子供たちによって嘘と犯罪の上に成り立っている家族のお話。
予想していたより映画の描写は終始淡々としています。ドキュメンタリーに近い。彼らの生活が一見幸せそうに映れば映る程、それが全て嘘の上に成り立っている脆い関係だという事が強調される。
途中で明かされる亜紀とお婆ちゃんの関係性に驚きました。そこに繋がるのかと。
お婆ちゃんにどういう意図があったのかは語られませんが、亜紀とのシーンは好きで印象に残っています。何かが違えば本当のお婆ちゃんと孫だったかもしれなかった二人。
大人達は皆見ないふりをして成り立っている、でもこのおかしさに一番早く気づいてしまうのは祥太なんですよね。
盗んだもので構成された家族は散れ散れになり偽物の母親が全ての裁きを背負う事になる。納得した上で。
取り調べの刑事に対する「捨てた人は他に居るんじゃないですか」はこちらへの問いかけに見えた。
祥太にとっては本来保護されるべき場所に保護され唯一の希望が感じられます。
でも、じゃあ、じゅりとして再び放り出されたりんちゃんは?
なんでりんちゃんをよりによってそこに戻してしまうのと思いましたが、この国の血の繋がりが最優先である部分が描かれていて、祥太と対象的な存在として描かれるりんちゃん、余りにも容赦が無いなと。
時期が重なった事で現実と地続きになる物語としてより生々しく成立してしまった。良くも悪くも。観賞後目茶苦茶引きずる。
追記
松岡茉優演じる亜紀だけは他の家族とはまた事情が違っているんですよね。
他の家族は大人も子供も最初から貧困層の家庭しか知らなかったけど
亜紀だけはあの一見経済的にも普通に恵まれていて一般的なあの家庭を知っている上で元の家族を捨ててあの家族を選んで風俗で働いている。
4番さんとのシーンも含め安田弘之の「ちひろ」を連想させました。
空気感が、いいなあ!
冒頭の万引きからスタートする。
こいつら親子か?
リリーフランキーがいいね。
女の子に「コロッケ食べる?」なんて!
男はな、みんな大きくなるんだよって
松岡茉優も乳がでっかい!
風俗嬢まで演じる、彼女の女優になるでが
感じる!
ほんまに、家族って血の繋がりいるんかな?
愛情でつながる関係はあたたかい。
前に見た「at home」に設定が似ていたので、それと重ね合わせてしまう。だが、窃盗だけで生きているのではなく、いろいろな要素が入っている。
幼児虐待(DV)・窃盗・年金問題・貧困問題・日雇いの労災問題・不当な解雇など今の日本が抱えている問題がサラッと出てくる。
ホントの子どもではない2人と夫婦、年金という名の金をもぎ取る祖母の金をあてにしている、血縁ではなく愛情でつながっている家族。貧困ゆえそれなりに万引きをしないと生活できないゆえ、完全なる万引きの方法を父親から伝授する。
近所の駄菓子屋のオヤジさんのシーンが気になった。
ボーっとしていて絶対気づかないだろうオヤジが、実は万引きしていること、万引きする時のルーティーン、全部知ってて、妹だけには万引きをさせてはいけないささやかな配慮。とても切ない気持ちになった。
妹が虐待するホントの家ではなく、万引き家族に戻りたいというのは居心地の良さ、愛情を心底感じられたから。万引き家族には虐待などは全くなく、相手を思いやる、尊重する「仲間」だった。
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