万引き家族のレビュー・感想・評価
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曲がっていても愛は愛
道徳上、絶対にやってはいけないことばかりやっているのに、何故か愛を感じる。普通に正しく生きている人たちより、底辺で生きている彼等が愛情豊かに見える。ただ結局その愛情表現は曲がりくねってる。
万引き家族
一貫して静かな映画。誰もいきなり叫んだり感情を大きくぶつけたりはしない。だからこそ生まれるリアル感。
日常のワンシーンをずっと見せられているかのよう。
ただし、最後の父親がバスを追いかけるシーン以外。あのシーンがこの映画のクライマックスであり全て。
結局追いかけても届くことはできない。最後は子供から離れていく。そんなことを伝えたかった映画?
世間から見たらあの家族は悪人なんだろうが、彼らに同情できるのは彼らの日常を見てきた私たちだけ。
あのラストシーンを含めて、この映画の主人公はしょうた。タイトルにもなっている万引きの是非に疑問を持ち始めその感情変化がありありと現れていた。そして最後わざと捕まったのは妹を守るためか?
徐々に家族の成り立ちについて分かってくる構成が良い。
最後アキだけ、その後が描かれなかった。
樹木希林さん
はじめに白状しておくと、是枝さんの作品はほとんどみていない。20年以上前「幻の光」をみて、ああ、これは生きる映画の世界がちがうと思って以来、是枝作品は選択肢にあがらなかった。「だれも知らない」もみなかった。例外は「そして父になる」だったけれど、やっぱりなにかがちがう感があって、その後の「海街ダイアリー」も「三度目の殺人」もみていない。
今日みた「万引き家族」に先立って、二日前にVODで「あん」を見た。ちなみに河瀬直美さんの映画も初めてだった。
これでお気づきのように私は樹木希林さんをみたかったのだ。それも近年の。「寺内貫太郎一家」も「ムー一族」もみていなかった私が希林さんを発見したのは「お化けのロック」「林檎殺人事件」だったし、フジカラーのTVCMだった。岸本加世子のセリフはこどもの私に「それなりに」の使い方を教えてくれた。
なぜ内田裕也がロックなのかいまだにわからないけれど、樹木希林さんはロックだなと思う。万引き家族の希林さんもロックだった。
現実を見た気がした
タイトルだけ見るとどうしようもない底辺家族の印象を受けるが、物語を見ているうちに、それぞれの登場人物に感情移入してしまう。
現実と紙一重の、すぐそばにいてもおかしくない人々。
自分が明日なってもおかしくない立場。
「こんなとき、こう言えばいいのに」とか、側から見ると色々思うことがあるが、いざ当事者や近所の人になってみると綺麗事にいかないこともあるだろなぁとか、いろいろ考えさせられた。
それにしても、役者がすばらしい。
顔がズームになったカットで、表情だけで状況がわかり、無駄な会話やナレーションがなくても引き込まれる作品だった。
65
抜け出せない貧困生活の中でも穏やかに暮らしているところや、やはり自分が大事で自分を守ることが一番というどうしようもない本音には共感したが、結局は自業自得で、今の状況を打開しようとする意思や必死さがなかったので応援したい気持ちにはなれなかった。
でもそれがリアルでこの映画の良さか。
社会の底辺に生きる人々に焦点を当て、家族とは何か、人との繋がりかと...
社会の底辺に生きる人々に焦点を当て、家族とは何か、人との繋がりかとは何かを考えさせられた作品。韓国映画のパラサイトにテーマが似ている気がするな。
楽しい映画じゃないよそりゃ
この映画観た後に評価見たら、ここでもアマプラでも、面白いくらい二分してて笑ってしまった。
低評価の人って、単に好みじゃない、ただそれだけですよね。「すごい話題だから見たけどカップルで観るもんじゃない!」とか、そんなもんタイトル見たら雰囲気わかるやろがい〜って感じですね。
私はハリウッドの高画質ハイスペクタクル超大作〜!!(?)みたいなのは好みじゃない。でも好きな人には最高なんだろうな、そう思うだけ。わざわざ「クソだ!」「こんなの映画じゃない!」とも思わないし書かない。もしそう思ったら心に留めとけ。んで自分の好みがわかったのなら、次から違いそうなものを観ないように目を養え。
……失礼。自分のイメージする映画像に当てはまらないと罵倒するなんて悲しいなと思ったのでした。つまらないと思ったら観るのやめたらよろし。
私にはとても、刺さる映画でした。
とにかくすごい演技だったなぁ。
素麺が美味しそう
半裸で食べる素麺のみずみずしいこと。
安藤サクラさんの真正面の演技の凄みと、城桧吏さんの森の哺乳類のような可愛さ。
パワーのあるセリフは池脇千鶴さん位で、あとは役者のパワーに任されているような感覚がありました。
第42回日本アカデミー賞最優秀作品賞
ってなわけで、ようやく観ました。
わざわざ調べなくても、注目を浴び、話題となった本作でしたし、なんせ、同じ年に上映された「孤狼の血」が自分的には最高に面白かったので、そこを押さえての最優秀作品賞!と期待が高まっていました。
で、結果、期待しすぎた、、、と思いました。
孤狼の血とはジャンルも違うし、内容も違うし、好みの問題ではあると思うが、作品として、こっちかー⁈と納得いかず。今更なんか悔しい気持ちすらでてきます。
タイトルの「万引き家族」と、お話の設定は興味深かったです。これが映画だからこれで済んでいますが、実際にもしこれがノンフィクションで実際に起こった事件だったとしたら、そんなお気楽なことは言ってはいられなかっただろうけど。そこは映画なので。
これだけ日本社会の中で格差ができ、貧困層が増えたり、子供の虐待死が増えたりしている現在、切り口としてはとても良かった。でも、実際にこのような環境にいる子供やお年寄りや若者がいると感がるとすごく怖い。日本の未来が暗すぎて。
万引きしなければ生きていけないなんて事があるはずがないと思う人もいるだろうけど、実際にはいてるやろなと思うし、虐待で死んでしまった子供の事件を聞くと、なんで近所の人は気付かないor通報せんねやー!と嘆きたくなる。
万引きも虐待も年金不正受給なんかも、リアルに思えてくるので、観ていて辛かった。
今年の春に、同じように貧困家族を描いた韓国映画のパラサイトを観たが、正直こちらは鑑賞後にもっと明るい気持ちにしてくれた。
それはなぜ?
血のつながりのある家族が描かれていたからというわけではなく、パラサイトの家族はみんな同じ方向を観ているなと感じたからだと思う。
万引き家族の家族は、各々が秘密を持ち、そして方向がバラバラ。だからとても薄っぺらく、危うく見えたのだと思う。
是枝監督がこの作品からなにを伝えたかったのかはわからない。けれど、この作品をみて、日本の現状が浮き彫りになった気がしたことが一番共感できたとこに思う。
リリーさんの危なっかしくて弱いおっさんは、流石でした。最優秀主演女優賞の安藤サクラさんも、ラストの取調室と刑務所のシーンが特によかった。
これがパルム・ドール???
パルム・ドール受賞ということで、大々的に宣伝されていたので見てきました。
そもそもパルム・ドール受賞作品には私的に見てろくな映画がないので、そこまで期待していなかったのですが。
最初に申し上げておくと、私は映画を見る際に重要視してるのは4つぐらいしかないです。
笑えるか。スリルを感じるか。泣けるか。
そして、今迄見たことないような映像体験を味わえるか。
このうち一つを満たせば、わたしは大満足です。
そして、この映画はどれも満たすことがなかったです。
退屈な映画でした。
貧困と家族がテーマなのは分かったんですが、だから?って感じでした。
勘違いのないように言っておくと、低評価の方に多い意見ですが、万引きを肯定しているとか、大人が醜いとか、絵面が汚いとか、そんなつまらないことで、映画を評価しているわけではありません。
もちろん映画の見方は人それぞれなので、それが間違いとは言いませんがね。
ただそういう人は、そもそもなんでこの映画を見に来たんだと思いますが。
タイトルでわかるじゃん。万引き家族って。ポスターみて、予告編観たら、万引きと貧困を描いている暗い映画だってことぐらいわかるじゃん。
まぁどうでもいいや。
私がこの映画を見てつまらなく感じたのは、なんの意外性もないし、感動するようなシーンもなかったからです。特に貧困な人々の様子を見て、胸に迫るような気持ちにもなりませんでした。
なんでこんなに面白くないんだろう?それはこの映画で描かれてる貧困と家族が、ドキュメンタリーで散々描かれてきたものだからだと、私は思います。
残念ですが、現実の貧困の方が、はるかにリアリティがあり、社会的な問題を私達に提示します。
ですから、それを映画、つまりはフィクションとして描いたとしても、現実は超えられないのです。
所詮は焼き直しに過ぎないのではないのでしょうか。
あと、是枝監督の特徴ですが、作品に抑揚のなさを感じます。
近年、評価される映画にはこういう作品が増えてきたように感じます。
なんだか、それがオシャレかのように、何も起きないのが面白い、泣ける、感動するみたいな風潮がありますが、それは個人的に大嫌いな映画です。
疑似家族から愛を受け取ることは現実世界でもあること
本当の家族が愛を与えてくれるとは限らない。疑似家族から愛を受け取る、ってことは現実世界でもあること。犯罪者だってだれかを愛したいし、現実世界では誰から見捨てられた人も誰かから愛されたい。それを表現した映画だと思う。
大人たちがクズすぎて同情できない
犯罪行為を全く悪びれずに行う大人たちに少しも同情できなかった。子供に万引きさせて、学校にも行かせないで父親気取りか。窃盗に殺人、死体遺棄、車上荒らし、年金の不正受給は流石に許されないでしょ。重犯罪です。そんな人たちをあたかも善人のように描いている事に違和感と気持ち悪さを感じた。女刑事の話し方が鼻につく。映画としての演出、シーンの撮り方も洋画やインド、韓国映画と比べると見劣りする。裸のシーンはいらなかった。見苦しいし。映画というよりは長尺のドラマって感じのクオリティー。これが邦画の限界かな。
駄菓子屋の店主
東京の下町で、祖母・父・母・母の妹・息子の5人が暮らしていた。
ある冬の日、父は虐待されている女の子を家に連れて来て、
6人で暮らすようになった。
“万引き家族”というタイトルだが、
万引きしているのは主に父と息子である。
しかし、物語が進むにつれ、
他のメンバーも世間的には良くないことをしていることが
徐々に明らかになっていく。
息子が単独でよく万引きしている駄菓子屋に
息子と女の子で行き、女の子が万引きした時に
息子は「妹にはさせるな」と年配の店主から言われる。
そこから、6人での暮らしは徐々に崩壊に向かい・・・。
描写はないが、
店主が「妹にはさせるな」と言った意味を、
息子は深く考えたと思われる。
自分の万引きは黙って見ていたのか。それはなぜか。
同情か。見捨てられているのか。自分の判断でやめろということか。
以降、息子は父との万引きを渋り始め、
やがて大きな転換点を迎える。
他にも印象に残っているシーンがある。
母の妹が祖母に”童貞殺し”を説明しているシーンである。
ちょっと横乳の見えるニットのワンピースを着て
乳を揺らすと3000円という母の妹の説明に対して、
祖母は「いいねぇ、そんなんでお金もらえて」と応じる。
正しさが過度に強調される現代日本の風潮を
一蹴する強さが、その発言にはある。
貧しさに対して、たくましく、したたかに生きていく
強さを感じた。
自分に対して世間知らずだなと思う一方で、
世間知らずでいられる境遇にあることを改めて感じた。
《問題は「他人事にしている側」にある》
家族=血の繋がりではない。
それぞれが望んだ形ではないが
居心地が良い空間、それが家族と呼べるものだ。
お互いを「拾った」ことで繋がった関係をどう捉えるのか?
取調室の警察官たちに共感しますか?
それとも「家族」の言葉にハッとさせられますか?
柄本明が演じる商店主が見せる
『寛容さ』
それが人にとって最も必要なもの
そして今の日本に欠けているもの。
問題を「他人事」にすることなく
『寛容さ』を持つ生き方をしよう。
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