劇場公開日 2018年4月7日

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「シュレーバーガルテン」ベルリン・シンドローム kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5シュレーバーガルテン

2022年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 中盤までは痛々しいシーン満載。手の甲にノミを・・・そしてドアに手を挟む。何日も監禁され、留守中にはとにかく脱出を試みるクレア。アンディが帰ってくると従順なフリをしながらも、逃げ出すチャンスを待つ監禁生活。

 アンディが普通に高校教師をやっていて、周囲からは不自然さを感じさせないところが凄い。以前にも女性旅行者を監禁するも逃げたらしいことが語られていたが、犯罪者が社会生活の中に溶け込んでいるのが怖いところだ。日本でも『完全なる飼育』シリーズが量産されているけど、実際には痛ましい事件として発見されることが多い。始まりはクレアとアンドレが恋仲になっているという違いはあったけど・・・

 ストックホルム・シンドロームという言葉も連想させるけど、被害者の心理が絶妙に揺れ動く描写によって加害者との関係性が浮かび上がる。まぁ、普通の生活しましょうよ・・・と犯人には言いたくなる。クレアの口ずさむ「恋のダウンタウン」とエンドロール時のBGMが見事に合っていて、外の街並みに憧れる姿も痛々しかった。

kossy