劇場公開日 2019年2月8日

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「怒りに満ちた中に生まれた成功、驚きの映像体験」ファースト・マン たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0怒りに満ちた中に生まれた成功、驚きの映像体験

2022年7月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

フライヤーから選んで自宅鑑賞するパターンで選んだ今作。ポスターやタイトルから連想したイメージと違い、思ったより怒りの映画だった。偉業の裏の苦悩…凄い1歩。

アームストロングが月に降り立ったことで、人類が初めてその一歩を踏んだ。それは習わずとも知っている話。それまでの苦悩や困難を描きつつ、大きな一歩を描いていく。

たぶん、タブレット鑑賞じゃ勿体ないんだろうな…と思うくらい序盤から画質と奥行きが凄く綺麗。意味のある画質の透過をしている。ソ連との宇宙開発競争に焦るアメリカが打ち出した月への到達。それまでの過程は想像に足らない程の困難の連続。単純な犠牲だけでは片付けられない程の想いが重なっていく。

故に怒りが多いと感じたのはそこだ。途中、NASAにお金を使うくせに貧困層は見捨てるのか!みたいなデモも描写で描かれていたり、決して単純な賛美だけで終わらないのがまたリアル。ただ、やはり英雄記としての引き立てに機能したのが少し気になる。没入感が少ない状況下で観たからこそ感じる部分でもあるだろう。

凄く印象的だったのが、やはり家族の描き方。背負っている者としての勇ましさを感じる一方、なんとなく残された側に対しての置き去り感が否めず。ただ、それは今作が凄く広い視点を持った作品だからこそ感じたことではある。

民間人が月に行ける時代。そこまでして月に行く理由は、正直自分には分からない。だが、そこにロマンを感じる人がいるからこそ、多大な犠牲を払ってでも行きたい場所なのだ。家族という犠牲もいとわない、男たちの戦いに少し胸を焦がし、何度も驚きに満ちた映画体験だった。

たいよーさん。