劇場公開日 2019年5月3日

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「成龍は健在なり!」ザ・フォーリナー 復讐者 pipiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0成龍は健在なり!

2021年3月5日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

楽しい

興奮

老いたりと言えども非常にジャッキーらしい映画で、とても嬉しくなった。
先にランボー5を鑑賞し、これまでのシリーズが築き上げてきた価値を水泡に帰すようなコンセプトに落胆していたので、同様に「娘の復讐」を扱った本作はどうか確かめたかったのである。結果は充分満足出来るものであった。

ランボーと違い、シリーズものでは無いのが強みだ。キャラクターの性格付けや作品テーマに何の縛りもないので、観客は純粋に「ジャッキーを楽しむ」事が出来る。
なるほど、「俳優」と「アクションスター」は似て非なる職業かもしれない。「俳優」ならば、ファンはその多彩な「演技力」に感心するのだが、「アクションスター」は演技よりもむしろ「スター自身の持ち味」に期待するようだ。

どんな役を演じても「ジャッキー」は「ジャッキー」であり、「ジャッキー映画」は「ジャッキーらしさ」を求められる。
本作の重く暗い「仇打ち=復讐」は70年代カンフー映画のオーソドックススタイルであり、ジャッキー作品もタイガープロジェクト、秘龍拳、木人拳、成龍拳などすべて定番復讐劇だ。
元々、初期のジャッキー作品にコミカルさは微塵もない。別に歳を取って路線変更したり、他のアクション俳優を真似したりしている訳ではないのだ。
(蛇鶴八拳で見られたコミカルさの片鱗を天中拳、酔拳にてオリジナリティとして確立させた為、以降笑いを含む作品が主流となるだけだ)

戦いに臨む前のトレーニング(かつてはクルミだったが、今は専用器具なところに時代を感じる)。
プロジェクトAの25m落ちやポリス・ストーリーのショッピングモール戦闘を彷彿とさせるシーンあり。
おなじみのカンフーバトルは暗闇の中、シルエットを見るだけでジャッキーだとわかる。往年のキレが望めないのは当然だから構わない。それでもジャッキーの個性的な動きは、どこまでもひたすら「ジャッキー」なのだ。これほどファンを嬉しがらせる要素があるだろうか。

英国とアイルランドの歴史を背負い政府や組織にがんじがらめの副首相と、そんな事情とは100%無縁の移民かつ市井の中華屋という対比も深い。
スタイリッシュな007とどこか泥臭いジャッキーも好対象である。
ピアース・ブロスナンがアイルランド共和国出身である事も作品に深みを与えていると思う。
60代半ばを過ぎて、尚、魅力的なジャッキー・チェンとピアース・ブロスナン。彼らを良き手本として、今から体力作りを怠らぬよう自分を戒めたいものである。

pipi
NOBUさんのコメント
2022年12月4日

今晩は。
 本日、「スラムダンク」を観てきました。pipiさんとは違い、「スラムダンク」は今夏まで未読だったのですが(これ、既に書いていたらスイマセン)今春から社会人になった息子が夏に帰省した際に家人から”彼が貴方と本屋に行きたいと言っている。”とラインが入り、映画鑑賞を一本諦めて連れて行ったら、まさかの”スラムダンク31巻大人買い・・”。
 本屋では、結構買う方ですが、スーパーの買い物かごで本を買ったのは、小学生の図書委員以来・・。
 で、”しょーがねーなー”と私が金を払いましたが、自動レジで次々に購入した時には”俺は今、本屋に居るんだよな・・”と軽ーく錯覚しましたよ。息子、社会人になって、学んだなとも思いました。
 で、読んだらこれが又面白くって・・。
 今作品は、個人的な意見ですが傑作だと思いましたね。原作者が監督と脚本を兼ねるケースってほぼないと思いますが、井上氏は稀代のストーリーテラーだという事を再認識しましたし、ドリブル音やバッシュの”キュッ”と言う音も良かったですね。
 久方ぶりにコーフンと感動と涙した映画でした。因みに私が好きなのは、ミニバスケをやっていた頃と同じポジションの三井ですね。オイラは良い子だったので、ぐれてはいませんが、市大会では常に金メダルでした。(おじさんのプチ自慢・・。)
 でね、アニー・エルノー原作の『あのこと』も、とても面白かったのですね。とても痛そうでしたが・・。
 御身体の状態にもよりますが、個人的には両作のレビューとは言いませんが、女性から観た『あのこと』のレビューを拝読したいです・・。
 長くなりました。では。

NOBU
NOBUさんのコメント
2022年12月3日

今晩は。
 余り、驚かさないで下さいな。
 少しお元気そうで何よりです。
 私は、本日勇気を出して(と言う位、人混みが嫌いです。)伏見ミリオン座という愛知県を代表する名古屋のミニシアターに行って来ました。
 理由は、ベネディクト・カンバーバッチ主演の映画と、アニー・エルノーの自伝映画を観るためです。
 結論:面白かったですねえ・・。多分、シネコンで掛けたらお客さんは入らないと思いますが(自分で書いてて、嫌らしいですが・・。)僕には、面白かったです。
 映画って、娯楽でもありますが、ミニシアター系になると頭フル回転で観るので疲れますが、それもまた良しですね。
 明日は、息子に教えて貰った(というか、彼も読んだことが無くって,今夏帰省した際に、大人買いしました・・。彼の戦略に嵌りました・・。)「スラムダンク」をノンビリと見てくる予定です。
 pipiさんの切れ味が凄すぎるレビューを又読みたいです。
 あ、返信不要ですよ。では、又。

NOBU
NOBUさんのコメント
2022年12月2日

今晩は。
 ”60代半ばを過ぎて、尚、魅力的なジャッキー・チェンとピアース・ブロスナン。彼らを良き手本として、今から体力作りを怠らぬよう自分を戒めたいものである。”
 意味深過ぎます・・。本日、ピアース・ブロスナン出演の映画を観たばかりなので‥。返信は不要ですよ・・。

NOBU