劇場公開日 2017年11月11日

  • 予告編を見る

「侵略者は別の場所でも散歩していた…」予兆 散歩する侵略者 劇場版 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5侵略者は別の場所でも散歩していた…

2019年1月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

寝られる

身近な人が突然、おかしな言動の別人のように。
人の“概念”を奪って侵略する侵略者と、それに対峙する人々。
黒沢清監督の異色侵略SF『散歩する侵略者』の、アナザー・ストーリー。
元はWOWOWドラマ。
再編集され、劇場公開された。

いきなりズバリだが、本編の方が面白かった。
2組の侵略者とガイドのドラマを平行させ、不穏でミステリアスで、何処かヘンでシュールで可笑しく、クライマックスはSFパニックやスペクタクル的要素、そして主役夫婦の愛のドラマも。
難解ではあったが、話にも面白味あった。

こちらもある夫婦。侵略者のガイドになった夫と、そんな夫に違和感を感じる妻。
そこに、医師の身体を乗っ取った侵略者が絡む。
あちらは異色の作風だったのに対し、こちらはよりサスペンス色が濃い。
これはこれで一種の侵略SFスリラーだが、残念な事に一向に話の面白味が見えてこない。
もし、世界の終わりが来るとすれば…?
人の概念とは…?
一応扱ってる題材は同じなのに、こちらは話的に今一つ不発。
監督は同じ黒沢清だが、脚本家の違いか。脚本は『リング』の高橋洋。
終盤、鉄板の下敷きになりながらも迫り来る侵略者など、サイコ・スリラーかホラーのよう。
それが本作の魅力である異色SFの作風を打ち消してしまっている。

本編と全くと言っていいくらい繋がりやリンクが無いのも残念。
“『散歩する侵略者』スピンオフ・プロジェクト”と銘打ってるが、スピンオフと言うより、アナザー・ストーリー。
あちらはあちら、こちらはこちらのもう一つの『散歩する侵略者』。

夏帆、染谷将太、東出昌大ら本編にも劣らない実力派キャスト。
特に、本編にも別役で出演している東出が印象に残った。
普通に演技すりゃ棒演技だが、本作のような何処かピントの外れた役をやれば、これがなかなか悪くない。
行く行くは、個性派・東出誕生…の予兆。

それにしても、染谷と東出の共演、染谷は右手に違和感を…あの映画を思い浮かべてしまったのは自分だけじゃない筈。

近大