劇場公開日 2018年2月3日

「みごとな不貞腐れ顔がすべてを物語っている。」巫女っちゃけん。 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0みごとな不貞腐れ顔がすべてを物語っている。

2020年9月19日
PCから投稿

全編にわたって巫女の衣装のままでスクリーンを縦横に動き回る広瀬アリスは実にのびのびと演技していて素敵だった。個性を見抜く方法は制服を着せるに限る。礼儀礼節に含まれている意味も、そんなところにあると思わせる・・・・この監督は中々ものだと感じ入ってしまった。根拠のない自信や正義感はこの年頃にはよく見かける。がしかし、世間とのギャップの存在を知るには多少なりとも時間がかかる。言い知れない深い溝を埋めるためには苦痛が伴う。その痛みを体感するかしないかによって、そこからの生き方に差異が生まれたりする。言葉にできぬ矛盾に対して行動したものだけが得る豊かさは傷を負ったものしか手にできないからだ。
半端な理解力で急場を凌ぎ、周囲に目を配りながら歩調を合わせてばかりいては何も得るものはない。
「しわす」が最も嫌っているバイト仲間を救出に行くシーンが全てを物語っていた。

監督、グ・スーヨン。ただものではないな。

はる