劇場公開日 2018年4月27日

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ママレード・ボーイ : インタビュー

2018年4月26日更新
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桜井日奈子×吉沢亮、本当に恋する感覚に陥った「ママレード・ボーイ」

吉住渉氏による大ヒット少女コミックを映画化した「ママレード・ボーイ」が、4月27日から公開される。互いの両親がそろって離婚、しかもパートナーを交換し再婚したことを機に、共同生活を送るようになった2人の高校生を描く青春恋愛映画だ。ダブル主演を務めた桜井日奈子吉沢亮は、「キュンキュンときめいて、本当に、1人の男の子に恋する感覚に陥りました」「やっぱり、かわいいな。そう思って、キュンキュンしていました」と、胸の高鳴りを大切に生きた“初共演”を振り返る。(取材・文/編集部、写真/江藤海彦)

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吉沢も出演した映画「オオカミ少女と黒王子」などで知られる、廣木隆一監督のメガホンで実写化。高校生・小石川光希(桜井)はある日突然、両親から「離婚する。旅先で出会った松浦夫妻と互いのパートナーを交換して再婚する。松浦夫妻の1人息子・遊(吉沢)も含め一緒に暮らそう」と告げられる。2組の家族による常識外れな生活が始まり、反発していた光希は次第に、クールだが優しい遊に惹かれていく。

キュートなルックスから“岡山の奇跡”と注目を浴びた桜井にとって、今回が映画出演2本目で初主演。等身大のヒロイン・光希を演じるにあたり、廣木監督からは「ナチュラルに」とだけ指示されていたそうで、撮影風景を「監督は、あまりたくさん説明されない方なんです。『前のシーンがこうで、ここにいるから。はい、ナチュラルに演じて』と。なので、自分で考える時間がたくさんある撮影でした」と懐かしそうに語る。

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そして2017年は「銀魂」など5本の映画に出演し、18年公開作では7本に参加している吉沢。スターへの道を猛烈な勢いで駆け抜けるなか、恋愛映画の主演は初となった。遊の役づくりでは「監督の演出もありつつ、現場で自分が何を感じ、何を考えているかも重要視していました」と真っ直ぐな眼差しを投げかけ、「クランクイン前に用意していたプランが、現場で感じたことによって変わることがたくさんありました」と充実の様子で明かす。

さらに、その美しい顔面を「使い倒しました」と笑う吉沢。「でも『かっこよく見せよう!』という意識はなかったです。遊は身なりはきちんとしていますが、女子からモテようとする男ではないからです。モテ意識がにじみ出ると気持ち悪く見えてしまうので、気にせず演じていました」と説明すると、ヒロインとして恋に落ちた桜井は「吉沢さんの“あざとくないイケメンぶり”は、すごく感じていました。テニスのシーンでは空振りしてもかっこよかったですし、エキストラの男の子が吉沢さんを見て『かっこいい…』とつぶやくくらい。あふれるキラキラがうらやましかったです」と目を輝かせた。約2カ月間の撮影で、一緒に全国各地を飛び回った2人。一生懸命で素直な光希とクールでミステリアスな遊を体現するため、現場で感じることを愛し、“素の自分”を発揮し続けた。

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また、光希と遊がテーブルを挟んでシチューを食べ、「遊ってさ、ママレードみたいだよね。本当はすごく苦いところがあるのに、みんな、うわべの甘さに騙されて気づいてないの。ママレード・ボーイだよ」「じゃあ光希はマスタード・ガールだな」と心を通わせる場面は、台本通りの芝居が終わっても「全然カットがかからなかった」そうだ。吉沢が「セリフが終わった後が長かったんです。2人でまごまごして、アドリブで会話するのを3分くらいずっと撮られていて。でも、面白かった。監督に『距離感が良い』と仰っていただきました。良いシーンだよね」と目を細めれば、桜井も「私も、あのシーンが一番好き」と表情をほころばせた。

原作ファンにとって“宝物”とも言えるキスシーンに関しては、「保健室のシーンが印象的」と声をそろえる。保健室のベッドで横たわる光希を見舞いに、遊がやってくる。「光希は眠っている」と思った遊は、そっと唇を重ねるが、実は光希は起きていた……というひと幕だ。

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吉沢は「やばかったです。今まで何回かキスシーンを経験してきましたが、あんなに緊張したのは初めてです」と苦笑いを浮かべ、「少女漫画におけるキスって、超重要事項じゃないですか。そこが美しいかどうかで、作品の質が変わるくらい。保健室では、とにかく美しく見せることだけを考えました。スピード、角度、目をつぶるタイミング。芝居とは違う部分を意識しながら、ドッキドキしまくっていました」と熱っぽく明かす。桜井も「保健室では、私は目をつぶっていたから、いつキスが来るんだろうとドキドキでした。私自身、初のキスシーンでもあったので、撮る前からだいぶソワソワしていました(笑)」と大照れで、「吉沢さんが悩んでいたなんて、全然そんなことを感じさせなかったです。サラッと。慣れてらっしゃるんだな、流石だなと思いました」とジョーク交じりに、笑顔を向き合わせた。

劇中で涙を流すシーンも多く、確認できただけでも桜井には9回、吉沢には4回あった。回数を伝えると、桜井は「9回! そんなに!?」と立ち上がって驚き、吉沢は「僕も4回も泣いてるんだ……」と声を失っていた。

吉沢「今回、泣くシーンがすごく大変でした……。『泣かなきゃ!』ってなるんです。終盤の、光希と遊が京都の駅で電車を待つところは、運行する電車の間隔の都合で、10分に1度しか撮れなかったんです。4回くらい撮り直したんですが、『僕のせいですごく待たせている!』と思うと、あせって、どんどん泣けなくなって」

桜井「意外と、段取り(リハーサル前に行われる動きの確認)では自然と涙が出たりするんですよね。私は中盤の去ろうとする遊にすがりつくシーンが大変でした。外がすごく寒くて、何回かやっていくうちにどんどん寒さに負けて、涙が乾いていっちゃったんです(笑)。監督は涙が垂れるのを期待していたみたいで、粘ってもらいましたが、結局終わった後に『最初が一番良かった』。すごくショックで、そんなことを2度と言われない人になろう、と決めました」

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主演として立った、初めて尽くしの撮影現場。味わった喜びや苦しみは、次なる飛躍へのエネルギーになっている。「この作品が、桜井日奈子の“スタート”です」(桜井)、「光希と遊の成長物語でもあり、感動できるポイントがたくさんあります。今作を、僕の代表作にしたいです」(吉沢)。2人のまばゆい笑顔が弾けた。

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