劇場公開日 2017年8月5日

  • 予告編を見る

「アメリカ映画における映画音楽の歴史」すばらしき映画音楽たち 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アメリカ映画における映画音楽の歴史

2020年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画の名シーン、あるいは映画全体を音楽で記憶している人というのは相当に多いんじゃないかと思う。映画音楽は、映画そのもののイメージを決定づける大きな存在だ。このドキュメンタリー映画は、そんな映画音楽の歴史に迫る作品だ。アメリカで作られた作品だから、スポットが当たるのはアメリカ映画だけなので、ゴジラなど日本の作品などは紹介されないという点は留意してほしい。各国で同じコンセプトのドキュメンタリーを作ったら、それぞれの国の映画音楽の特色などが比較できて楽しいのではないかと思う。
映画はサイレントの時代から、劇場内で生演奏つきで上映されていたので音楽との付き合いは台詞よりも古いと言える。そんな映画音楽がどうやって発展してきたのかをわかりやすく見せてくれる。ジョン・ウィリアムズやハンス・ジマー、ダニー・エルフマン、トレンド・れずなーや、バーナード・ハーマンやマックス・スタイナー、エンリオ・モリコーネなど、歴史的に重要な作家はだいたい網羅されている。こうして網羅的に見せてくれると映画音楽にも時代ごとにトレンドがあり、先代のものにどう影響を受け、また乗り越えようとしてきたのかがよくわかる。

杉本穂高