劇場公開日 2018年9月28日

「スジがへんてこ。」散り椿 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5スジがへんてこ。

2018年10月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

美しい時代劇、を標榜して作られた本作。確かに美しかったかもしれない。
木村大作は美しさにかまけて映画のスジをおろそかにしたのではあるまいか。
思えば「劔岳 点の記」にも「春を背負って」にもスジは二の次みたいなところはあった。圧倒的な自然の前では、人間が思いつくスジなどたかが知れている、そんな映画だったのでまだよかった。
時代劇はスジがないと成り立たない。

上役の不正を訴えでて、その結果親友を死なせ、藩を出ていった新兵衛(岡田准一)。どこかで見たような話である。藤沢周平がずっと頭にちらついていたが、本作の原作は葉室麟である。

妻の死に際の言葉により、新兵衛は藩に戻ってくる。時折刺客に襲われたりするがおかまいなし。このあたりからスジに疑問。

城代家老が不正を行なっていたのはほぼ明白。江戸にいる若い殿に密使でもつかわせばすむ話、ではないのか。

新兵衛の妻 篠(麻生久美子)の想いも曖昧で、それゆえ新兵衛は采女(西島秀俊)に刃を向けたりするが、それはまったく無駄なシークエンス。

岡田准一と西島秀俊の立会いの殺陣は素晴らしかったが、スジに生かされていない。非常にもったいない。
また新兵衛も采女も凄く強い。
こういう物語の常として、敵方に、主人公に匹敵する剣士を配するのが普通だと思うが、それもない。
殺陣が見慣れないものになっていて興味深かったのだが、少し短かったのが残念である。奥田瑛二が頑張ると思ったのに。

時代劇は難しい。

コメントする
mg599