劇場公開日 2018年2月2日

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「芸術的表現が秀逸」RAW 少女のめざめ MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0芸術的表現が秀逸

2019年2月8日
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一人の少女がカニバリズムに目覚めるという物語だが、ドン引きするほどの描写は無く、そこら辺は安心。

本作は、一般人からすると共感できない内容だが、実際に本作が描こうとしているのはカニバリズムに対する否定や肯定ではなく、また、胸糞悪い描写の数々を描いたスプラッタームービーでもなく、一人の少女の性への目覚めを描いているドラマである。彼女の場合は天才的な頭脳で16歳にして獣医の大学に通うという表向きの面がありつつ、その大学での伝統であった「生のウサギの腎臓を食べる」という行為が後に「人肉を食べる」という癖に繋がっていったというものだ。誰もが通る、青春の真っ只中の失敗が、彼女の場合はカニバリズムだったわけだ。

それを、芸術的ともいえる描写の数々で美しく描いた作品が本作なのである。カニバリズムをテーマにした作品は中々えげつない描写の数々で圧倒される作品が多いが、本作は初めてそれを美しく描いた作品ではないだろうか。個人的に一つ一つのシーンが写真のような感覚に思えたが、感じ方は人それぞれなので、ぜひともそれは体感してほしく思う。

作品としては満足なのだが、主人公の通う大学にやや違和感を感じたのは私だけだろうか。狂気とも言える生活ではあるまいか。あれは。本当にあちらの国の大学がああいった感じならば絶対に通いたくない。本編の怖さよりもそちらの方が怖かった。

Mina