三度目の殺人のレビュー・感想・評価
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これが社会なんだろう
大人たちのエゴって感じで鬱々とした。
自分を守るために、
自分を救ってくれた人が命を落とす、
そして真実を明らかにすることはできず、
自分だけで孤独と共に抱えていかないといけない、
死ぬほど憎んでたくそみたいな人間が
良い人間として語り継がれる、最悪だよ。
誰もちゃんと人の話を聞かない、聞こうとしない、
真実を見ようとしない。
三度目の殺人で殺されたのが
広瀬すずなんだと思えばまあ、
回収はされてるのか、と思うけど、
恐らくこの映画の観点はそこじゃないんだろうな。
あれだけ冷めてた福山が
いきなり感情的になるのもすごい気持ち悪いし怖い。
娘と同世代の女の子が親からレイプされてた、
その程度であんなに気持ち揺さぶられて
感情論ぶちまけさせるなら、
そこまでの合理主義・理論派的な描き方は
もっと薄くしたほうが良かった。
あまりに短絡的で情緒的すぎた。
それらも含めて、これこそが、
救いのない現実の社会だ、法の社会だ、
と言われればそうなんだろうけど。
子供たちのサインを平気で見落とす
くそな大人たちを見させられて胸糞悪かったな。
眠たくなってきちゃった
最近は役者連鎖形式(?)で過去作を見ています。
「来る」妻夫木聡→「ザ・マジックアワー」妻夫木聡→「1度死んでみた」妻夫木聡,広瀬すず→「三度目の殺人」広瀬すずという感じに。
こういった風に見る映画を選ぶの、オススメです。
さて、賛否両論の今作どうかな...?
んー、微妙だなぁ。。。
役者はいいしストーリーはいいのだが、テンポが非常に悪く前半は特に退屈した。
勝つことにこだわる弁護士の重盛(福山雅治)は、河川敷で元々勤めていた会社の社長を殺害し放火したとして捕まった三隅(役所広司)を、仕方なく弁護することとなった。
終始緊迫感はあり音楽もよかった。
流石、是枝裕和監督といったところ。
ハマる人にはハマるだろうな、この人の作風
役所広司の静かな口調に圧倒される。
正直、大声を出して悪を働く役所広司の方が好きなのだが、今回のような役も悪くなかった。
ただ、先程も言ったようにすんごいテンポが悪い。
いきなり始まっていきなり終わる。是枝流なのだが、個人的には気に食わない。万引き家族は面白かったが、今回はなぁ...法廷映画ってこともあってもっとしっかりして欲しかった。
ミステリー要素があると思ったのが間違いだったのか、ただひたらすら同じシーンが続くので退屈でこれといった衝撃もなくあっけなく終わってしまった。
人物背景の描きが薄く、感情移入も出来ぬまま。
後は自分で考えてください形式は嫌いじゃないんだけど、あまりにも考えさせ過ぎなきがする。
んー、この監督苦手かもなぁ。
他の作品も見てみることにします
タイトルなし
役所広司の掴みどころのない、発言も二転三転する演技は凄い。冷たいエリート弁護士役は福山雅治に合ってる。一体誰が殺したのか、ラストは謎のまま終わるが、人が人を裁いていいのか?経済合理性のまま進められる日本の裁判制度に疑問を呈している。
広瀬ずずさんがブスに見える凄さ
終始、不思議でした。
なぜ、あの広瀬ずずさんがブスに見えるのか。薄幸の美少女なんて簡単な事は、彼女はしない。凄い演技です。是枝さんが凄いのかな。
役所広司さんの空っぽも、広瀬ずずさんのブスさも、福山さんの任されたパパ感も、丸ごととっても良かったです。
あと、満島真之介さんの、あの感じもすごく、良かったです。必要な役割を過不足なく演じていたと思います!
何が嘘で何が本当か、裁判官・弁護士体験ができ、そして裁く裁かれるを考え込ませられる。
映画を見ながら、一つ一つの出来事の事実確認の作業が、弁護士や裁判官の様に、させられる、推理司法映画?として見事なつくり。殴打により被告が殺したのも財布がガソリンに濡れていたのも、映像があり事実。実父によるレイプも、母親による示唆あり本当と判断可能。被告と被害者娘に心の交流があったのも、写真があり事実。
ただ、足が悪い理由は不明。そして、本当だとすると美しい話だと話す、役所演ずる被告人。何故、証言を変えたのか?広瀬すずこと被害者娘を傷つけないためと思っていたのだが。福山演ずる弁護士と同様、見ているこちらも、被告人の本当の気持ちがわからなくなり、混乱させられる。今も尚、分からない幾つかの謎。真実は、こちらの見方を反映する、空っぽの器の様なもの?
そしてさらに、生まれてくる価値さえない人間がいる、いない。そして、裁かれるものと裁くものを分け隔てる正当性への疑問や懐疑が、ベースに流れている様だが、十分に解釈できずいる。
被告は鳥も人間をも裁く人間になりたかった様だが、その結果は死刑。それを決める裁判官にとっては、沢山の処理業務の1つで、その大きな差は何か?またどこに、監督の軸足があるのか?解けない謎が残った状態で、もどかしい部分もある。
考え込み変化する福山の心情を写し込む映像美。内に秘めた強い意志を感じさせる広瀬すずの眼差し、視聴者を揺さぶる根源的な幾つかの問いかけは、十二分に魅力的ではあったのだが。
法廷で、真実を話す人はいない
ストーリーも含め、是枝監督が練りに練り上げて提示した、真にすごい映画ですが、賛否が激しく二分するのだろうなとも感じました。
たとえば無言のシーン。
テレビだと「放送事故」なんて言って忌み嫌われるものですが、この映画の白眉こそ、これでもかと多用される無言のシーンなのです。
物語を真に紡ぐのは言葉ではなく、無言である。その監督の強い意志を、二人の名優がこれでもかと絵にしてくれています。
二人の心理の揺れ動くさま、ほんとうに楽しめました。
また裁判についても、実際にそれを手がけたことがある人だけが知る、これぞリアルな日本の裁判だと納得するものに仕上がっていました。
リアルだけど、決しておちゃらけることはない。この描き方は、キモの坐った人でないとできないものだと感心しました。
ドラマで見る裁判は、あんなの裁判でも何でもなく、単なる裁判劇に過ぎないでしょ、クソ喰らえ! というシニカルな思いなのかも知れません。
「法廷で、真実を話す人はいない」。
奥の深い映画で、ほんとうに楽しめました。
三隅の三度目の殺人とは何を指すのか?
劇中、生まれてきていい人間、生まれてきてよくない人間という仕分けの話が出てきました。
他人に対する自分の価値を気にするのではなく、
ただ生を受けたことに感謝する謙虚な気持ちになれればいいのでしょうけど、
どうしても役に立つ人間でありたいと欲が出てしまうんですよね。
たから、死刑判決後に重盛との接見の場で三隅が語った言葉
「私は生まれてこなくていい人間だった。だから人の役に立つことをしたかった」云々、
これがあたしの身につまされました。
さて。
「三度目の殺人」というタイトルが気になりました。
一度目は30年前、二度目は劇中の裁判案件。では三度目は?
始めは三隅が死刑として裁かれることが三度目かと思いました。
しかし、一つ目二つ目の殺人を行ったのは三隅であることに対し、
三つ目の殺人を行うのは司法であるため、
この解釈だと「三件の殺人」になりそうです。
では、三件すべての殺人の主語を三隅とするならば、
最後の殺人は自らを殺す(状況に持っていく)ことを指すのでしょうか。
器
あの人は器が大きいだとか、小さいだとか、よく耳にする言葉ですが、本作の中では“器"がキーワードであると思います。
誰かのレビューに、役所広司さん演じる容疑者の三隅そのものが“器"なんだと書かれていました。
私もそう思いました。
三隅は自分自身は生まれてくるべき人間ではない。生きていても傷つけるだけだ。というようなことを劇中で言っています。
一体彼の過去、生い立ちにどんな事があったのか。これがとても気になりました。
作品の中で描かれる、裁判に関わる人間達は、裁判官、弁護士、検事。どの立場にいる人も事務的で、己の評価、己の都合で仕事をしているかのように描かれていました。もしも、これが真実であるならば、私はこの国で絶対に裁かれたり、あるいは裁かなければいけない人間と関わるのも嫌だ。と思いました。
法というものがありながら、結局は人間という大したわけでもない生き物が人の生き死にを裁くなんて、よく考えればアホらしくも思えてきました。。。まぁ、無くなってしまうと大変なんですけどね。
福山さんは相変わらずカッコ良かったけれど、役所さんと絡んでしまうと、やはり飲み込まれてしまいますね。どちらも大好きな方々なので、演技に見惚れてしまいました。広瀬すずちゃんもただの可愛い女性では無いなと、初めて演技を見て思いました。今後が楽しみな女優さんです。
簡単な話ではない映画でしたが、見ているうちに心を持っていかれてしまうくらい魅力的な話でした。
なぜ「三度目」なのか?
・他人ごとじゃない法廷ドラマ
・日常のなかで「君って◯◯だよね」って言われて、一理あるけどちょっとずれてるなと違和感を感じるときがある
・それは人が自分のことを正確に見れていないじゃんって感じるから
・要するに人は、それぞれなりの視点で他人を推測している。
・ときにはこうあってほしいという願望もある。
・それでいておのおのは自分のことをあけっぴろげに話すことはない。よっぽどじゃないと答えを出さない。
・だから誰も他人の本当の姿を捉えることはできない。
・できないがこれが一番近いであろう答えを出すだけ。
・人間関係にはそういうあやふやさが大前提としてある
(親子であっても、踏み入れられない領域がある)
・司法の場ではそれでも白黒つけたり数値化して結論を出そうとするから、妙なことになる。
・かえって人間の捉えきれなさがあらわになる。
・他人に対する疑いを晴らすためには、
自分の価値観や時間やすべてを投げうって相手に寄り添って相手を知らないといけない。
・実際はそれぞれ自分の生活もあるし、損得感情もあるし、相手の本当の姿を知り尽くすことは現実的には不可能。
・それでもなぜ人は他人が気がかりなのだろう。
・被告人のキャラクターは、空っぽの器と表現された
・被告は自分の主体性よりも、相手の意向を優先した生き方。
・そして、理不尽に反抗し続けた人生だったのではないか。
・自分が法律的に死刑を免れ生き残ることが、彼にとってはそれもまた理不尽だったのではないか
・つまり、理不尽に反抗するために自分を殺したのではないか?
・それでも自分は生まれてきてよかったと思いたかったのではないか?
・そこが強烈な動機だと思う。
・殺人が誰かの役に立つ状況がある。「あの人の役に立ちたい。」だから、彼にとって殺さないではいられない状況になる。
・被告は純粋に「誰かの役に立ちたい」と思ってただけかも。
そして「役に立たないとだめだ」とも思っていた。
・自分の無価値観に苛まれると人は、自分を肯定するために、どんなことでもしてしまう。それがたとえ殺人でも。
・それは誰にでも起こりうる。
・これでもかというほど、人の心を見つめた映画。
・答えがないことが答えのような映画。
・とにかく観終わったら、ほかの観た人と話がしたくなる良作。
役所広司の存在感が重い
弁護士の福山雅治と殺人者の役所広司
一度目の殺人 若い頃、殺人を犯す。
その後工場で真面目に働く。
二度目の殺人 親しくしていた娘に対し性的虐待をしていた社長を殴り焼き殺す
この裁判において福山弁護士と対峙する
最初は解雇された社長に対する恨みで殺したと白状
しかし、裁判の最後になって急に自分はやっていないと主張し始める
それは社長から性的虐待を受けていた娘がその事実を法廷で話さなければならなくなったことを防ぐためだった
三度目の殺人 犯罪を否定することで情状酌量の余地やその他の議論がなくなり自らを殺す
是枝裕和のおくる心理サスペンス
福山vs役所だけでも興味をそそる。
全く笑うところがないシリアスな映画だ。
難しいし、考えは観るものの側に委ねすぎている。
よく言うと攻めている。
海街ダイアリーで子役のような演出をされていたすずちゃんを敬意を持って福山、役所と同格に扱っている。斉藤由貴もよかった。
勝ちに拘るエリート弁護士(福山)がサイコパスな被告人(役所)に翻弄され真実もわからないモヤモヤしたまま終わらしている。
役所と福山のアクリル越しの接見で合わせ鏡のような演出も過去の是枝作品でない斬新なもの。巨匠になっても攻め続けている是枝裕和からは目が離せない。
原作読んでみたい
地上波録画を見ました。原作も上映も見ていませんが、だいぶ省略されている?
役所の人物描写、一度目の事件に至る心情、鈴の足の背景、手の力、カナリア、色々と伏線があるのに何も回収されていない。これでは根拠を持った想像・解釈もできない。『視聴者ごとの解釈』に至るまでの材料が端折られすぎている。
面会室の顔が重なるシーン、最後の神々しさ、表現したい事は想像できる気がするが、そこに繋げさせる材料が少なすぎる。
良心・後悔・愛情・不条理、テーマはすごくわかるのにとても残念。
揺らぎと論理
正直言って全く意味するところも、意図するところも理解できず、ストーリーの展開も結末も分からなかった。この点が監督の意図するところだとすると、この映画の評価はもっと高くしなければいけないし、そうしても良いだけの説得力と画面の緊張感があった。それはひとえに役者たちの演技力と演出、そして何よりもそのシナリオにあるのではないか?シナリオに混沌のを付加する時は通常精密に構築した論理を一度解体し組み立て直す。この手法だと論理性は失わぬまま監督だけだ理解できるロジックで物事が進み、最後の結論で観客がそのパーツを組み立て直したり、与えられた事実で一気に時制に整合性が出たりする。しかしこの手法は初見の観客は最後まで手掛かりなく、ゲームの進行のように進みストレスが倍増する。最後まで付いてこれない観客が生ずる。しかし本作は時系列は極めて明確だが起こっている事象が揺らぐのである。その為観客は最後まで飽きることなくエンディングまで緊張感を維持して連れて来られる。そして最後にモヤモヤだけが残り置き去りにされる。勿論その最後には何処に何がテーマとして眠っているかは薄々気が着いてはいるのだが、どうもその姿が見えぬまま放置される!そして考え込む。そしてこの考え込むモヤモヤ感がひとえに監督の狙いだとしたらこの映画は監督の美事の勝利で、その事実、その内容は二次的なお楽しみに過ぎないのである。
殺人は2回なのになぜ「三度目の殺人」なのか、本当は何があってなぜ殺...
殺人は2回なのになぜ「三度目の殺人」なのか、本当は何があってなぜ殺したのか、十字やカナリヤの意味、一切明かされないまま終わってしまった…
だからといって意味不明とかつまらないとかそういう単純なものではなくてそれこそ本当に見た人がこうであってほしいと思うストーリーにできあがるある意味完成度の高い作品だと思う。
いろんな人のレビューや解説を見るとなるほどと思うものもたくさんあって面白い。
けど私は答えがほしいタイプなので合わなかった。
真実は…
三隅と咲江の言動から、「真実はたぶん〜〜なんだろうな」と自分なりには答えを出しています。ですが個人的にこの「最後の真相を観る側の解釈に委ねる」演出はあまり好きじゃないですね。
脚本家の中で「真相はこう」っていうのがちゃんとあったうえでこちらに考察させるなら分かりますが、そうじゃない作品もけっこうあるので。正直「またこのパターンか!」ってかんじです。
脚本はいまいちだけどキャストの力量でそこそこの作品になった、ってかんじでしょうか。他の方も書いてますが、無名の役者さんを使っていたら評価はこんなものじゃなかったでしょうね。
日本の司法制度に対する批判的な映画。
若干モヤモヤ感は残るがなかなか良く出来ていたと思う。日本の裁判、司法制度に対する否定的な見方が随所に出ていた。広瀬すずは意外に演技力があるのかもしれない、と思った。
タイトルなし
是枝裕和監督オリジナル脚本作
.
.
弁護士と殺人犯の接見も
法廷でのやりとりも全て事務的
心は…真実はどこにあるのか
.
最後に福山雅治演じる弁護士が呟く
『からっぽの器』
犯人三隅(役所広司)はただの器
人の心が宿る器なのか…
犯罪現場の十字
佇む十字路
それぞれが背負うものの喩えかな
.
観賞後にネタバレ鑑賞記録を熟読
それぞれの考察が深く面白かった
読んだ上で鑑賞してみると
モヤモヤが解消するかも
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