劇場公開日 2017年11月3日

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「アニメのファンは避けたほうが無難」氷菓 Spiさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0アニメのファンは避けたほうが無難

2024年1月26日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

氷菓の実写化なんてうまく出来るはずがないと端から否定的だったが、意外にも原作を変に手を加えず素直に映像化していたのは好感触だった。

山﨑賢人演じる主人公は感情の起伏が乏しく、その分演技が難しいのはわかるのだが、それを差し引いてもあの棒読み演技はいただけない。配役がダメというよりかは役作り不足か、もしくは単純に役者として力不足なんだろう。
後半急にやる気スイッチが入りなぜか熱い演技に入るが、これは監督の指示によるものだろうか。極端すぎて何がしたいのかわからない。

広瀬アリス演じる千反田は確かに長い黒髪で目が大きく一見原作通りのキャスティングのようだが、笑顔と言うよりかは終始ヘラヘラしているような表情で今作のヒロインに必要な清楚さや事件を必ず解明する意思の強さみたいなものが感じられない。もう少し適切な女優さんはいなかったのだろうか。

後の二人はキャストが決まった時点で見た目がどうなんだと思ったのだが、意外にも役にハマっていて良かった。

演出に関しても先に言ったように主人公が情緒不安定に見えたり、尺の都合かセリフに間を入れてないおかげで真面目なシーンでも下手なコントに見えてしまうお粗末さ。
回想シーンで関谷純が叫ぶシーンで一緒になって奉太郎が叫ぶのも無理やり盛り上げたいだけとしか思えないキャラ付けでも心象表現でもない謎の蛇足があったりとつっこみたくなる演出も少なくない。

余談だがアニメの実写化じゃなくて原作の実写化だからアニメと比べるなと言っている人もいるが、明らかにアニメの演出を意識した部分もあるのでこれは比較されても仕方がないと思う。

そもそも氷菓という題材が地味めな話なので映画として成功させるのは難しいと思うのだが、原作シリーズもアニメも評判がいいからなんとかなるとでも思ったのだろうか。
終わり方を見るに、もしかしたら監督は氷菓で一発当ててから文化祭であるクドリャフカの順番を作りたかったのかもしれないが、だったら最初からそっちを作っておけばまだマシだったかもしれない。

ともあれ原作好きならB級日本映画程度には見れると思うけどアニメファンは見ない方が無難かと思います。

最後に実写映画の良かった部分としてエンディングテーマは書き下ろしの曲なんだろうか、氷菓という作品にとても合っている歌詞の曲でそれだけは感動しました。

Spi