劇場公開日 2017年10月27日

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「コンセプトを反映した意匠」ブレードランナー 2049 omoroさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0コンセプトを反映した意匠

2023年8月16日
iPhoneアプリから投稿

何が凄いって意匠が凄い。
『メッセージ』に引き続きコンセプトからブレイクダウンされたディテールは、前作と地続きな事を示しつつ現代から見ても未来を感じさせてくれる。
画面の情報量が多いが、それを味わえる尺をたっぷりとってくれているので満足度高い。
ウォレス社のインテリアからゴズリン自宅のキッチンまで構成もディテールも腑に落ちる。

要所でシンメトリーと重低音を多用してベタに重厚感を出してて好きです。
実写で現実に虚構がオーバーレイする表現は物哀しい味わい含めて現時点でこれ以上の物はないと思えるくらい。
ゴズリンの顔面力も良過ぎ。

単品の作品として円環構造を持ちつつ前作の解釈にも影響するような要素を入れてるのも好き。
詳細を書くとネタバレになるけど、虚構の意義・ワンノブゼムと自覚した上での実存・第三世界からの搾取など現代的なテーマを物語上の必然として描いていてストーリーテリングもクレバー。

omoro