忍びの国のレビュー・感想・評価
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いつまでも頭をよぎって離れないのは無門の静かな人としての変わり様だった
さらーっと観たら、この映画の深さは分からない。
なんかスッキリしない。見落としていた感がある。
そう、もう一回観てみよう。新たな発見がある。面白い。
又観てみようっと思わせる今までに味わったことのない映画だった。
今までにはない時代物。予告の軽いイメージとは違って良い意味で裏切られた。
この裏切られた感を監督は狙ったのか・・・。良い作品を多く観たい自分としてはこの夏この作品に出会えたことが大当たりだった。
見応えあるリアクションは勿論のこと、戦国の世、心揺さぶる人の心情も秀逸 。
正統派の圧倒的な格好良さ伊勢谷大膳はしっかりと魅了し、鈴木平兵衛は忍として生まれ、人として願う葛藤は哀しくもある。偉大な父を持った知念織田信雄のへたれぶりも良い意味好演。歴史上重要な存在感の北畠に國村隼、マキタスポーツ左京亮の中間管理職的な感じ、伊賀の上忍の現代にもつながる人の奥深い欲もあわせ、まっすぐに人を表現した映画だった。
その中でもなんと言っても、清涼感を与え場内を一変させたのは、石原お国との夫婦愛だった。劇場内が一体化してくすっと笑っているのだ。観覧者を脱力させたと思いきや、あの石原お国の背筋が冷たくなりそうな睨みともいうべき眼差しをご覧あれ〜〜こんな良いものが見られるとは・・・・とお得な気持ちになるに違いない。夫婦のシーンがそれほど多くはないが、見えない無門お国夫婦の結びつき、叱咤激励する石原お国とのやりとり、そしてこれから先のお互いを想う無門お国夫婦の深い愛が、より一層、待ち受けるラストに輝きを持たせ心にささる。
人は大切なものに出会い心が変わりゆく、大切なものを無くしてから、痛みが深いからこその心の揺れ、変化が見る者の心を惹き付ける。終盤はスクリーンから釘付けでこの作品の醍醐味である。また、ナレーションの山崎努さんにつながるメッセージ性も細かい。つながったその後に想像力を膨らまずににはいられない。
虎狼の輩である忍びの無門 人を難なく殺すダークヒーローであり観覧者として軽く共感して観ることは出来ない。正当派の大膳や、葛藤する平兵衛に心奪われがちだ。だが、時が経っても心に忍んできて、いつまでも頭をよぎって離れないのは無門の静かな人としての変わり様だった。主人公、大野無門の表情、裏に見え隠れする影、孤独、哀しみが、静かに心に浸みた。聞き所でのあの張った声、刃のような眼、・・・あの魂の叫びは、今振り返ってもぞくっと背筋を緊張させる。
主演の大野智氏、まだまだ色んな引き出しを持っているのではと想像する。歳を重ねられ、心情の変化の多い超難易度の高い作品等もお目にかかれたらと・・・今後の楽しみが増えた!・・(期待)
大野君大好きな人が作った映画??!
ラストは感動しました。
泣けました。
演技も素晴らしかったです。
ただ、大野君どんだけ好きなの?!笑
大野君がキラキラしすぎで、ジャニオタの為に作られたのかと思うくらいです。
ちょっと遊びすぎ感があって、ラスト以外は安っぽさ満載です。
あそこまで大野君キラキラさせなくていいのでは?笑
大野君は個人的には大好きですが、やり過ぎです。
ジャニオタの方々は発狂ものでしょうね。
私はすごい寒い寒い映画でした。
期待以上
ジャニタレは嫌いなんだけど、主役の大野はハマり役でとても良かった。ずーっと飄々としていたけど、どこか感情的な部分が捨てきれてなくて、最後の最後で爆発したシーンは迫力もあってとても良かった。他、鈴木亮平、伊勢谷友介をはじめとした俳優陣の圧倒的な演技力、殺陣の迫力、若干入り込んでくるコミカルシーン、全体的なストーリーと最後のメッセージ性、どれも満足で、鑑賞後の満足感はとても高かった。
嫌いだったのが、オープニングと途中一回だけ入ってきたロック音楽、クライマックスシーンでのライトアップ。映画的には悪くはないんだけど、演出感が強すぎて個人的に嫌いでした。
とりあえず、映画館で大迫力で観れてとても良かった。
アクションor殺陣。
和田竜の原作、または脚本はやはり力がある。「村上海賊の娘」も読まなければ。
で、本作である。
中村義洋の演出は誰に肩入れしているわけでもなく、わりとフラットに各キャラクターを描いている。これが、映画を見やすくしている。
期待していたのは、劣勢だった伊賀勢が逆転を果たすのだが、そこをどういう忍びの技で返すのか、というところだったのだが、少し肩透かしであった。
信雄(知念侑李)がいつ死ぬのかも知らない観客も相手にするというのは、作り手の苦労がしのばれる。また、信雄という名になるのは本能寺の変のあとのようで、このあたりはどうなのだろうか。
信雄は秀吉ほどメジャーではないので、「花戦さ」ほど罪はないと思うが。
大野智と鈴木亮平の殺陣というかアクションを観ただけで元は取れた感じである。
息子たちもはまりました!
この連休に、中学生と小学生の息子を連れて、観賞しました。
私は2時間があっというまに感じるほど、見いってしまいました。アクションがすごいですが、女性でも前のめりになってしまうすごさです!ちなみに、となり女性もラストのアクションには身をのりだしてました。
中学生の息子は『ハマった!』と言い、『週1で見よう!』と言っていました(笑)
客層もさまざまで、邦画の楽しさを感じた良質な映画でした!夏におすすめの1本です。
見れば見る度
クセになり、気付かされることがたくさんある映画だと感じます。伊勢谷さんはさすがの演技力。いかにも大膳!たしかに、いかにも大膳です。
なにより大野くん。歌って踊るアイドルがここまでやってしまうのか…素晴らしい。後半のシーンは大野くんに痺れっぱなしでした…なんでしょう、目がすごくいいんですよ。ゾクゾクさせられます。
まさしく映画映像だと思います。スクリーンで観て欲しい、観た方がいいです。絶対にスクリーンで観るべき。
映画主題歌のつなぐもあぁ、この作品のための歌だなぁとエンディング歌を聴きながら泣いてしまいました。とにかくどれをとっても素晴らしい!私の大好きな作品になりました。
演技が良いだけに惜しい…
上映時間が長い割には内容が薄く、途中少し退屈でした。
演出は凝ってるけどテンポが悪いというか。
ギャグも笑える程ではありませんでした。
主人公とヒロインの絆があまり感じられなかったのも残念です。
原作は面白いんだろうなぁ。
出演者の演技は魅力的で良かったです。
ジャニーズの運動能力
冷静に考えると辻褄合わないとこ多いんだよ。原作端折ってるからだと思うんだけど。でもなんか納得しちゃう。話が解りやすいのと、鈴木亮平と大野くんの演技がいいんだよね。
大野くん、走ったり闘ったりすんだけど、体の動きがいいのね。「やっぱジャニーズすげえわ」と思ったもん。そういえば、ジャニーズってみんなバック転できたよね。
伊勢谷友介もはまり役だったなあ。仰々しい演技がピタリとはまんの。
出番少ないけど、平祐奈も良かったよ。あの話し方がお姫様に良く合ってた。
って考えてくと、キャスティングがいいのかな。
脚本が、、。
考察不足です。大野さんのプロモーションビデオとしては良い出来です。彼の魅力は十分伝わりました。
でも、映画としては深みがない。伊賀の人たちあんなに本当に短絡的?奥さんも家に一歩も入れない?主役さん、脇役さん芸達者の方たちだから、もっと複雑な演技可能ですよ。
何かエンターテイメントとしても歴史物としても少し中途半端でした。
何故ゆえの虎狼
人を人とも思わぬ虎狼と呼ばれる伊賀の々
普段は畑を耕し百姓として生きている普通の人が戦のために常日頃より命をかけた鍛錬をし忍者として戦に買われて行く
そこにあるのは殺し屋としての日常なのだ
赤子の頃に買われて伊賀にやって来た幼子達は殺し屋として育てられるのだ
人として名前すら与えられずに育つ人生とはどんな人生なのか
殺し屋には名前も心は必要ない
戦闘能力を育てるが心は育てることはない
心があれば人をあやめるときに迷いが生まれ、職業として殺し屋としての忍者の能力の妨げになる
遠いイスラムのテロリストの世界では戦士として子供を誘拐して育てると言う
子供を殺し屋としてそだてる悪行
現代ではテロリストしかやらぬ悪行でNHKでも番組にするほどのことである
殺し屋として育った人々がゆえの虎狼の群れである伊賀
けしてワガママな欲望から金の為だけに生きているわけではない
そういう生き方しか教えられずに生きて来たからしらぬのだ
そこで育てられた主人公無門が、お国と言う普通の社会で愛を持って親に育てられた人間の心を持つ女房と関わり、人としての心が芽生えて行く無門
伊賀に育つ人々の悲しい生い立ちを踏まえてみるこの映画のエンディングは涙無しには迎えられません
もちろん映画にはそんな重い気配は微塵も感じさせないポップなコメディタッチで笑いを交えストーリーは進んでいく
「赤子の頃に買われてきたので自分の名前をしらぬのだ」
このセリフに込められた意味をどれほど理解できるかで、この映画の価値が変わる
人を人とも思わぬ人でなしの虎狼の群れを現代社会に重ね合わせてみる
現代社会にも確実に存在する虎狼な人々
それは本人達の原因なのだろうか
などと深いテーマが隠れているこの映画はかなりの名作です
小学生も楽しめました❗
朝日小学生新聞に載っていたので小学生3年男子を連れて観賞してみました。所々のギャグっぽさと本格アクションで、子供は笑ったり興奮したり、上映中は集中して見いってました。
終わってからも見に来てよかった~と喜んでましたよ。本とは違う箇所もありますが、進行に無理がなく、結末を知っていても楽しめました。
いやいやビックリ‼️
ジャックスパロウ見に行ったつもりが、時間が合わず、まぁ忍者ものならイイかな?なんて、何気に入った忍びの国…
いやぁ!すいません!!
素晴らしかった!
面白かった!
最後は泣いちゃったよ!!
なんかメッチャ得した気分o(^-^)o
後日スパロウ船長観たけど、なんか忍びの国の感動の方が大きくて、、もう一回観たい感じ。
平兵衛との対決シーン、もう圧巻でした!
大野くん、あんな顔するんだ…凄い役者だね!
アクションものだけど、そのレベルの高さと
笑って泣いて感動できる盛り沢山のエンターテイメント映画でした‼️
言葉によらない魂の響き合い
全編にわたって、また下忍から上忍、武家の人間と全ての演者がそれぞれの人間性を非常に的確に表現していたと思う。
その中でも特に強く心を揺さぶられたのは、やはり終盤の二つの場面。
以下はかなりのネタバレになるので、まだご覧になっていない方は、どうぞお戻り下さい。
平兵衛との死闘。川の決闘が始まる前には、十二家評定衆から騙されていたのだと聞かされてもまだ「それがどした?」とニヤリとした笑みを浮かべている。しかし一騎打ちが進むにつれて無門の表情は、ただの真剣勝負をしているだけではない、魂のこもったものに変わってくる。最期には「分かったよ、もう怒るな」と。後は俺が引き受けるから、せめて安らかに逝ってくれと。言葉によらない魂の響き合いをしたことにより、無門の心が、それまで長年封印してきた人間らしさを取り戻し、十二家評定衆への怒りが平兵衛から無門に乗り移った。魂の同化。
もう一つは、お国の悲劇的な最期の場面。
親も身寄りもなくただ自分の忍術のみを頼りにして生きてきた無門が、唯一見つけた命を賭けて守るべきものがお国だった。戦により銭を稼ぐのも、京に逃げて商いで生きていこうとしたのも、ただひたすらお国と共に生きていきたい故だった。そのお国を失う瞬間の絶叫は、いつまでも脳裏に響いている。ごく最小限の言葉のやりとりのみで、ここでも魂の響き合いがある。無門が平兵衛に告げた同じ言葉がお国から一言。
その後、無門がネズミと共に生きていったことがラストシーンで分かる。ナレーションの声が示す年齢のネズミが父母の記憶を懐かしく語ることで、無門が、お国がたいそう気にかけていたネズミを大事に育てることを生きる支えにしていたことが想像できる。
前半でユルく軽く描かれクスクスワクワクさせられていた世界が、後半で別の映画かと思うくらい色を変え、魂を揺さぶられ、気がつけば体に力が入り知らず知らずのうちに涙があふれていた。
おふざけに隠されたテーマ
笑いながら矢を放ち、死体から物を奪い合う忍者たち。仲間の死も気にもとめず。
CGも嘘っぽい。
出だしでうげって思って、受け付けなくなるヒトいっぱいいるだろうな~と。
あとクールで格好いい忍者が好きなヒトはショック受けると思います。
最初は怒りが湧いたくらいです。
一旦自分の固定概念を捨てて、フラットな気持ちで見てみて欲しい。どうか最後まで。
登場人物それぞれの心情は説明的なセリフがほとんどありません。表情で語ります。見る側の受け方に委ねられていると思います。
表面的にはポップで面白く笑ってしまった場面も、あとあと考えれば哀しいことだったな。
虎狼の族とはなんなのか
人間とはなんなのか
善と悪
それでは自分はどうなんだろうか…
おふざけの底に隠されていた深いテーマに気がついてしまうと…
監督の術にかかってしまいましたよ~
感情揺さぶられます。
賛否両論が極端に分かれる映画なのは仕方がないのでしょうね。伊賀ものをひとごとだと思うタイプのヒトには全く受けないと思うので。
分かり易い勧善懲悪もありませんし。
映画って心を揺さぶるものだよな~って久々に思いました。
人は自分のためだけに生きられるほど強くない
『人は自分のためだけに生きられるほど強くない』この三島由紀夫の言葉を私はいつも中村義洋監督の作品の主題に感じます。正確には『人間は自分のためだけに生きるのに卑しいものを感じてくる』『人間は自分のためだけに生きて自分のためだけに死ぬというほど強くない』と語っています。三島由紀夫が『葉隠』の精神とその作者を持ち出し、また戦前と戦後を比べ『知的再建がなされていないこと』『今は大義がない』と嘆きながら、武士の精神を語った時に語った言葉です。日本人の日本人としての大義、仁を語ったものだと思います。私はこれを読みこれを知り、日本人としてこの精神を誇りに思いました。
初めてこの言葉を目にした時「なんと美しい日本語だろう」と思いましたが、全文読んで初めてその意味を知りました。中村義洋監督の作品を見る度この言葉を思い出すのですが、今回のこの『忍びの国』ほどこの時のインタビューとシンクロしたことはありませんでした。エンターテイメントも素晴らしかったし、ストーリーも面白かったのですが、この映画の中にはこの時語られた言葉そのものを感じました。私は三島由紀夫が1960年代に語ったこの言葉が今も全く錆びることなく、いえ今だからこそこの言葉が響くのだと思い知りました。時代考証や時代背景だけが時代劇を作るのではありません。
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