劇場公開日 2016年12月23日

土竜の唄 香港狂騒曲 : インタビュー

2016年12月22日更新
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瑛太が絶賛&再タッグを熱望する本田翼のポテンシャル

全裸の生田斗真の股間を見やり「お粗末なもん見せてんじゃねえよバーカ!」と叫ぶ。いきなりの卑猥な暴言で恐縮だが、発言の主はなんと、本田翼である。「いや最初、台本だと“そちん”とあったんですけど、そんな単語自体、全く知らなくて。本読みの段階で『イントネーションが違う』って言われまして」と本田がてれくさそうに釈明する横で、本田と同じく「土竜の唄 香港狂騒曲」からシリーズに参戦した瑛太がカラカラと楽しげに笑う。(取材・文・写真/黒豆直樹)

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生田斗真主演で「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館刊)連載中の人気漫画を映画化した本作。警察のスパイ(モグラ)として極道の世界に飛び込んだ菊川玲二の活躍を描くが、瑛太は警視庁のエリートで暴力団と警察の癒着撲滅を掲げる兜真矢、本田は玲二が逮捕を目論み、ボディガードを務めることになる極道のトップ・轟周宝の娘で、じゃじゃ馬だが実は処女という迦蓮を演じている。

この2人、実は共演シーンはたった1シーンだけ。しかも、クライマックスの物語の核心に関わる部分であるだけに、なかなか語ってもらうのも難しいところなのだが…。さて、何を聞こうか? と思っていたら取材開始早々、こちらが切り出す前から瑛太は冒頭でも紹介した、迦蓮の登場シーンを大絶賛。「この映画は、なんといっても本田翼!」と興奮気味に語る。

「一瞬で、キャラクターもあの場の空気も変えてしまう登場シーン! ファンの中でも、映画関係者の中でも“本田翼”というイメージが変わる。いや、イメージそのものがなくなるんじゃないかって思います。今後、本田さんに届くオファーの種類、仕事の内容がガラリと変わるんじゃないでしょうか。ワンカットでここまで全てを変えてしまう――そんな女優、ここ最近ではいなかったと思います。男子はたまらないですよ!」

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先輩俳優からの手放しの称賛に、本田は恐縮しきり。これまでラブストーリーやシリアスなドラマへの出演はあったが、この手のタイプの作品は初めて。物語やシチュエーションを興味深く受け止めたという。

「三池崇史監督とのお仕事は初めてだったんですが、何をやらされるんだろう? って漠然と不安を抱いていました(笑)。演じる中で思ったのは『男の人ってこういうのが好きなんだ? こんなこと考えているんだ!』ってことですかね(笑)。迦蓮があんな激しい言葉遣いをしつつも、実は処女だっていうのも『そういうギャップが男の人は好きなのかな?』とか(笑)」。

普段の自分自身とも、これまで演じてきた役柄とも全く違うタイプの人格を演じることを楽しみつつ、苦労はもちろんあった。

「言葉遣いの問題以外で、一番大変だったのは、生田さんの乳首をフゥフゥするところですかね(笑)。あと、狭い車内で動くのもなかなか大変でしたよ!」

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瑛太にとっては、三池組への出演は市川海老蔵主演の「一命」以来。時代劇であり、全編を通してシリアスだった前回とは全く異なるジャンルの作品となったが、三池監督への絶対的な信頼が揺らぐことはなかった。

「まず、作品の完成度の高さに関して、仕事を引き受ける時点で信頼、安心感はありますよね。現場ではカリスマがひとり立っているという感じで、キャストもスタッフも『付いて行こう』という気持ちがあるんです。戸惑いがないので、現場で役者として居心地がいいんです」。

2人の共演シーンについては、詳細は見てのお楽しみだが、本田が「瑛太さんの長ゼリフのシーン、私は地面に倒れている状態で聞いていたんですが、すごい迫力があって素敵でした!」と言うと、瑛太が「いや、(待ちの間)ゲームやっていたよね?」とピシャリ。次に共演するときは、より直接的なやり取りの多い関係性を演じてほしいものだ。

瑛太が「今回を上回るような激しい役で!」と再共演を熱望するも「これ以上、激しい役はちょっと」と本田は苦笑い。「じゃあ、壁ドンかな(笑)?」という瑛太の言葉に本田は、この日一番の弾けるような笑みを浮かべていた。

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