劇場公開日 2017年2月11日

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「家は救いの港じゃない」たかが世界の終わり(2016) 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0家は救いの港じゃない

2023年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

愛しているのに分かりあうことが上手くできない、そんな家族の物語。
OPカミーユの歌から凄くて、その歌詞もそのまま全てを示唆していました。
また音楽も絶妙で、グザヴィエのセンスの良さがみられます。
とにかくキャストが凄くて、フランスを代表する顔ぶれでしょう。
その家族の内面を覗きにいくようなカットや、溢れて止まらない会話の数々。
あまり意味のないような会話だけど、そこに何かを探っているようなもどかしさもみられました。
そして皆、病というか家族でいられる時間が残り少ない事をわかっているんでしょうね。だから口から出る言葉も何処かむき身。
皆演技が素晴らしく、一番は言葉より雄弁な皆の表情ですね。
手を握った時のあの時間。そのカットに映る皆の顔はすごかったです。
そして最後は自分自身そのままのような小鳥。
家に帰り、傷つけ傷つき、そして果てる。

家は救いの港じゃない…
深く刺さる言葉でした。

白波