劇場公開日 2017年3月25日

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「コアな特撮ファンなら、本作は基本「SF巨大生物の島」の翻案だと見抜いたはず それでいて、オリジナル版のリメイクでもあったのです」キングコング 髑髏島の巨神 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0コアな特撮ファンなら、本作は基本「SF巨大生物の島」の翻案だと見抜いたはず それでいて、オリジナル版のリメイクでもあったのです

2021年11月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

なかなかに面白いです!
見所が多い、というか見所ばかり

コアな特撮ファンなら、本作は基本「SF巨大生物の島」の翻案だと見抜いたはず

南北戦争末期、北軍兵士が気球でこの巨大生物の島に着く、その一行には従軍記者もいるのです
それをベトナム戦争末期に置き換えているわけです
第二次大戦の生き残りのハンク・マーロウ中尉は、ネモ船長に相当する人物なわけです

それでいて、オリジナル版の1933年のキングコングのポイントをきっちり押さえてあるのです

序盤のヘリ編隊との闘いは、もちろん複葉戦闘機との闘いのオマージュです
もちろん美女を握るシーンもあります
島には、原住民もいるし、例の壁もあるのです

恐竜との対決は、そのままグレードアップしてクライマックスとしています
骸骨クローラーの顎を引き裂くように開くのはそのままオリジナルの再現シーンでした
鎖に絡まるシーンはNY での見世物シーンからの由来であると思います

つまり本作はオリジナル版のリメイクでもあった訳です

特撮は最高峰であったと大いに満足しました
クライマックスの骸骨クローラーの成獣との戦いの猛烈さは、怪獣同士の戦いとはこれだ!ついに特撮は此処まで来たのだ!と感激しました

コングは2005年版の数倍の30m
形態もゴリラから、ネンアンデルタール人のような類人猿に寄せてあります

顔も細めで知的な二枚目な容貌です
もちろんフルCG なのですが、それがなにか着ぐるみぽい雰囲気をみせるのが面白いです
円谷特撮のキングコング対ゴジラの、キングコングよりほっそりしていますが、自分にはそれを意識した形態変更のように感じました

あと骸骨島の場所は、2005年版のスマトラ島西方のインド洋から、南太平洋に変更されているようです
モンスターバースに寄せるための変更と思われます

大いに満足した怪獣映画です
不満はありません
この作品はこれでいいと思います

ただ巨額の予算で撮られた、恐ろしく良くできた二次創作物の映像を観たという感じなのです
自分にはその感じが拭えませんでした

決して批判しているわけでははないのです
ただこれじゃないという声が心の中でするのです

あき240