劇場公開日 2019年4月19日

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「子供も楽しめる」シャザム! うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5子供も楽しめる

2022年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

コンセプトが斬新で、前評判も良かったので期待して劇場に行きました。吹替え版しかやってなかったのが不満ですね。

まあ、満足できる内容です。ちょっと期待が大きすぎたけど、だいたい想像した通りの出来になっていました。アメコミ映画に新風を巻き起こす、子供とヒーローの掛け合わせという意外性のあるキャラで、笑えるエピソードがサクサク進んでいきます。

自分でも経験あるけど、バク転が出来るかどうか、ドキドキしながら試してみたり、少年期ってイタい冒険を意味もなくやってみたくなるもんですよね。ザッカリー・リーヴァイはまんま子供大人を好演しています。テレビドラマの『チャック』の時と、基本的には変わってないのがうれしかった。

コメディ映画の傑作『ビッグ』の設定そのままに、大人になって困っている少年をサポートする友達の妙なコンビは相性ピッタリの関係。おもちゃ屋さんで脚ふみピアノを踏んでしまうシーンはその『ビッグ』のオマージュですね。遊園地の入り口にはあの願い事マシーンらしきものが置いてあるし、嬉しいイースターエッグが、いろいろ仕掛けてあります。

エンドロールは、『スパイダーマン・ホームカミング』のもろパクリじゃないかと思うほどよく似ています。おまけ映像には、スーパーマンも登場。ただし、顔を出せない大人の事情で、スーパーマン役のヘンリー・カヴィルとは明らかに別人のようです。DCユニバースらしい演出はそれだけ。この世界には、バットマンもスーパーマンも実在するヒーローで、彼らが戦闘で使用した武器がネットで取引されていたりしますが、一切登場しません。とにかく、ダークでリアルなDCヒーローらしさは、今回鳴りを潜めています。

気に入らない展開もいくつかありましたが、大きいところでは、変身前のアッシャーエンジェル君と、変身後のザッカリー・リーヴァイの役作りにバイアスの行き違いが出来てしまっていること。少年の時は妙に大人びた物静かな性格で、変身すると一気に子供に戻るという、統一性のないキャラが、ちょっと残念です。これは、名作映画『転校生』なんかでもあった、変身すると、元の人格を強調して演じすぎるので、同じ人格に見えないという失敗例ですね。

それから、映画が長すぎる!コメディなら100分が理想で、前半のシャザム誕生までの流れは、もっと短くできたはず。「大人も楽しめる」なんて記事を見ましたが、実のところ、「子供も楽しめる」の間違い。連休前の金曜日、子供は見に来てなかったようです。

2019.4.19

うそつきカモメ