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◆シャザム!

笑えて、愛情たっぷり。新ヒーローと新鋭監督のW覚醒は必見に値する
  ホラー出身の新鋭監督が、突如、エンタテインメントのど真ん中で快進撃をぶちかます。そんな魔法の様な顛末が本当に起こりうるのだ。その刹那、サンドバーグ監督が自ら「シャザム!」と唱えたのかどうかは知らないが、結果から言って本作は従来のヒーロー映画になかった特殊な魅力を取り入れ、ワクワクドキドキが止まらなくなる傑作に仕上がった。

  眉間にシワを寄せ、暗闇に引きこもりがちな他のDCヒーローたちに比べると、シャザムはとにかく明るい。そして無邪気だ。なぜなら、外見は大人でも、その正体はまだ14歳の少年だから。彼の本名はビリーという。ある日、気がつくと不思議な洞窟にいざなわれ、そこで出会った髭モジャの仙人から「後はぜーんぶお前に託す!」と問答無用で謎のパワーを授けられてしまったのである。

  彼が「シャザム!」と唱えると、筋骨隆々な大人の体にダサダサのコスチュームを身にまとったヒーローへと大変身。かと思えば、それを察知したスーパーヴィラン役のマーク・ストロングが、子供相手でも容赦はしないぞと、地獄の果てまで執拗に追いかけてくる。しかも恐るべきモンスター達を従えて。果たしてヒーロー半人前のビリーに、いやシャザムに、勝ち目はあるのか!?

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  見た目は大人、心は子供のまんま。そんなザッカリー・リーヴァイの芸達者ぶりはもう、観ているだけで楽しいし、憧れのビールを口にして「うーん、不味い!」と吐き出す表情はとりわけ最高だ。だがこの明るさの裏側には悲しみもある。主人公ビリーは幼い頃に母と生き別れ、今では里親の家で、人種も考え方もバラバラな他の子供達と暮らしているのだ。強がりを見せることも多いビリーだが、彼が新たなホームで包まれゆくジンとくるほどの愛情がまた素晴らしい。そこで出会う超個性的な子供達との絆に「グーニーズ」などの冒険映画を彷彿する人も多かろう。

  こうして全ての駒が出そろうと、ここから更にサンドバーグ監督の采配が冴え渡る。「ライト/オフ」や「アナベル 死霊人形の誕生」で培ったホラー演出の照射角度をちょっとズラすだけで、かくも特殊な緊張感や笑いに変わるとは恐れ入った。そしてラスト、すべての伏線を回収しながらアッという展開を巻き起こす様も実に爽快だ。まさかヒーロー映画でこれほどの満足感と温かさがこみ上げようとは。新ヒーローの誕生とサンドバーグ監督の覚醒、双方を心から祝福せずにいられない、まさに必見の一作である。

(牛津厚信)


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