劇場公開日 2016年4月8日

  • 予告編を見る

「この上ない美しい映画」ルーム 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0この上ない美しい映画

2016年11月26日
iPhoneアプリから投稿

この作品は一見すると、監禁された少女とそこで生まれた子供との、特殊な環境下での物語であるように思える。
しかし、そこで描かれるのは普遍的な親子の物語であり、幼年期から少年期への成長の物語である。
少年の時に、あんなに狭い部屋ではないにしても、自分がわかる限られた空間こそが世界そのものだった、と言う記憶はないだろうか。それを想起させ、とても切なく心温まる気持ちになる。
最後に、部屋に戻って改めて観たときに、自分はなんと狭いところにいたんだろうと思うところが面白い。部屋の一つ一つのものにありがとうと感謝、と同時に別れを告げる。彼の成長として、この上ない描き方に美しい映画を観た気がした。

夢見る電気羊