劇場公開日 2016年4月8日

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「子役くんの演技が素晴らしい 部屋から出てハッピーエンドでハイおしま...」ルーム ☆さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5子役くんの演技が素晴らしい 部屋から出てハッピーエンドでハイおしま...

2016年10月17日
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子役くんの演技が素晴らしい

部屋から出てハッピーエンドでハイおしまいな話だと思っていたんですが、その後 閉じ込められていた2人の日常が描かれて、監禁されていたが故の弊害(主に自分たちが監禁されていた間に親が離婚していたこと、息子くんの世界に対する理解が通常と少し違って受け入れるのに時間がかかったり、TVのインタビューによって自分が息子にとって良くない選択をしたのではないかというママの葛藤など)がリアルに描かれていてとても良い映画だと思いました。

「子供が1歳になれば、親もまた(親として)1歳 」みたいなニュアンスの言葉がありますがまさにそれだと思いました。
親子で一緒に成長し支え合い生きている。息子くんにとっての拠り所がママであるように、ママの拠り所も息子くんにある。

きっとこれから先もあの2人には乗り越えなきゃならない問題が出てくるだろうけど、2人の力で乗り越えていくのだろうなと思います。

冒頭でも言いましたが、息子くんの演技が素晴らしい。 脚本や監督さんも素晴らしい点だと思いますが、5歳という自分の意思を持っていて考えて行動できるけれどまだまだ子供という部分がとてもリアルで感銘を受けました。
もう一ついいなと思ったのは、部屋に別れを告げることです。2人が部屋から物理的に解放されてからも どこかであの部屋のことが忘れられないという描写や心境が感じ取れていました。2人でとにかくいろんなことにチャレンジしようと決めて楽しそうに過ごしていたけれど、ふとあの部屋を思い出す。そして あの部屋を訪れる。
たぶん チャレンジの一環でありけじめなんだと私は思ったんですが、監禁されていたところとはいえ 頭の中で部屋での思い出が美化(とまではいかないかも)されていたことが「部屋は縮んだの?」というセリフから感じ取れて 、実際に部屋に訪れたことで現実を受け入れて過去と別れを告げる。
あのシーンを見てきっとこの2人は大丈夫だと思えました。

☆