劇場公開日 2016年10月29日

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「キャスティングと演出で見せてくれた」ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0キャスティングと演出で見せてくれた

2023年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もともと一作目でそれほど共感できなかったけど、アラサー女子の等身大の悩みを、ユニークなつぶやきと共に綴ったロマコメが、ウケたんだろうなということは想像できた。キメようと思えば素材はいいのに、本当に残念なハプニングできまらないカッコ悪さが、共感を呼んだ。

レネー・ゼルウィガーの体当たり演技に話題が集中したけど、どちらかというとコリン・ファースのいかにもな英国男子ぶりがうまいと思った。彼はその後順調にキャリアを積み、アカデミー賞受賞に加え、ヒット作に立て続けに出演し、男を上げていった。

かたや、ゼルウィガーたるや、これと言ったヒット作もなく、じり貧状態にも思えるようなキャリアの終息ぶり。そして、今回はアラフォーになったブリジットが主人公とあって、本当はキレイなのに、ほっとくとどんどんおばちゃん化していってしまうとあっては、共感よりも痛々しさが勝ってしまう。

それでも、演出はていねいで、あやまちの結果妊娠してしまったのに、責任を取ってプロポーズする男が二人も現れるという「オトナの」事情でのモテ期。その三角関係を時に残酷に、時にロマンティックに描き切っている。

ヒュー・グラントが降板し、代わりにパトリック・デンプシーがキャスティングされたこともいい効果を生んでいる。題材が平凡過ぎて興味がわかないのをマイナスとしても、それをおぎなって余りあるていねいな演出で見せてくれる。音楽も相変わらずセンスいい。エド・シーラン本人ご登場には笑ってしまった。

結論としては、何度でも見たくなる映画ではないけど、よくできた続編として、きちんとケリをつけてくれたと言ったところでしょうか。

2018.12.10

うそつきカモメ