劇場公開日 2016年3月5日

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「背中の手の届かない所に薬を塗ってくれる人が近くにいると有り難い」ロブスター talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0背中の手の届かない所に薬を塗ってくれる人が近くにいると有り難い

2024年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

「哀れなるものたち」→「女王陛下のお気に入り」、そして事前情報ゼロで「ロブスター」に来ました。とても面白くのめりこんで見ました。素晴らしい俳優陣の揃い踏みにも大満足でした。

前半は、う~むと思いつつ絶対ないとは言えない話だと思った。少子化だとか結婚したがらない若者たちとか親だか国だか警察だかが大きなお世話で何かしようとする。すればするほど反旗を翻す「独身王国」地下=森組織ができる。恋愛禁止、独身こそが素晴らしいとまた訳のわからないルールを作ってリーダーだか指導者だかグルが偉そうに見張る。そしてそこで恋が生まれる。ジョージ・オーウェル『1984』と同じ世界だ。

後半は、私にとってはコリン・ファレルとレイチェル・ワイズの美しいラブストーリーだった。最初は言葉を介さずに思いを伝えあう(合図が多くて複雑過ぎるので自分だったらこんがらがって絶対覚えられない!相手と喧嘩しそうだ!と笑いたかった。でも笑うの我慢した)。次は見えないながら愛を確かめあう。春琴抄、小栗判官と照手姫の話のようでもありオイディプース神話でもあった。

talisman
CBさんのコメント
2024年4月22日

変な映画ですよね。コメントで、変なのは監督(だけ)でなく脚本家かも、と教えてもらいました。
また何か観に行っちゃうんだろうな、と思います。変なのに。
いや、変だから、か。

CB
琥珀糖さんのコメント
2024年4月22日

共感いつも有り難うございます。

私も、コリンとレイチェルの究極のラブストリーだと思ってました。
でも、でもですよ、
ラストでコリンは目を潰さずに、きっとレイチェルを置き去りに
したのだろうなぁ・・・としか思えず・・・でした。
やはりヨルゴス監督は、私のような凡人に
愛のカタルシスや歓びを、決して与えてはくれない、
だからなのか「鹿殺し」の方がずっと好みなのでした。

琥珀糖
R41さんのコメント
2024年4月22日

コメントありがとうございます。
これは奇妙な作品でした。
冒頭の女性がロバを射殺したこと、メイドと独身集団のリーダーの内通、そしてホテルの襲撃目的がお互い抱えている本音を聞き出すこと。
徹底して恋愛に対しルールで縛る世界。
まさにSFです。
考察せざるを得ない作品でした。

R41
しろくろぱんださんのコメント
2024年4月11日

私の的ハズレなレビューに本当にたくさんの共感ありがとうございます。

しろくろぱんだ