劇場公開日 2017年2月17日

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「ゾンビ映画だったのね、しかもキング原作」セル うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ゾンビ映画だったのね、しかもキング原作

2022年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

スタートから10分は文句なしに面白い。観客を未知の恐怖に誘ってくれます。
原作と脚本にキングがクレジットされている以上は、ストーリー展開(特にラストのアレ)に責任を持つという保証のようなものだろうと思います。毎回裏切られてばかりですが。

「IT~それが見えたらおしまい」で、久々にその真価を発揮したスティーブン・キングもの。その余波で「ダーク・タワー」まで映画化され、ずいぶんキング作品に対するハードルが上がっていると思います。大風呂敷を拡げては、チープトリックにがっかりのパターンは今回も。。。と言いたいところですが、これはこれで頑張っていると思います。

映画と小説は違う。という大原則をふまえたうえで、主人公が何ひとつ確証のないまま世界に翻弄され、間違っているかもしれない風説に踊らされることなく真相にたどり着くという都合の良さは、映画ならではでしょう。

そもそもゾンビ映画は見ようと思わないのですが、この映画はやられました。見せてくれました。キングが味付けしたらゾンビ映画はこうなるという面白さはあると思います。

例えば、
・どうしてケータイの電波が人体に影響したのか。
・通話中の人だけが暴徒化したのか。
・正常な人間を見分ける手段は。
・勝手にゾンビ化した人間を殺していい道理は。
・ケータイの影響下に比較的いないであろう老人と子供がいない。
・「感染」「上書き」させたほうが楽なのに殺し合う理由は。
・やっぱり銃を持つものが勝つアメリカ人的な価値観。
・何の根拠もないのに、解決を求めて旅をする主人公たち。

他にもたくさんありますが、多くのゾンビ映画につきものの、矛盾点は、この映画でも解決されないままです。むしろ、低予算で、手っ取り早く名を売りたかったら、ゾンビ映画という図式がいつになっても払しょくされないものかと思います。「ウォーキングデッド」にすら、ハマることが出来なかった私ですが、この映画は一味違いました。

ラストがあんな風だから、たぶん☆一個分損してると思います。

2018.2.14

うそつきカモメ