怒りのレビュー・感想・評価
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本当に大切なものは、増えるんじゃなくて、減っていくんだ。
映画「怒り」(李相日監督)から。
NHK大河ドラマの主役を演じた俳優らが、何人も出演し、
その演技の素晴らしさを実感できた作品、とも言える。
松山ケンイチさんと宮﨑あおいさんの会話なんて、
「おぉ〜、平清盛と篤姫、会話してる・・」と思ったほどだ。
さらに「独眼竜政宗」(渡辺謙さん)まで加わって、
「伊達政宗」と「篤姫」が親子なんだ、と1人で興奮していた。
さて、気になる一言は、迷ったけれど、このフレーズ。
宮﨑あおいさん演じる「愛子」が、元彼に言われた台詞。
「お前は大切なものが多すぎる。
本当に大切なものは、増えるんじゃなくて、減っていくんだ」
何気ないアドバイスなんだろうけれど、心に引っかかった。
あれもこれも、自分の周りにあるものを大切にすると、
本当に大切なものが見えなくなってしまうよ、と言いたげだ。
また「本気を伝えるのが、一番難しいんだよね、きっと。
本気って、目に見えないからさ」という呟きも心に響いた。
様々なん人間関係があるけれど、共通していたのは、
自分の大切な人を信じきることの大切さと、
ちょっとした出来事で、その想いが揺らぎ、誰が何と言おうと
最後まで、信じ切れなかった時の落胆ぶりを、彼らは演じきった。
特に、宮崎あおいさんの「号泣シーン」には、
台詞なんてないのだけれど、その泣き声だけで揺さぶられた。
タイトルの「怒り」は、愛する人を守れなかった自分や、
大切な人を信じ切れなかった自分に対する「怒り」なのかもしれない。
それにしても、豪華キャストだったよなぁ。
P.S.主題歌は、坂本龍一さん他、タイトルは「許し」。
「怒り」「許し」・・この対比が何かを伝えようとしている。
メッセージに欠ける…
未解決の殺人事件の1年後に、各地に現れた経歴不詳の3人の男たちとそこに暮らす人々との関わりをサスペンス風に描くが…結局誰も事件とは関係なく、何を伝えたいのかメッセージに欠けた。
言葉にできない
愛する人を信じることが、また疑うことが、正しいか間違ってるのかなど結果論でしかない。
他人がとやかく言えることでも、結果を知った後でタラレバ論を言えることでもない。
以下、ネタバレ。
犯人は、最後イカれたわけではないと思う。寧ろ、最後の最後が、森山未來なりの最大の優しさで、罪滅ぼし。
もしあの男の子に怒りを感じていたりのなら、那覇でとっくに殺すなりなんなりしているはず。だいたい、ポリスって叫んだのは森山未來本人だし。
終盤の唐突にイカれた感じは、演技。
自らへのやり切れなさに怒る男の子の感情を聞き、お前の味方にならなると言った。その約束を、自ら考え、実現したのだと思う。
怒りに狂ってるひとが、あんな長いわかりやすい文で「ウケる」なんて書かないよ。
男の子に、正当防衛の証拠をわざわざ残してあげてるだけ。また、広瀬すずも後からこれを見て、怒りというエネルギーを出させ、生きていってもらうために。怒りは、その反動で生きる力にもなるから。
「怒」の文字も、自分があの事件の犯人ですよと、自らわかりやすく示してるに過ぎない。だって、「ウケる」のに「怒」って、そもそも矛盾してるからね。
テレビのニュースでおそらく自分が遅かれ早かれ捕まるであろうことも察し、それであれば自分自らを使い、男の子を怒りから救うために考えた結論は、男の子から「最低な」自分に対して「怒り」を引き出させ、殺させること。
わざとナイフをちらつかせたり、首を絞める振りをして、その「怒り」を増長させる。演技でなく本気で殺したいのならば、あの男の子など簡単に殺せるだろうし、逆に殺される「ミス」などあり得ないだろう。
「怒り」に任せて殺人を犯した犯人が、時を経て、「怒り」の力で人を救おうとした。怒りの感情は、使い方次第で、善にも悪にもなる。
だから、タイトルが「怒り」。とても良くできた、考え込まれた作品だと思う。
ここまで気付けた人は少なそうなレビューが多い(最後森山未來が本当に狂ったと思ってるひとが多い)ことが、私の怒り。そりゃあ、心の動きが単純化された映画ばかりになってしまうわけだ。
タイトルが
原作読んでないから、なんとも言えないけど、タイトルが(怒り)なら怒りについてちゃんと描こうよ。
心理的には森山未来は表面上は怒りに見えるかも知れないけど世界がわからない(恐れ)がベースなんだよね。だから人を見下すことで自分を保とうとする。宮崎あおいがなんで風俗で客のリクエストに一生懸命答えようとするの?発達障害から否定され続けた恐れ、自己の確認作業でしょ。すずも突然の恐怖、自分がどうなるかわからない恐怖。
恐怖を乗り越えられないと人は慟哭のような怒りを感じる。
渡辺謙だって、世間の目からの恐怖から怒り転換してるだけ
綾野剛にどこに怒りがあるの?
松山ケンイチも抱えているのは恐怖でしょ。
そんな背景のなかで、人を信じる心の揺れ動きと成長の物語なんじゃないかな?
役者はちゃんと仕事している。
すずは🔺
台本、監督達が怒りというものをちゃんと理解してないで、サスペンス的な上っ面なシチュエーションを描くのに一生懸命になって、結局、伏線が拾いきれず、落ちが迷走してる感じ
だから、タイトルに違和感を感じてならない
最後の宮崎あおいの[ちゃんと、私が家に連れて帰るよ]って台詞と表現はお見事と思った。けど、すずの慟哭が全然表現出来てないから、無理矢理、宮崎あおいのアップを差し込んでいるようにしか見えない。
発達障害の子をあたかも成長したかのようなカットって?
さすがです。
期待通りでした。
役者もみんな、文句なし!
いや、広瀬すずにはもうちょっと頑張って欲しかったかな‥ラストのあのシーンは渾身の怒りを表現する大切な場面です。
それにしてもずっと辛い。悲しい。
疑った人たちが実はそうではなく、信じてた人たちが裏切られる。疑った側、信じてた側の気持ち、両方がまさに怒り。
最後愛子のエピソードだけハッピーエンドになったのは救われたが。あのままいなくなった方がテーマ的には良かったかな‥とも。
始めの犯行の場面の犯人はどうみても森山未來にしか見えなかったけどやっぱりそうだったとは笑
日本版バベル?
吉田修一はバベルを意識して小説書いたの?と疑いたくなるほど、印象が似ていた
ゆうつべにアップされてたのを観たんだけど、音量マックスでも半分程しか聞き取れない始末
それを差し引いても、高評価にはちょっと違和感がある
先ず、Wケンと宮崎あおいのエピソードは、大騒ぎして警察沙汰にする程の話にするほどの話なの?ってのが一つ
そんな事言ったら創作なんて出来ねーよ!って言われるかも知れないが、明らかに、現実に起きた事件から断片的に切り取って、継ぎはぎだらけのフランケンシュタインみたいな、事件と犯人創り出してるよね?
上手く説明できないけど、凄く違和感感じてしまう…。そのやり方ドーなのよ(実際の被害者が歴然と居るわけだから、その人達がこう言う描かれ方するのをどう感じるのか?不快に感じないのか?という疑問。俺はちょっと不快だったね)
二つめは、森山未來演じる犯人なんだけど、そんなに悪い奴には見えなかったんだけど…
最後の方、台詞ほとんど聞き取れなかったからかもしれないが、刺し殺される程の怒り買う事したの?って思った
俺の理解では、宮崎あおいと森山未來が演じた役は、何らかの障害を抱えた人と確信してるが、そう言うデリケートな部分を含む問題を描く、そもそもの小説の作法自体に大いに疑問を感じる
三つめは、余計な話だけど綾野剛演じる役の死は、取って付けた感しか感じなかった(ここも聞き取れないんで実際どうだかわからんけど)
でも、台詞ちゃんと聞き取れても高評価に転じはしないな。
怒り→狂気
渡辺謙の怒りは娘への世間の目、女性蔑視。
妻夫木聡、宮崎あおいの怒りは相手を信じきれなかった自分自身への怒り。綾野剛は信じてもらえてなかった怒りというより哀しみ。広瀬すずは…怒りというより、ただただ哀しくて辛くて悔しい。
3人の素性がわからない男。
犯人が誰なのか知りたくて凄く引き込まれた。
上手いと思った。
森山未來は他人から見下されての怒り…なんだけど
見下されても居ない友人が危険な目に遭っているのに助けず、むしろ一部始終を見て楽しむサイコパスだったのには愕然とした。本当の悪人って普段は善人を装っているものなのかも知れない。
もうちょっと理由がほしい
話は全体的によかった。それぞれディープなところも触れ、信頼するをテーマにやってきた感じがする。
警察から電話がかかってきたり通報したりと犯人?と思わせる演出はいいと思う。でも犯人一人だけ特に疑われるような場面もなくあるとすれば唯一怒り狂ってる場面だけ。怒とかく理由もほしい。前殺した時は同情したからというはっきりした理由が描かれている。今回怒と書いたのは米兵が途中で逃げたからという理由でいいのかな?そこも曖昧。米兵の話が長すぎて肝心の犯人のオチが弱い。もうちょっとサイコパス?らしさを生かしたものにしてほしかった。
芯がない
市橋容疑者をモチーフにしたり、沖縄の米軍基地や米兵の婦女暴行を描いたりと、憤りを感じる実社会の事件や問題を要素に入れた「社会」映画なのか。
それとも、人を愛したり、信じたり、裏切られたりという「人間」映画なのか。
それともそのどちらもなのか。
本当に描きたかったのは後者だったのではないか。この素晴らしいキャストで、それに撤すれば本当に名作になり得ただろう。
しかしあろうことか、社会のデリケートな問題を中途半端に「消費」し、個々人の設定を脚本を裏付けとした演技ではなく「貫禄」でごまかしたことで、常に疑問がつきまとい、全く感情移入できない。
覚えた感動は、映画の中の人物ではなく、出演者に対してであり、残ったのは、無責任な消費に対する憤り。
それがこの映画が伝えたかった怒りなのだろうか。
役者と監督の渾身の作品
『悪人』もすばらしかったけど、個人的にはこっちが上。
小説が原作の場合、だいたい小説を上回ることはないけど、これは映画のほうが好き。
役者は本当に全員うまい。森山未來、綾野剛、宮崎あおいは特に良い。
一番信じたい人だから信じきれない、信じていたのに裏切られる、大なり小なり誰しもが経験していること。
田代が犯人じゃなかったシーン、ゆうまの泣きながら人混みを歩くシーンは実に泣ける。
広瀬すずは、それまでよかったが最後の海で叫ぶシーンだけ不満。泉の心の叫びはあんなもんじゃない。魂をかんじなかった。
とてもエネルギーのいる大作だけど、暫くしたら、もういちど観たい。
怖かった。
3つの話が同時進行の作品、ときいてちゃんと頭に話が入って来るだろうか…と不安なまま観に行ったのですがそんな心配はなくとてもみやすかった。
怖かったけどとてもみいった。
女性として広瀬すずちゃんのお話がとても傷ついた、やるせない。
自分の信頼していた人が2人もいなくなるし、かたや裏切りに近い行為をされて。(近いというか、)
パンフレットのコメントも読んだのですが、本当に役に入りきっていたようでつらそうだった。改めて役者さんすごいなと感じた。
3つのストーリーで松山ケンイチ以外の2つのストーリーがバッドエンド…と受け取った。
見たあとの疲労感がとてつもない。
幸せなひととき、からの下りがとてもじゃないほどに辛い。
うまい言葉がみつからない。
とりあえずとても疲れた作品だけどおもしろかった。
それぞれの終わり
沖縄の田中が真犯人。
千葉では通報してしまったが犯人ではないとわかり後悔の念で親子が苦しむ、田代は東京に逃げてしまうが、捕まえて戻ってくる。
妻夫木は綾野剛が心臓病で死んでしまったことを知る。
予想通り良い映画
原作を読んでいたので、2時間だと展開は早く感じた。しかし、それでも物語に引き込ませる役者の演技力・画の力が凄いと思う。3つの物語に共通して「怒り」というテーマがあって、、というテーマはあったのだろうか。そこだけは腑に落ちなかった。
もっと面白くできたんじゃない?
3つの独立の話の中で犯人だれだ、ではなく、実は3つのストーリーが整形毎の時系列で繋がった1つのストーリーだったらもっと面白かったんじゃない、と思いました。
メインのテーマは人を信じることの難しさ的なところでズレた感想だとは承知ですが、別にあのような状況でそれぞれの相手を疑ってしまうのは当然の反応な気もするし、なんだかなぁという感じです。
殺人犯の狂気
観た後かなりひきずると聞いて、
映画館で見るのをためらっていたが
気になってレンタル鑑賞。
3つの舞台のそれぞれの人生。
映像の切り替えがうまくて秀逸。
どれもが疑わしく見える。
妻夫木聡すごい自然だった
ほんと何でもできるなー
ミュージアムでのカエル男もやって
ゲイもできて素晴らしい
宮崎あおいもちゃんと愛子って女性を生きてた
友人?の池脇千鶴も脇役ながらさすがの存在感。
渡辺謙は言わずもがな。
松山ケンイチもよかった。
いい奴でよかった。泣
一瞬も見逃せんのが森山未來の怪演。
このひと鬼神や。気配消すわ、暴れるわ
逆立ちの時点で犯人こいつや思ってたのに
あの子と一緒に信じてしまった。
どんな思いであの子に味方なんて言うた?
何をおもって涙を見せた?
なんで殺してしまった?
森山未來にタイマン勝負な沖縄の男の子も
新人らしいのに自然な演技。
内容としては、言われた通り重い。
広瀬すずまじか…って描写もあって、
苦しくて、悔しく泣きそうになった。
胸にどしっとくる。心えぐられる。
ただ愛子がなんで家出してたのか、
直人と優馬のことももう少し欲しいし
田中の動機も知りたい。
気になるんで小説読みます!
大切なものは、増えてくんじゃない。
減ってくんだよ。
という台詞が好きです。
全217件中、61~80件目を表示