劇場公開日 2015年2月14日

「愛の再生」ラブストーリーズ エリナーの愛情 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0愛の再生

2019年6月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

単純

幸せ

ある夫婦の別れから再生を、男女それぞれの視点から描いた大人のラブストーリー。
本作は、ジェシカ・チャスティン演じるエリナーの物語。

いきなりだが、男性視点のコナー編より良かったと思う。
一応同じ物語なのに、これも男女の感性・価値観の違いか。
それもあるだろうが、コナー編が未練タラタラの冴えない話だったのに対し、こちらは一本の作品としてドラマ的にも展開的にも見るものがあった。

夫婦に溝が入り、別れる事となったきっかけ。
子供の死。
特にエリナーの悲しみは深い。
開幕早々、ある行動をする。
家族の支えで何とか立ち直る。
父の勧めで大学の講義を受ける。
髪も切る。
過去を断ち切り、再スタートした筈だったのに…、コナーと再会。
エリナー側から見れば、ストーキングされたような…。

コナーと居れば、嫌でも悲しい過去を思い出す。
悲しみだけは思い出せるのに、あの子の顔が思い出せない。
当初はコナーを拒みつつも、また再び彼の存在が気になってくる。
やはり彼しか居ないのだ。この悲しみも理解も再生も共有し合えるのは。

ジェシカ・チャスティンがさすがの巧さと魅力。
序盤の悲観、立ち直り、複雑な心境を体現。
着こなすファッションやロングヘアーからのショートカットなどもいちいち決まっている。
両親役にウィリアム・ハート&イザベル・ユペール、大学教授役にヴィオラ・デイヴィスらキャストにも恵まれた。

やはり、二本で一本の作品だ。
こちらがこう思ってる時、あちらでは…。
シビアに思えても、その胸中は…。
一見、コナー編を見てからエリナー編を見るとより深みがあるように感じるが、実はしっかりとお互いを補い合ってる事を感じる。
印象的なラストシーンも、コナー編は切なさを感じたが、エリナー編では仄かな光が見えた。

近大