劇場公開日 2017年3月10日

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「沖縄出身者ですが「私の先祖はポリネシア人だ」と確信しました」モアナと伝説の海 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0沖縄出身者ですが「私の先祖はポリネシア人だ」と確信しました

2021年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

個人的には5点満点の作品です。

私と同じ沖縄出身の屋比久知奈さんが主役のモアナの声と歌を歌っていると聞いて鑑賞しましたが、「私たちウチナーンチュの祖先は船でポリネシアから来たんだろうな」と実感する作品でした。

青い海と白い砂浜、豊かな緑。浅黒い肌、彫りの深く丸い鼻、薄い目の色、(南の島の人たちはおんなじだ)と笑ってしまいました。おおらかでゆったりと生きているところも、よく似ています。

祖母タラの伝説の口承と伝統的な絵柄がストーリーを予言する役割を果たしていて、釣り針を探しに行くというストーリーは、日本の神話との関連があるのか気になります。また、豊穣の神テ・フィティや溶岩の悪魔テ・カァなど、神々が多く出てくるのも楽しい。

海がターミネーター2で話題になった人形を作る立体液体、マッドマックスのパロディなのか、それともポリネシアンが元祖なのか太鼓隊が乗った海賊船など、人気映画のワンシーンを思い出させる描写が面白くて、クスッと笑うシーンが何度も出てきて、映画を好きなアニメスタッフが作ったことが想像できるのも楽しいです。

海から遊びにくるエイと戯れるモアナの祖母タラのシーン、エイが神様のように何度も登場してくるのも、たまりません。

美しい南洋の島じまの光景や海中の世界、大画面で観たかったなあ。
劇場で観たい作品でした。

山川夏子