劇場公開日 2014年12月20日

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「無残な作品。落日のポランスキー。」毛皮のヴィーナス bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5無残な作品。落日のポランスキー。

2015年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

 80歳を超えたポランスキー、かなりヤキが回ってきています。上映開始20分を過ぎて、登場人物は相変わらず二人のみ。カメラは劇場から外へ出ません。厭な予感がしました。これ、もしかして、極めて退屈な室内劇なのではないのか・・・。結局、予想通りでした。70年代に、ローレンス・オリビエとマイケル・ケインが出演した「探偵 ースルースー 」という、登場人物が二人だけの滅法、面白い映画がありましたが、この作品は登場人物が二人だけという手法が完全に裏目に出ています。イヨネスコやベケットの戯曲がいくら優れていても、それをそのまま映画化する監督はまず、いないでしょう。全ての戯曲が映画に適しているわけではないのです。人間、老けこんでくると動きの少ない、科白だけに頼る極めて退屈な映画を撮るようになることが多いのです。フェリーニ然り、アントニオーニ然り。まあ、本作品は第一級の失敗作であることに間違いはないと思います。
 尚、この作品は演劇を学んでいる人にとっての反面教師的教材になるでしょう。そういう効用はあるかもしれません。

bashiba