劇場公開日 2014年12月20日

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「少し疲れた。トマ役がすばらしかった。」毛皮のヴィーナス 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0少し疲れた。トマ役がすばらしかった。

2024年2月18日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

オーディションという場はワクワクする。また劇をしながら予期せぬことがおきる、というのも。
テーマがマゾヒズムとうことであれなのだが、楽しんで観ているうちに、それなりに勉強になる。
原作やブロードウェイの作品の方に沿っているのだろうか。

ここでは、トマ役のマチュー・アマルリックの演技がとてもよかった!
言葉の言い方、目の輝き、そして膚の緊張感みたいなものなど、全体から伝わるものが凄くて、楽に吸い込まれていくことができた。

残念だったのはワンダ役。監督の奥さんらしいけれど。
濃いキャラで迫力がある。それはいいのだけど、全体的にうるさく感じた。
特に、彼女は時々二人の演技中に個人的見解を挟むが、(それはおもしろい点でもあるのでよいが)無神経な切り方でブチッと切るので、二人の演技に陶酔中にそれをやられ、その段差でイラッとする。同じことを言うにも、わずかな間を取ったり、感情の入れ方、声のトーンなどで、もっと受け入れてもらいやすくできると思う。
ずっと二人だけの会話で構成され、観る方はそれに付き合う映画だ。あのような迫力を全面的に感じさせられると、飽きるし疲れるのだと思う。
トマ役がよくなければ最後まで観るのはきつかったかもしれない。

あま・おと