厳重に監視された列車

解説

チェコの名匠イジー・メンツェルの長編デビュー作で、アカデミー外国語映画賞受賞作。第2次大戦中、ナチスドイツ占領下のチェコを舞台に、恋愛や性の悩みを抱える青年ミロシュが、時代に翻弄されながら右往左往する姿をシニカルな笑いとともに描いた。日本では「2007 チェコ映画祭 in Yokohama」で上映された。

1966年製作/93分/チェコ
原題:Ostre sledovane vlaky

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第40回 アカデミー賞(1968年)

受賞

外国語映画賞  
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映画レビュー

4.0童貞くんを描きつつ戦争も描いたチェコ映画

2022年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

映画タイトルは堅苦しく、内容も第二次世界大戦の終末ごろの物語とのことで、重そうな戦争映画かと思いきや、「戦争という大きな出来事」と対比させるかのように「女性経験の無い若者の小さく見える性の悩み」を描いたチェコスロバキアの映画。

この映画、童貞君の悩みを中心に描いており、彼にアドバイスするかのような女好きの男や、積極的な女性などを描いていて、コミカル・タッチが前面に出ている。
しかし、その背後に“戦争”も描いているあたりは見事。

第二次世界大戦のヨーロッパでは、各国で激戦が繰り広げられていたが、1939年にナチス・ドイツの保護領となったチェコスロバキアは例外で、激戦などは無い平和な生活だった。
しかし、1945年になるとドイツ敗戦の報が伝えられ、ドイツ占領国であったチェコスロバキアでも抵抗運動が活発化したのだった。
本作は、そのころの時代背景をベースに描かれており、駅員見習いの童貞くん=ミロシュに性の手ほどきをするドイツ名の女性は抵抗運動員(レジスタンス)であるが、彼の筆おろしの指南役も……という不思議なタッチで描かれている。

こうした映画を生み出したチェコのイジー・メンツェル監督の手腕は素晴らしい!
なかなか本作のような映画は他に類を見ない映画ではないだろうか。

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たいちぃ
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